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 ♪ラジオ放送・文字版「世の光」

   1952年以来、キリスト教会が協力して全国民放ラジオで放送して73年、
PBA『世の光』を文字で 

■十戒 -自由への励まし 52 / 大嶋重徳

2018年04月19日 | Weblog
2018/3/15放送

世の光の時間です。いかがお過ごしでしょうか? 大嶋重徳です。聖書には十戒と呼ばれる神と人との間に結ばれた約束があります。十戒を始めとした聖書のことばは人間を縛りつけるものではなく自由へと導くためのことばなのです。

 十戒の第五戒には「あなたの父と母を敬え」とあります。この戒めは教会に来ている子どもたちに語られることが多いのですが、実際、十戒の戒めをモーセから聞いたのはイスラエルの成人した大人たちでした。十戒第五戒は年端もいかない子どもたちに、親を大事にしなさいという道徳訓のような親孝行の勧めとして語られたのでは決してありません。むしろ本当の意味で親を尊敬して生きることが難しくなるのは更に親が歳老いてからのことです。

 旧約聖書には、「父に乱暴し、母を追い出す者は、恥を見、はずかしめを受ける子である。」(箴言 19章26節 新改訳2017)と記されています。これは聖書の時代の中にも実際に親に暴力をふるい、親を家から追い出す者がいたことを表しています。暴力を振るわれても抵抗できないほど親が老い、追い出されても抵抗できないほど無力になる親が描かれています。これは超高齢化社会を迎えた私たちの社会の中でも起こってきていることでしょう。私たちが子ども時代を経て親と同じ大人同士になるときに、さらに親が老いて弱っていくときに、第五戒の抱える深刻さは増していきます。なぜならば、親の介護が必要になり、認知症をはじめとする病に親がかかってしまうとき、尊敬していた親が老いていく姿を受けとめることが子どもにとって難しくなることがあるからです。尊敬と感謝の存在であった親が老いていく姿を受けとめるのは人にとって難しいことの一つなのだと思います。あの力強く尊敬しやすい親の姿はそこにはなく、自分のことばが通じなくなり、自分のことを忘れていく親の老いを敬うようにと十戒第五戒は語ります。

 神様は、歳を重ね白くなった頭の白髪を人生の冠だと語られます。自分にとっての親は神様にとって見れば、わが子よと語られる子とされた存在です。神様の目から親を見るならば、そこには人生の先輩であり自分の兄弟姉妹として見つめる視点が生まれます。親でありながらそこにいるのは神様に愛された神の子であり、自分にとって神の家族です。神様に愛された人生がそこにあり、良くやった、良い忠実なしもべだ、と誇っておられる神様の眼差しは老いた親の人生に注がれているのです。その眼差しから親の人生を見つめるとき、十戒の「父と母を敬え」という敬う思いが神様から私たちに与えられていくこととなるのです。
 
   ( PBA制作「世の光」2018.3.15放送でのお話しより )

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さて、この番組を制作しているPBAの「世の光」の係りでは分りやすい聖書通信講座を用意していて、初めての方には無料の入門コースがお勧めとの事。詳しくはPBAに案内書を申し込みましょう。日曜日に教会を覗いてみるというのもいいんじゃないかなあ。日曜日は大抵、朝10時か、10時半頃からお昼頃まで集まっていて誰が行ってもオーケー。PBAに聞くと近くの教会を紹介してくれるので、気軽に問い合わせるといいでしょう。問い合わせ先は、mail@pba-net.comです。


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