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6月18日22時22分頃の山形県沖の地震について

2019-06-20 22:07:15 | 気象・地震
6月18日22時22分頃の山形県沖の地震について(気象庁報道発表)

18日に新潟・山形県境付近で起きた地震について、遅くなったが若干、解説しておきたい。

北米プレートとユーラシアプレートの境界に近いが、今回の地震自体は北米プレート内部で起きている。この付近ではたびたび大地震が起きており驚きはない。大きな被害を出したものとしては2007年の新潟県中越地震が記憶に新しく、この地震からまだ12年しか経っていない中で再び地震が起きたことは意外だと思ったが、今回の地震を起こした断層は2007年とは別だから、プレート境界型地震のように周期で見るのは妥当ではない。その意味では当ブログの認識も甘かったことは事実であり不明を恥じねばならないと思う。

発震機構(地震のメカニズム)は西北西ー東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型。北米プレートは太平洋プレート、ユーラシアプレートに東西から挟まれ押されており、東日本を乗せたプレートの境界付近ではこれまでもしばしば大地震が引き起こされた。ここ数日、地震学者がメディアで解説している日本海東縁部の「ひずみ集中帯」という用語に戸惑う人も多いと思うが、大きな地震が起きるとすぐに一般人の聞き慣れない新語を持ち出し、専門家ぶるのは地震学者の悪い癖だ。このような新しい、聞き慣れない用語を持ち出さなくても、従来の北米プレートとユーラシアプレートの境界で説明できる。



解せないのは気象庁報道発表の全16ページ中7ページ目「令和元年6月18日山形県沖の地震(周辺の過去の地震活動)」に2007年の中越地震が記載されていないことだ。あれだけの被害を出し、無名の存在だった旧山古志村(地震直前の2005年に長岡市に編入)の名前を一躍全国区にした地震だったにもかかわらずである。M7.0以上の地震だけを対象にしているのかと思ったら、資料上部にはM6.0以上、深さ60km以内と書いてある。この地震はM6.8で今回の地震より大きく、深さも60km。震央もこの地図内にぎりぎり入る場所だけに、当然対象になるはずだが、あえて入れなかったのには理由があるのか。福島第2原発の再稼働が絶望的で、唯一、再稼働の可能性が残る柏崎刈羽原発を抱える東京電力へ「忖度」しているのだとしたら、そのような忖度は百害あって一利なしだ。リンクを張った河北新報の記事中にある地図にはきちんと中越(沖)地震も掲載されており、気象庁の姿勢には疑問を呈したいと思う。

ユーラシアプレートは近年、活動が活発化しており、他のプレートとの境界周辺でこのところ地震が続いている。今回は北米プレートとの境界付近で起きたが、ユーラシアプレートがフィリピン海プレートとぶつかっている場所が南海トラフだ。今回、山形で起きたことは当然、同じプレートが原因だけに南海トラフ周辺でももちろん起きうる。南海トラフ地震の被害が想定される地域にとっては、被害を最小限に食い止めるための先行例になり得ると思う。同じことが起きると考え、沿岸地域を中心に備えをしてほしい。

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5/10の日向灘を震源とする地震について

2019-05-11 13:16:18 | 気象・地震
令和元年5月10日08時48分頃の日向灘の地震について(気象庁報道発表)

5月10日午前、日向灘を震源とする地震があった。実は、当ブログはこの海域での地震が近々、あるのではないかと3月頃から注目していた。過去の地震履歴を見ていただくと分かるが、2018年に17回、2017年に21回しか発生しなかった日向灘を震源とする地震が今年に入り急増。2019年3月だけで9回も起きていたからだ。

気象庁は南海トラフ地震との関連はないと言い、M6.8以上になると開催される「南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会」も今回の地震がM6.3だったことから開かないとするが、あまりに甘いという気がする。遠くない将来に南海トラフ巨大地震が発生した後になって「今から思えば、これも中長期的前兆現象のひとつだった」と言われる地震にこの地震がなることは確実だ。その意味で、「あわや初の南海トラフ臨時情報 「気持ちの悪い」日向灘の地震」(5/10THE PAGE記事)の中で気象庁職員が漏らした「もしかしたら…と考えさせられるケースで、その意味では少し気持ち悪い地震。改めて臨時情報が発表された時にあわてないようにしておく必要性を感じた」という言葉は偽らざる心境だろう。

