N国党やれいわ新選組の登場によって、日本の政治も様変わりすることになるだろう。世の中に不満を持っている者たちの受け皿としては、これまでの野党では意味をなさないからである。いよいよ「大衆運動」の時代に突入したのである▼エリック・ホッファーは「人びとがある大衆運動に参加したがっているとき、彼らは、ふつう効果的な運動なら何にでも参加したがっているのであり、なにも特別な主義と計画とをもった一つの運動にたいしてだけ参加したいと思っているのではない」(『大衆運動』高根正昭訳)と書いていた▼N国党もれいわ新選組も、イデオロギーの問題ではないのである。いくら立花孝志や山本太郎が支離滅裂なことを口にしても、驚くにはあたらない。その方がより効果的なのである。ホッファーによれば「ヒトラー以前のドイツでは、不安をもっている青年が共産主義者になるか、ナチス党に参加するかは、五分五分の場合が多かった」(『同』)のである▼「大衆運動」に参加する者たちは、世の中を変革することで、自分も変わることができ、新たな出発点に立つことを望んでいるのだ。その思いが人びとを駆り立てるのである。大きな力を持てるかどうかは、不満分子がどれだけいるかなのであり、かつてはナチスや共産党が自らの組織拡大に利用したのだった。変革のエネルギーは「大衆運動」抜きには語れないのである。
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