元「スケ番」、その後紆余曲折の果て、この春から看護師として出発した女の子との会話。
彼女「方丈さんさぁ、『普通』って大変なんだねえ。私、やっとわかってきたよ」
私「そう。そう思う?」
「朝チャント起きて、チャント仕事に行って、帰ってきて寝る。それでチャント三度ご飯食べる。大変だよ。みんな偉いよねえ。私がムチャしてたころ、他の人はみんなこんな大変なことしてたんだね」
「でも、君もあの頃、やらずにはいられなくて、一生懸命『不良』してたんだろ? 楽しいばかりでやっていたわけではあるまいに」
「うん。それはそうなんだけどさあ・・・・。でも、やっぱり、偉いよ」
「身にしみてわかった?」
「ホント、身にしみた。それがわかるのに、こんなに回り道して、ばかみたい。やんなっちゃう」
「でもね、君みたいに『普通』の意味がわかる人はそんなにいないさ。とても大事なことだと思うよ」
「またあ、変な慰め方するう」
「違う。共感してるの」
こういう会話ができるとき、坊さんやっていてよかったなと、ちょっと思うわけです。
追記:次回「仏教・私流」は6月16日(火)午後6時半より、東京赤坂・豊川稲荷別院にて行います。