草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

覇権国家中国の脅威を直視すべきだ

2023年01月16日 | 安全保障
 岸田首相は外国では日本の安全保障上の危機を訴えるが、日本国民に向かっては、あまりそれを口にしないのではないか。そのギャップに違和感を覚えてならない。高齢の麻生副総裁の方が正直である。「我が国を攻撃してくるのは、中国だけとは限らない。ロシアとて安心はできない」とまで語っているからだ。
 この期に及んでもまだ、特定野党やマスコミの多くは、話し合いによる平和を主張している。日本の近くに、公然と侵略を口にしている国家があるのに、無防備で本当に日本国民を守れると思っているのだろうか。
 本来であれば岸田首相は、核の共有について、米国との間で詰めの協議をすべきときであるにもかかわらず、「核なき世界の実現」を訴えているのだから、ピンボケにもほどがある。
 ドイツの地理学者フードリッヒ・ラッツェルが「国境は国家の同化力の境界線であり、成長力のある国家の国境は拡大する。その拡大を阻止する力に出会うと戦争になる」と述べた言葉を、倉前盛通が『ゲオポリティク入門』で紹介している。倉前は、中国人の国境概念を説明するのに、それがもっとも手っ取り早いと思ったからだろう。
「中国人にはヨーロッパ的な意味の国境概念はない。中国の同化力が及ぶ範囲が世界であり、それから外は世界の中に入れなかった。この発想は今日の中華人民共和国という名の新しいシナ帝国になっても、少しも変わっていない」
 もし倉前の言う通りであれば、中国の覇権主義に立ち向かうには、それなりの覚悟が求められる。その自覚が私たち日本国民にあるかどうかなのである。
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