人生チャレンジ20000km~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

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【連休前半】野生トキの生まれた佐渡を巡る(1日目)

2012-04-28 20:49:19 | 鉄道・公共交通/趣味の話題
連休前半、予報は好天とのことだったので、野生トキが生まれた佐渡に1泊2日で出かけることにした。東日本大震災以降、全く心の安まる日はなかったし、妻はこの間、座り込みや地元での集会・イベントの準備等に奔走してきた。今回の旅行は、そうした妻への慰労の目的もある。こうして2人で旅行するなんて本当に久しぶりだ。

佐渡島内は鉄道はない。バスはある程度の便数が確保されているが、車がなければ不便であることに変わりなく、今回は車を使う。本当は朝7時に出る予定だったが、いろいろ所用が立て込み、出発は9時になった。国道289号で甲子峠を越え、会津若松市内へ。会津若松ICから磐越道に乗り、新潟中央で降りる。

新潟市内を走り、正午前、新潟港の佐渡汽船ターミナルへ。ここからカーフェリーに乗る。時刻表にあるように、カーフェリーの便数は1日5便のみ。私たちが乗るのは12時35分発だ。事前予約はしておらず、大丈夫かと思ったが、直前でも確保できた。事前に聞いていた「海外好調、国内不振」は事実かもしれない。JR・航空国内線の対前年比大幅アップのニュースもあったが、昨年が震災で特別だったから単純比較はできない。

カーフェリーの車両運賃は往復で20,330円(プラス2人分の運賃がかかる)。乗船手続きを終えて戻ってきた妻から運賃を聞いて、カーフェリーがこんなに高いとは思わなかった。思えばカーフェリーなんて、子どもの頃の家族旅行以来もう何十年も乗っていない。自分で運賃を払って乗るなんて人生でこれが初めてだから、事前に調べておくべきだった。佐渡に故郷があり里帰りする人や、出張で長期滞在するような人には現地でレンタカーを手配するよりずっと安いと思うが、私たちのように1泊2日で来る人にとっては、場合によっては現地でレンタカーを借りた方がいい。極論を言えば、新潟港にマイカーを置いておき、運賃の安いジェットフォイルで佐渡に渡る。島内では別にレンタカーを借りる。新潟港の駐車料金とレンタカー代を加味してもその方が安かった可能性もある(とはいえ、旅を終えてから計算し直してみると、結局ほとんど変わらなかったが)。

12時20分頃、乗船開始。12時40分頃、やや遅れて新潟港を出港。カーフェリーというのは長距離航路だから、船内に売店あり、食堂あり、ロビーありで旅の雰囲気を高めてくれる。昔の青函連絡船、宇高連絡船もきっとこういう雰囲気だったんだろうな、と思う。

レストランで軽い昼食を摂った後、甲板に出る。フェリーの後を追うようにしてカモメが飛んでいる。子どもたちが「かっぱえびせん」をカモメに餌として与えている。空に向かって「かっぱえびせん」を投げると、カモメがくちばしでキャッチするのはなかなか面白い。船内の売店には「かっぱえびせん」が大量に売られており、こんなに売ってどうするんだろうと思っていたが、謎が解けた。私も子どもたちのまねをして、かっぱえびせんを投げてみる。

売店には地元紙、新潟日報がおいてあるので購入。1面トップ記事は野生トキの孵化のニュースで、地元の喜びが伝わってくるようだ。柏崎刈羽原発の問題も紙面の多くを占めている。天気予報欄に国内各地の他、ウラジオストク、ハバロフスクの天気が載っているのが新潟らしいと思う。ロシア沿海州にあるウラジオストク、極東最大の都市ハバロフスクには新潟空港から直行便が出ており、新潟とは交流が深い。

5月とはいえ、フェリーの甲板は寒く、客室に戻る。2等船室では長旅に疲れた乗客が三々五々、思い思いの格好でくつろぐ。今は昔に比べ人間関係が希薄になってしまったが、昔ならこの船室で知らない人同士が互いに交流をしていたに違いない。

ジェットフォイルなら65分で渡る新潟~佐渡間を、カーフェリーは2時間半かけゆっくりと進んでいく。14時半を過ぎる頃、まもなく到着の放送があった。14時45分頃、マイカーへと急ぐ。15時過ぎ、両津港に降りる。

佐渡に来るのは独身時代の2004年8月以来、8年ぶりだ(妻は佐渡へは初めて)。当時は佐渡島内に勤務する友人がおり、車を出してくれるというので私はジェットフォイルで佐渡に渡った。その友人は今は「本土帰還」を果たし、金沢に勤務する。島内につてはないので、どうしても車は必要だ。

着いてはみたものの、もう15時を過ぎている。佐渡トキ保護センターは16時までだし、観光施設にこの時間から行くのは無理そうだと思い、白雲台に行くことにする。ここは友人の案内で8年前にも行っており、ルートもわかっている。ようやく雪が解け、数日前に通行可能になったばかりの大佐渡スカイラインを上り、白雲台に着く。登山客中心の施設だが軽食スタンドなどがあり、土産品も売っている。ここから一望する佐渡の眺めは絶景だ。眼下にはついさっき渡ってきた両津港の他、一面の水田が見下ろせる。通常、離島では灌漑用水路を造ろうとしても、水が塩分を多く含んでいて稲作に適さないことも多い。しかし佐渡は一定の面積を持っている上、雪解け水も豊富で稲作ができる。江戸時代には、江戸で罪を犯して佐渡へ流刑となった人が多かったそうだが、明日行く予定の金山からは金が豊富に採れたし、当時から稲作もできた。流刑者にとって、変なプライドにさえこだわらなければ生活に困ることもなく、住みよい島だったと思われる。

白雲台の売店に地元の銘酒「拓」(加藤酒造)があったので購入。あまり詳しく書けないが、この酒は妻の学生時代の友人で、佐渡で農業をしている人が作り上げた銘酒であり、BS朝日「エコの作法」でも取り上げられている。お酒が苦手でない人にはぜひお勧めしたい。

夕方になり、陽も落ちてきた。今日の宿泊先、ペンション長倉に向かう。こじんまりとしているが、静かでいいと思う(目の前が道路だが、交通量は少なく、車の音はほとんど気にならない)。チェックイン後、日帰り温泉で入浴。ペンションに戻った後は徒歩数分の至近距離にある「蛇の目寿司」で小宴会。

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