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【転載記事】大飯原発運転差し止め判決に関する「原子力情報資料室」「たんぽぽ舎」声明

2014-05-22 23:02:36 | 原発問題/一般
21日に出された大飯原発運転差し止め判決について、長く反原発運動に関わってきた原子力情報資料室、たんぽぽ舎の声明を紹介する。

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関西電力大飯原発3,4号機運転差し止め訴訟 福井地裁の判決について

2014年5月21日
NPO法人 原子力資料情報室


 福井地裁は5月21日、大飯原発3、4号機の運転差し止めを求めた住民の訴えを全面的に認め、同機の「原子炉を運転してはならない」との判決を下した。これまでの司法の判断を根本的に変える画期的な判断と言える。

 判決は、人格権という「根源的な権利が極めて広汎に奪われるという事態を招く可能性」を指摘し、「かような危険を抽象的にでもはらむ経済活動は、その存在自体が憲法上容認できないというのが極論にすぎるとしても、少なくともかような事態を招く具体的危険性が万が一でもあれば、その差止めが認められるのは当然である」とした。

 その上で「本件原発には地震の際の冷やすという機能と閉じ込めるという構造において次のような欠陥がある」と具体的危険性をていねいに述べている。

 判決は、原子力規制委員会で行なわれている、いわゆる新基準適合性審査で新たな基準地震動が定められ、それに耐えられると結論づけられたとしても信用できないことを明らかにした。電力各社が策定している基準地震動の不十分さを指摘したことを意味する。この意味から、それらは単に大飯原発3、4号機の抱える危険性にとどまらず、すべての原発に当てはまるものである。この判例は、各地で提起されている運転差し止め裁判に続く可能性が高い。また、判決を契機として新たな裁判が提起される可能性も高い。

 関西電力が大飯原発3、4号機の再稼働を断念して廃炉とすることはもとより、電力会社はこの判決を真摯に受けて、すべての原発から撤退するべきである。
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大飯原発再稼働認めずの歴史的勝訴判決-たんぽぽ舎・声明
判決無視は許されない、原発再稼働阻止に全力を!

○安全性の欠如-「大飯原発には冷却機能と閉じ込める構造に欠陥がある」

 2014年5月21日、福井地裁の樋口英明裁判長は、関西電力大飯原発3,4号機の運転差し止めを認める判決を下した。

 商業用原子力発電所の差止としては、2006年3月の北陸電力志賀原発2号機(金沢地裁 井戸謙一裁判長)に続く画期的なものであるが、東日本大震災による福島第一原発震災後の初めての司法判断となった。

 (なお高速増殖炉「もんじゅ」については2003年1月に名古屋高裁金沢支部が、設置許可を無効とする判決を出している。)

 判決では、基準地震動を856ガルに引き上げた大飯原発について、その想定が楽観的に過ぎると指摘、東日本大震災時の福島原発も含めて、過去10年間に5度も基準地震動を超える揺れを観測したことを重視し「地震大国の日本において、大飯原発に基準地震動を超える揺れの地震が来ないというのは、根拠のない楽観的な見通しに過ぎない」と関電の姿勢を強く批判した。

 福島原発の惨状を見てすら、この程度の対策では「大飯原発には冷却機能と閉じ込める構造に欠陥がある。」と判示したのは当然である。

○人格権-人格権が極めて広範に奪われる危険 危険性が万一でもあれば、その差し止めが認められるのは当然だ

 大飯原発訴訟は、訴えの基礎に人格権を置いた。これは志賀原発訴訟でも提起されたもので、「ひとたび深刻な事故が起これば多くの人の生命、身体や生活基盤に重大な被害を及ぼす事業に関わる組織は、被害の大きさ、程度に応じた安全性と高度の信頼性が求められる。これは当然の社会的要請で、人格権がすべての法分野で最高の価値を持つとされている以上、本件でもよって立つべき解釈上の指針だ。」と指摘し、福島第一原発に被災し、故郷から切り離された15万人の人々に寄り添った。

 近藤駿介前原子力委員長による「不測事態シナリオの素描」(2011年3月25日付)にも描かれた250キロ圏強制移住を根拠とし、250キロ圏内の原告を的確と判断した。

 判決は原発についてこう述べる。

 「法的には電気を生み出すための一手段たる経済活動の自由に属し、憲法上、人格権の中核部分よりも劣る。人格権が極めて広範に奪われる危険を抽象的にでもはらむ経済活動は、少なくとも、具体的危険性が万一でもあれば、その差し止めが認められるのは当然だ。」

 そう。原発とは電気を作る道具に過ぎない。その道具に命を奪われ、故郷を追われ、仕事を奪われ、自然を汚され、日々放射能の脅威でPTSD(心的外傷後ストレス障害)になることに、いかなる合理性があるのかも問われた。

○地震活発期の日本で、全原発の耐震性が根本から問われた

 大飯だけではない。いまやほとんどの原発や核燃料施設で差し止め訴訟が闘われている。その最初の判決は、大きな勝利をもたらした。地震対策の不備が認定された。これは地震活発期の日本で、全原発の耐震性が根本から問われた-再稼働してはいけないことを意味する。

 もちろん関西電力は控訴するだろう。しかし差止を命じられた後の控訴審は電力側に厳しい立証責任が課せられる(はずである)。

 最優先で取り組むべき課題は、福島第一原発の安全確保だ。

 他の原発を再稼働するような資金や人員があるのだったら、福島第一原発に送るべきだ。

 たんぽぽ舎は、今後、「判決無視は許されない」「原発再稼働をなんとしてでも阻止する」運動に全力をあげるものです。以上、声明します。

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