Model 107

1985年の107
じっくり時間をかけてお気に入りの一台に仕上げます。

忠類駅 広尾線 9月8日 2014年

2015-08-05 | Weblog
忠類駅跡は交通公園として整備されています。

こちらには2012年にも訪れています。

2012年の忠類駅跡の記事はこちらから。

駅の位置も記憶に残っていて難なくスムースに到着です。

駅舎や交通公園は以前の印象とほとんど変化はありません。



駅舎入り口の庇に取り付けられたホーロー製の駅名標。

やけに大きく感じます。



駅舎は施錠されてはなく内部も自由に鑑賞することができます。

相変わらず綺麗に清掃されていて、まるで営業路線のそれと見紛うばかりです。



「カーキャッチャー」が展示されています。

石勝線の清水沢駅で見た記憶があります。

ホントにこれを持って走って車両の前方にセットすることが出来るのでしょうかね?

結構、持ち上げるだけでも大変そうですよ。

木製の長いベンチもそのままに残されています。



駅舎を通り抜けてホームへ出ます。

ホームから駅舎を眺めます。

パイプで組まれた「改札ラッチ」もそのまま展示されています。

改札ラッチの上の庇には手書き風の立派な駅名標が掲げられています。

それとは別に緑色菱形のパネルに書き込まれた駅名標。





忠類の駅名標が展示されています。

フレームのパイプの雰囲気、書体などオリジナル風にみえます。



路盤に下りてみます。

線路の中央に“転轍機”が展示されています。

ちょっと変わった場所の展示ですが、雰囲気を盛り上げるための演出でしょうか…



この“転轍機”は鉄道路盤になんとも言えない雰囲気を与えてくれます。

この構造は電気ではなく、灯火によって照明されていたのでしょうね…

頭頂部の構造はその排気熱を逃がす“エントツ”の役目をしていたものでしょう。

ブルーのガラスを通して入る光が綺麗です。



ホームの状態はあまり良好ではなくなってきています。

肉眼で見ても前方に倒れかけてきているのが分かります。

以前は「トラ・ロープ」が張られていただけでしたが、いまはこうしてパイプを組んでバリケードしています。



線路には「車掌車」「無蓋貨車」「有蓋貨車」が展示されています。



忠類村が編入合併した幕別町ではこの交通公園の維持に付いて存続するか別の使い道を模索するか検討している…というような記事を見たように記憶しています。

確かに、先のホームなど安全な状態で維持するためには公費を投入しなければなりません。
地方の町の財政には決して軽い負担ではないと思います。

しかし…“歴史”自体は永遠に残り消せるものではありませんが、それを纏った駅舎や構内施設などは、一度取り壊してしまったら二度と元には戻りません。

余談ではありますが、このところ話題沸騰だった「国立競技場」ですが…日本国で始めてオリンピック・ゲームを開催した栄光の競技場をいとも容易く解体して更地にしてしまうのが残念で仕方がありません。

この栄光の歴史を纏った「国立競技場」を現在の建築基準に照らしてリニューアルする…そして2020年のオリンピック・ゲームのメイン会場ともなればこの建築物の歴史的価値は計り知れないものがあると思います。




忠類駅跡交通公園をはじめ北海道にはまだ数多くの鉄道遺構が維持・管理されています。

それにかかる費用を負担するのは容易くないのは理解できます。

でも、北海道の歴史の証人を後世に残すのは立派な行いだと思います。

何とかこの素晴らしい広尾線の歴史的遺構を後世に伝えて欲しいものです。


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