くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「就職相談員蛇足軒の生活と意見」松崎有理

2014-09-23 19:44:42 | ミステリ・サスペンス・ホラー
 来多神今日だんご!
 普段淡々としているわたしが、声を出して笑ってしまいました。ああ、そして、だんごを食べたくなりました。北上京だんごに限っていえは、わたしはごま味が好きです。
 口答代公園(勾当台公園です!)や成語温泉郷(これはわかりますよね)といったパロディ地名も非常に気に入っております。仙台に住んだことのない人にはこの可笑しさは伝わらないのかしら? そして、わたしの知らないところで、同様に地名を当て字にした小説はあるのでしょうか。
 松崎有理「就職相談員蛇足軒の生活と意見」(角川書店)。
 確かに、この本、初夏に仙台の本屋で見かけました。同行の友人が猫好きなので、とりあえず猫がモチーフの本は買うことにしていると言って。ただ、そのとき平積みされていた中に猫が描かれている本がやたら多くて、一度には買えなかったのです。 
 でも、この本の「猫」は、「余白」ですよね。(「白」という猫の子なので「余白」だそうです)
 シローに占ってもらうのは、彼女の好みかどうか判断しかねます。でも、彼女も仙台に住んでいたことだし、わかってくれるかも。「蛸足大学」近くに通学していたことですし。
 前作では、女の子に惚れても常に失恋してしまうのがパターンでしたが、今回はわたしの感覚でいえば恋愛小説です!
 希少生物の分類を研究してきたシーノは、就職が決まらないまま職安(職業安全保障部局)にも余り相手にされず、通りすがりに求人があった「蛇足軒」の秘書になります。彼は家元です。しかも、「嘘術」の。
 さらに、職安の特命相談員でもあり、彼を訪ねて特殊体質の人々がやってきます。
 ……人々? いやいや、吸血鬼やお掃除ロボット(ルン○ですね)も、やってきます。
 お庭には巨大なりゅうきんの「いちゃぽん」。秘伝書を狙う男や、味音痴の庭師。もうユニークでたまりません。
 ところで、表紙の話に戻りますが、イラストレーターさんは仙台に詳しいのでしょうか。猫もりゅうきんも「あまんざ」のお菓子を食べていますが。
 ちなみに「萩饅頭」は、萩の月ですよね。