もともと、フィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に潜り込んでいる日向灘は地震の巣といわれており、私が子どもの頃はもっと地震が多かった印象がある。それを裏付けるように、冒頭の気象庁の報道発表(5ページ目左下の図)では、この海域でのM7以上の地震は1941年、1968年、1984年とほぼ20年周期で起きているのに、これを最後に35年間1度も起きていない。今までがそもそも静かすぎたと考えるべきであり、そろそろ「次」を想定しておかなければならない時期に来ている。

この地震の後も余震と見られる地震が続いている。そのすべてがM4を超えており、地震のエネルギーに衰えが見られないのも気がかりだ。今朝もM4.9の地震があったが、震源の深さが40kmと若干、深い場所に移動する兆しが見られるのも気になるところだ。

南海トラフ地震の震源域に当たる場所で、このところM5~6程度の地震の起きるペースが速まっている。南海トラフ地震の発生は「かなり差し迫っている」と判断せざるを得ない状況になってきた。これから地震発生までにどのような準備ができるかが、発生後の生死や困難度を分けると思う。太平洋沿岸地域の人は真剣に準備をしてほしい。

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日本海側で深海魚「リュウグウノツカイ」の捕獲相次ぐ

2019-02-09 22:02:30 | 気象・地震
深海魚リュウグウノツカイ なぜ 捕獲相次ぐ?/富山(富山チューリップテレビ)

「幻の魚」日本海で次々=リュウグウノツカイ-専門家「地震とは無関係」(時事)

このところ、日本海各地で深海魚「リュウグウノツカイ」の捕獲例が相次いでいる。特に多いのは富山湾で、年明け以降すでに6匹が見つかった。この他、沖縄・読谷村沖で2匹、京都・舞鶴市沖、兵庫・豊岡市沖、石川・七尾市沖で各1匹が網に掛かり、2月以降も、新潟県の佐渡島沖と上越市で各1匹が漂着するなどした。合計すると13匹。こんなに多かったのは、2009~2010年度の冬に日本海側で32匹が見つかって以来だ。このときは、最も捕獲例の多かった富山湾に近い魚津市の魚津水族館によって「富山湾で確認されたリュウグウノツカイの記録」がまとめられている。

深海魚の多くは海面近くの浅い場所に上がってくると生きのびられることはほぼなく、リュウグウノツカイもほぼすべて死んでしまう。理由は簡単で、深海魚は強い水圧を受ける深海(水深200~1000m程度)での生活に最適化された平べったい体型をしているため、水圧の小さい浅い場所に上がってくると、身体が膨張し、破裂してしまうのである。

リュウグウノツカイは、その異様な姿ともあいまって、古くから「地震を呼ぶ魚」として沿岸では恐れられてきた。現在でもこの魚が揚がると地震の前兆として恐れる人も多い。とはいえ、例年、日本海では冬になると捕獲されており、ひと冬に1~2匹程度であれば通常の捕獲数の範囲として特段恐れるほどではない。

しかし、ひと冬に10匹を超える、あるいは数十匹単位で捕獲されるとなると話はまったく別である。2017年、東海大・織原義明氏らの研究グループが公表した「1928~2011年に日本で確認された深海魚出現報告」では、深海魚の出現と地震との間に関係はないと結論づけているが、2009~2010年度の冬に32匹ものリュウグウノツカイが揚がった後、2011年に東日本大震災が起きている。

「リュウグウノツカイが大量に揚がったのは日本海、東日本大震災は太平洋側。これじゃあ予知になんてならないよ」と大半の方は思われるだろう。実際、織原氏もリュウグウノツカイ捕獲地と大地震の震源地が一致しなかったことを「無関係」の根拠にしている。しかし、東日本大震災以前から動物の異常行動などいわゆる「宏観(こうかん)異常現象」に着目してきた当ブログの目で見れば、むしろリュウグウノツカイはその場所での地震ではなく、他の場所での地震を告げる深海魚と考えるべきだろう。つまりリュウグウノツカイが大量に揚がった場所では大地震は起きず、揚がっていない地域こそが要注意なのだ。

