新型コロナウイルスは恐れるに足らないのだろうか。今の日本においては、免疫が弱いとされるがん患者は約100万人、糖尿病患者は約328万人ともいわれている。その人たちの命をどう考えるのだろうか。若い健康な人であれば、風邪程度の症状で済むだろうが、持病を持っている人たちにとっては、すぐに死に直結するのである▼日本政府や医療関係者が確率論を振りかざして説明するのは、自分たちの無力さを弁護したいからなのである。入国を禁止するのは、水際で阻止することにはならず、時期を遅らせるだけだとの暴論がある。たとえそうであっても、やらないよりはやった方でいいのではないだろうか。1種間であろうと、2週間であろうとも、国家全体として準備をする期間があるからだ。手洗いなどで防げるというのであれば、なおさらそれが大事になってくるのではないか▼スペイン風邪のときは1918年から1919年にかけて世界的に猛威をふるい、日本では39万人が亡くなっている。日本でも医療関係者が次々と感染し、医療崩壊が起きたことが悲劇に結び付いたといわれている。楽観論は禁物である。パンデミックにならないように努めることは、国家としての当然の使命であり、確率論で語るべき問題ではないのである。
だから言ったではないか。大変なことになると。それに耳を傾けなかった政府の責任は重大である。横浜に停留中のクルーズ船の乗客乗員の複数人から新型コロナウイルスの陽性反応が出た。TBSが昨夜伝えたもので、このクルーズ船は先月20日に横浜を出港して、鹿児島、沖縄、台湾などを回っており、立ち寄った先での感染拡大も心配されている。乗客乗員は3500人にも上り、封じこめに失敗すれば取り返しが付かないことになる▼それ以外にも、春節で中共からはたくさんの人が来日した。水際対策を怠ったツケが、これから回ってくるのである。世界は日本のルーズさをみている。ミクロネシア連邦政府は一昨日から日本を入国制限する国家に指定した。今の時点で日本がコロナウイルスに汚染された国と認定されたのである▼危機感を煽るなという人たちもいたが、現実を直視すべきだろう。今後検査キットが出回り、都市部を中心にして感染者の数が爆発的に増えることが予想される。遅過ぎるからしれないが、政府は中共全土からの退避勧告と渡航停止をすぐに決断すべきだ。入国も禁止すべきである。我が国は未曽有の安全保障上の危機に直面している。戦争に突入したのと同じだ。政府が優柔不断であれば、国民の命が次々と失われることになるのである。