くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「ふくしま式200字メソッドで」

2016-02-28 19:03:45 | 社会科学・教育
 職員室の本棚にあったのに、先頃まで気づかずにいました。
 「ふくしま式200字メソッドで『書く力』は驚くほど伸びる!」(大和出版)です。
 わたしは福島先生の著作はかなり読んだと思うのですが、この本は今までになく読みづらかった。
 主旨はいつもと同じです。「まとめる力」「言いかえる力」「たどる力」を鍛えて、国語の力をつけよう。今回は、「型」を使って、作文がかけるようになろう。
 根本の型は、
    「ア」は「1」なため「A」である。
    しかし、「イ」は「2」なため「B」である。
    だから、「ア」よりも「イ」の方が「C」であると言える。
 これに、適宜対比する言葉を入れていく。慣れてくれば、八百字やもっと多量の作文(小論文)が書けるようになる。
 それを、具体的に懇切丁寧に教えてくれます。
 生徒に書く力をつけたいという若い教師には非常に参考になる一冊です。

 でも、わたしには今回驚くほど読めなくて……。
 まずは、宮城県の入試で出題される作文が対比的なものではないからというのも一因でしょう。
 誤解がないように言いますが、わたしは授業では対比作文をできるだけ書かせるように取り組んでいる方です。「故郷」や「平家」だって対比して書かせます。
 でも、公立入試にはもっと抽象的な課題が出る。
 まあ、どちらにしろ、対比作文が書けるにこしたことはないので、それは必要です。
 読んでいて苦しかったのは、福島先生が自著の書名を何度も何度も出しているところ、なんですよね……。
 あの本ではこうやって取り上げたとか、詳しくはそちらもチェックしてほしいとか、結構頻繁に出てきて読みにくい。
 
 ところで、今回は読書感想文の書き方として「モチモチの木」が例文として紹介されます。主人公の成長を反映して、マイナスからプラスに発展させる。その差が感動につながっていく、ということが、その前の項に書かれていて、わたしは憂鬱になりました。
 これは、弁論原稿でもよく言われる手法です。
 一回挫折を乗り越える方が、主張がいきるんですよね。でも、わたしは好きになれない……。
 そういう気持ちで読んだせいか、お手本の感想文がすっきりと入ってこないのです。
 初めの豆太は臆病、経験を通して勇気をもつ。この成長物語という分析はいいのですが、そのあとに「800字超えの完成形」という形で載っています。
 でも、これは読書感想文ではない、と思います。

 物語のあらすじ、勇気をもつ行動で得た勇敢さ。そして、母親に全部やってもらう自分を反省……。
 って、体験が半分以上? さらに作品に戻ってこないままに終わるのは納得いかない!
 というわけで、なんとなくもやもやしています。

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