東京の桜は満開です。
緊急事態宣言は3月21日に解除されましたが、まだまだコロナ感染症が解消された訳ではありません。
しかし…桜の花が咲き誇るこの時期 じっとしてはいられないのは日本人としては仕方のない性ではないでしょうか?
毎年恒例の「御茶ノ水 狭小地に咲く桜」を観に散歩してきました。
スタートは「湯島天神」からです。
正面は「男坂」と呼ばれる階段。
右手は「女坂」と呼ばれる傾斜の緩い階段もあります。
ほとんどの参拝客は「男坂」を上っていき迂回して「女坂」を上る方はあまり見掛けません。
今頃は入試のお礼参りで学生さんの姿が多い季節ですが…本日は参拝客は少なめです。
湯島天神から清水坂を下り蔵前通りを横断して「神田明神」の境内にやってきました。
正式名は「神田神社」といいます。
こちらの境内には美しく桜が咲いています。
以前は駐車場2階が屋上庭園になっていてとても素敵な場所でした。
桜に鮮やかに彩られた「隨神門」
どちらもそれぞれを華やかに引き立て合っているように見えます。
次にやってきたのは「湯島聖堂」です。
「神田明神」の華やかさとは打って変わってひっそりとしています。
「日本の学校教育発祥の地」というだけありピリッとした空気が流れています。
「大正殿」の扉は閉ざされています。
土曜日 日曜日 祝日 には一般に公開されています。
入場は無料です。
仰高門の桜が好きです。
低く垂れた枝が参道を覆っています。
風が吹くとひらひらと花弁が舞います。
こちらが「仰高門」の正面です。
神田明神の「隨神門」とは対照的に「地味」です。
お目当ての「狭小地に咲く御茶ノ水の桜」にやってきました。
2019年から運用の始まった「2000系」新型車両がやってきました。
昭和生まれは 赤いボディーにリボンのストライプ(ステンレスの波形模様)が「丸の内線」という刷り込みですから新型車両には違和感を覚えます。
聖橋橋上から「狭小地に咲く桜」を俯瞰します。
「丸の内線」「中央線快速」「総武線」が写っています。
「丸の内線」が ガーダー橋をあっという間に通過してしまうので、タイミングは「丸の内線」次第です。
お堀には舞い散った花弁がピンク色の渦を作っています。
緑色の橋体「松住町架道橋」が景色にアクセントを添えています。
ここから見ると「狭小地」というのがお分かりいただけると思います。
「狭小」だけでなく「傾斜地」でもあります。
ほんとうにすごい場所に咲いているのです。
なんて立派で逞しい桜なんだろうと毎年感動します。
ほんの一時であれ汚れ切った心を洗われる想いです。
今度は御茶ノ水駅のホームから観賞します。
いつもと違うことが一つありました。
「狭小地の桜」を愛でるファンの方でしょうか…
これまで私以外、狭小地の桜を熱心に観賞している人の姿を見たことはありませんでした。
ビジネスマン風の方が3人ほど熱心に桜を観賞していました。
連れでも無さそうでした。
こんなにファンの方を見たのは初めてです。
桜って何のために花を咲かせるのだろう?って思ったことありませんか?
果実を実らせる品種なら花を咲かせ香りを漂わせ昆虫を集めて花粉を受粉させるメカニズムがありますが…桜にはそれがありません。
日本人なら誰でも桜が大好きです。
これほどまで愛される桜とは何でしょう?
長く厳しい冬を過ごし、生命の息吹が感じられる春に咲く花…
南から北へ「桜前線」とも呼ばれる華やかな開花の波…
それぞれが Line で連絡を取り合っている訳でもないのに一斉に開花する華やかさ…
日本の行政システムにも関係があるかも知れません。
3月~4月 は行政年度の節目でもあります。
学校では 終業式 卒業式 入学式 と人生にとって大きな節目のシーズンです。
学生の時、学校へ続く桜並木を桜吹雪の中、歩いた経験は誰にでもあるでしょう。
そうした諸々の要素が観る人の心に刺さるのでしょう。
桜って「儚くも潔い花」とか「見返りを求めない花」という印象があります。
果実を付ける訳でもなくあっという間に散り去っていきます。
こんな潔さも日本人の心に刺さる要因なのでしょうね。
往生際悪くお金の損得ばかり気にしている自身が恥ずかしくなります。
すごく満たされた濃密な時間でした。