後ろめたいからこそ金子みすずの「みんなちがって、みんないい」の言葉をあえて口にしたのだろう。今日の参議院本会議で民進党代表として安倍首相への質問に立った蓮舫は、まともな論戦を挑めなかったばかりか、自分が被害者であるかのような語り口であった▼国籍をめぐる発言が嘘だったことが暴露されて、本来であれば恥ずかしくていられないのが普通だ。この場に及んで逃げ切ろうと必死なのである。誰からも信用がなくなるようなことをしておきながら、自己弁護に終始するのは、あまりにも愚かである。防衛や安全保障は国家が中心になっており、政治権力を手にする国会議員が、二重国籍であってよいわけがない▼金子みすずには「だれがほんとを」という詩がある。「だれがほんとをいうでしょう、/わたしのことを、わたしに。/ よそのおばさんはほめたけど、/ なんだかすこうしわらってた。」傷つきやすかったために、多くの人のまなざしを気にしたのである。真実を語ってくれる人を探し出そうとしたのだ。もはや蓮舫に向かって忠告をしてくれる政治家は、民進党内にはいないはずだ。蓮舫自身が判断する以外にないのである。手前勝手な解釈で金子みすずを利用すべきではない。「みんなちがって、みんないい」としても、致命的な嘘を吐いたり、法律に違反した政治家は、自ら身を引くしかないのである。
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