恐山あれこれ日記

院代(住職代理)が書いてます。

破杓庵問答

2019年03月20日 | 日記
「問う。如何なるか是れ幸福」

「今日と同じ明日がくることを信じていて、しかも信じていることを忘れている状態」

「如何なるか是れ真理」

「アクセサリーみたいなもんだ。無くても構わんが、無いと寂しい」

「如何なるか是れ死」

「後ろの正面と同じ。見えたらただの正面で、後ろではない。誰も見たことがないのに、その話はできる」

「如何なるか是れ生」

「空気だな。感じることはできるが、つかめない」

「如何なるか是れ希望」

「蛍光灯。明るい時にはいらない。いちおう予備もあったほうがいいけど」

「如何なるか是れ絶望」

「落とし穴。落ちても底無しということはない。ただ、底抜けしないうちに出る算段がいる」