くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「エンジェル・ハート」北条司

2013-04-10 05:53:59 | コミック
 先日、夫が大人買いしてきた「エンジェル・ハート」(徳間書店)1stシーズン24巻+2ndシーズン5巻。いやいや、まず「ソロモンの偽証」を読んでから借りるから、と言って、やっと読みはじめたのですが、これもまた長かった。
 ご存知、「シティハンター」の続編です。わたしは単発読み切りで雑誌に載った第一話をリアルタイムで読んだんですよ。アニメ化されたのはわたしが十代の頃。だからなのか、バックミュージックにTMが流れているような気分です。
 とはいえ、全部読んではいないので、エンディングがどうなのかわからないのですが。
 物語は、冴羽と結婚写真を撮ることになっていた日に事故で亡くなった香の心臓が盗まれることから始まります。台湾マフィアの殺し屋「グラスハート」の命をつなぐために移植されたのが、香の心臓。そのときから、彼女の心に香の存在が入り込み、やがて二人は親子のような関係になっていく。もちろん、冴羽もその思いに寄り添って、今はいないはずの香を仲立ちに親子として暮らしていくように。
 実は「グラスハート」は組織のドン李大人の一人娘。本人はそれを知りません。李大人は冴羽に彼女を託し、本人も知らなかった本当の名前「シャンイン」を伝えて帰途につく。
 かくして少し奇妙な三人(?)の暮らしが始まるのですが。
 喫茶店「キャッツアイ」を拠点としてシティハンターの仕事を始めるシャンイン。ここはあの「海坊主」が経営しているんですよ。シャンインを追ってやってきた信宏という少年に、居候を許すのですが、つい「海坊主さん」と呼んでしまうところを「ファルコンだ」と訂正していくシーンがおもしろかった。
 やがて彼は義理の娘ミキと暮らすようになります。小学校の名簿を見て、秋穂ちゃんというお友達のお父さんに電話をかけるとき、「ミキの父のファルコンです」と名乗ります。ミキ、どんな苗字で学校にいっているのかな。
 で、さらには恋人もできるんですよ。海坊主ファンとしては嬉しい。
 あと、わたしは槇村(香の兄)が好きだったんだなー、と。もう遠い記憶すぎて、はじめは冴子すら忘れていました。いろいろなエピソードを読んで、前作も読みたいように思います。冴子が槇村の墓に毒づく場面もいい。
 新しいキャラとして、陳チーフと玄武の皆さんも素敵です。老練な戦士たちの行動がたまらない。林忠さんの話は涙ぼろぼろでした。
 親子の愛が随所に描かれます。義理でも親子の情は深い。あれからずいぶんと時が流れたのだな、と感じました。作中で冴子が三十九になるシーンがありましたが、青年だった彼らももう親の世代なんですね。……いや、わたしもか。
 まんがの中では刻々と時が流れ、冒頭十四歳だったシャンインは、現在十九です。若者たちの成長も描かれているわけですね。わたしとしてはミキちゃんが大きくなっていくのが楽しみです。
 楊芳玉とかカメレオンとかいろいろ印象的なキャラも楽しい。
 ちなみに携帯電話の表示がカタカナなのが現実的ですよね。シャンインはまんがでは漢字なんですけど、この携帯では字が出ません。冴羽のリョウという字も同じ。
 わたしが読みはじめたら、夫も読み直していました。