『定年後7年目のリアル』ーーー本のタイトルに親近感をおぼえ読んでみた。著者、勢古浩爾氏は昭和22年大分生まれ。明大政経卒業後、洋書会社に34年勤務、2006年退職。今は住んでいる埼玉の自宅付近を奥の細道ならず近所の細道を自転車で駆け巡る。
退職2年後に前作『定年のリアル』を書き『定年後7年目のリアル』はその続刊。小5で剣道部に入ったという、私も剣道を習いに道場に通い始めたのが同じ頃、おそらく人気漫画の少年剣士、赤胴鈴之助の影響だったではないかな。著者の皮膚感覚は手に取るように分かる(笑)
戦争がなかった日本で良かった
日本に生まれて良かったか、との自問には「最大の幸運はやはり戦後の日本に生まれたことだろう。端的に戦争がなかったことである。飢餓もなく国を二分するような政治的紛争もなかった」と。多くの人々が戦火で死傷し避難を余儀なくされている中東紛争地の人々を思うとまさにその通り。
どうでもいい、好きか嫌いか
勤めがなくなってからは義理の必要はない。何事も「好き嫌いだけが基準」にも同感。音楽はもっぱら60年代、70年代ばかり。クラシック音楽が好きになり囲碁ができればよかったとも思うがそれもどうでもいい。やっぱり最後に残るは読書・・
著者勢古さんの口ずさむ曲は、生きていることはじんわり心地よし、とルイアームストロングの「ウォタ・ワンダフル・ワールド(この素晴らしき世界)」
【写真】ひとりだ!でも淋しくないと木工さん (撮影:田口大輔)
文庫 定年後7年目のリアル (草思社文庫) | |
勢古浩爾 著 |
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草思社 |
Louis Armstrong: What A Wonderful World