くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「繕い屋」ほかライトノベル

2018-08-24 05:15:02 | YA・児童書
 矢崎存美「繕い屋 月のチーズとお菓子の家」(講談社タイガ)。
 悪夢を見る人のトラウマを読み取り、調理して食べさせることによって傷を癒していく連作です。
 印象的だったのは、「お菓子の家」。
 大学進学の費用を父に出してもらいたいと連絡をした真梨子。父は離婚の原因を真梨子が知らないことに気づきながらお金を出してくれます。しかし、父が浮気をして自分たちを棄てたのだと信じていた真梨子は、さんざんひどいことを言ってしまう。
 その後、母の姉から「浮気したのは母」と知らされ、部屋を探ると父から送られてきた数々のプレゼントが……。 
 父にはもはや会ってもらえない。
 その思いから、家に男性が訪ねてきてドアをノックされる夢を見るようになります。
 散歩で知り合った「花」という女性と、猫の「オリオン」が、真梨子の夢の家をお菓子に変えて食べるようにいうのです。
 花は、人々の傷を内面から癒してくれます。
 両親を亡くした。リストラにあった。離婚して、娘も遠くに行ってしまった。そんな人々が、花のおかげで悪夢から抜け出せます。
 しかし、最後の「透明な夢の中に」で、傷を癒すために花が相手の体内に入り込んでいくことが発覚! それを見ていた従弟の友が愕然としていたので、実際目に見えるのだと思います。
 散歩とか新幹線の中で、という話もあったのですが……。人目に触れないの?

 「京都西陣なごみ植物園」の二巻も読みました。
 近くにできたカフェで「晴明の愛でた桔梗」を高額で売り付けようとする詐欺があったり、角倉了以の茶会の再現のプロジェクトで「禁花」を探したりするの、おもしろかった。
 神苗くんにライバル登場、も今後が楽しみです。
 
 それから、「偏差値70の野球部」(小学舘文庫)も読んでみましたが、三巻冒頭で挫折。さっぱり野球小説っぽくならないの……。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