朝日新聞の記事によれば、IMF(世界銀行)が22日、日本経済の年次審査を終えて声明を発表した。「アベノミクスが日本を景気低迷から浮上させた」と指摘し、輸出や個人消費も回復、雇用環境も改善して賃金も上向き始めている、との見方を示した。朝日新聞ですらそのニュースを伝えるほどに、国際的にアベノミクスへの評価は高いのである。浜田宏一も『世界が日本経済をうらやむ日』のなかで「日本経済は再び確固たる軌道にのるのは疑いない。現時点で『アベノミクスは失敗だった』と主張する論者は経済原理に無知な人か、自分の主観的観測を確信している人だけであろう」と書いている。景気回復の足を引っ張ったのは、昨年4月の消費増税の影響があったからで、アベノミクス自体は順調に推移している。第一の矢の「金融政策」と第二の矢である「財政政策」がまず先行していることについては、浜田は「〝現在〟の景気を回復させること」を主眼にしているからであり、これに対して第三の矢の「成長戦略」の目的は「日本の供給能力を増やして、〝将来の〟日本のGDP成長率の上限を引き上げる」ことにあるからだ、と説明している。潜在的な供給能力がある段階では、第一の矢や第二の矢に力が入り、それが目一杯になった段階で、第三の矢に重点を移すのである。構造改革や成長戦略を重視した小泉政治とそこが異なる。アベノミクスが成功しているのは、供給能力があるかないかの判断が正しかったからだ。それがアベノミクスの真価なのである。
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