くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「謎斬り右近」中路啓太

2013-09-24 05:09:33 | 時代小説
 えーと、これはあれですね、「あずみ」。でも、天海は敵なので、逆サイドといいますか。
 中路啓太「謎斬り右近」(新潮社)。はじめて読む作家です。第一章を読んで、これはあんまりわたしの守備範囲じゃなさそうだと思ったんですが、なんとか読み切りました。陰謀とか殺戮とか、次々とおこるのです。歴史上の有名人も続々登場。
 将軍は家光の時代。豊臣の宝がどこかに隠されていると信じる山王御供衆一派が、太閤の墓を暴きます。それを止めようとした木下家の家臣は「砂迅雷」という目潰しの技で殺されます。
 木下右近俊基は、その仇を討とうとして、否応なしに戦いに巻き込まれていきます。許婚だった豪と想いを交わしたのも束の間、彼女はさらわれ、右近も身を隠すことに。
 圧倒的に強い剣豪宮本武蔵を抱き込んだ山王御供衆。「豊国神宝」というものをめぐっての攻防。東慶寺はどんなかかわりがあるのか。伊達政宗は?
 スリリングですよ。豪が小鼓を打つあたりが好きですね。
 しかし、魅力的な脇役が次々死んでしまうのです。犬の黒も……。
 おろくに純愛を感じる燕藤十郎が印象的でした。
 この本、表紙カバーと挿絵がエマさんなのです。今まで読んでこなかったジャンルが開けてくるのはおもしろい。次はPHP文庫のあれ(表紙のイメージしか覚えていません)を読もうっと。
 


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