また、上記の織原氏らの報告をよく見ると、2009~2010年冬に揚がったリュウグウノツカイは32匹。この冬はまだたったの13匹と思われるかもしれないが、2009~2010年冬は3ヶ月間(2009年12~2010年2月)で32匹。今年は1月だけで11匹だから、2~3月もこのままのペースで推移した場合、2009~2010年冬に匹敵する数になる。東日本大震災直前に勝るとも劣らないほどの異常事態といえよう。

リュウグウノツカイの揚がった場所をもう一度、確認しておくと、日本海側の他、沖縄県読谷村沖。逆に揚がっていないのは太平洋側である。リュウグウノツカイは、揚がっている地域ではなく揚がっていない地域の地震を予言する魚だとすれば……??

どの地域が危険かはいうまでもないであろう。太平洋側各地では、南海トラフ地震の発生に備え、そろそろ非常持ち出し品や避難所、避難経路などについて確認しておいたほうがいいと思う。今のところ、2020年の東京五輪が開催できる可能性は、ほぼ五分五分と当ブログは考えている。

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1月26日14時16分頃の熊本県熊本地方の地震について

2019-01-27 10:06:59 | 気象・地震
平成31年1月26日14時16分頃の熊本県熊本地方の地震について(気象庁報道発表)

26日午後、熊本県和水町で震度5弱を記録した地震について、気象庁報道発表を見ると、発震機構(地震のメカニズム)は1月3日の地震(報道発表)と同じ南北方向に張力軸を持つ型。震源の位置、震源の深さ、すべて1月3日と同じである。地震の規模だけが1月3日のM5.1に対し、今回はM4.3。エネルギーはほぼ30分の1だったために被害は大きくなかった。1月3日の地震の余震と見て間違いないと思う。

M4.5未満の地震は毎日のように起きており、いちいち分析していてはいくら時間があっても足りないので、当ブログはM4.5以上の地震のみを分析対象としている。その意味で今回の地震は「分析対象外」といえるが、南海トラフ地震発生後、「今思えば前兆活動のひとつだった」と振り返られる地震の1つには確実になるだろう。

今回の地震と直接関係はないが、1月17日には鹿児島県・口永良部島の新岳で爆発的噴火も起きている。気がかりなのは、新岳も南海トラフ地震が想定されるユーラシア、フィリピン海の両プレート境界より少し内側のユーラシアプレート内に位置していることだ。これが地震なら間違いなく南海トラフ地震の前兆とされるような場所で発生した噴火である。今のところ、地震と火山の活動は別だというのが学会内多数派の意見だが、一部、地震と火山活動はどちらもプレートや地殻の動きと関係しているから一体のものとして見なければならないと主張する学者もいる。

当ブログは少数派の「一体説」に近い立場を従来から取っている。世界中の主要な地震帯と火山帯のほとんどが事実上重なっている状況で、両者が別物とする見解を取ることにそもそも無理がある。地震学会と火山学会が「縦割り」的に分かれている日本の組織にありがちなセクショナリズムの弊害もあるのだろう。だが、そうしたセクショナリズムは国民のためにならない。地震・火山はやはり一体として考える必要があると思う。

そのように考えると、最近のユーラシアプレート内部における地震活動・火山活動はもはや異常の極致といえる。南海トラフ地震の想定震源域にきわめて近い場所で、年明け以降のわずか26日間に震度6弱が1回、震度5弱が1回、火山噴火が1回――これでもまだ日常の地震火山活動の範囲内であり、異常ではないと主張する学者は、寝ぼけているなら顔を洗うべきだし、寝ぼけていないなら辞表を書くべきである。東日本大震災の数年前から何度も繰り返し三陸沖での地震を警告してきた当ブログとしては、同じように警告せざるを得ない。1月3日の地震の段階では今年か来年当たりとしていた南海トラフ地震は、もしかすると今年中にあるかもしれない。

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2019.1.3 18:10頃の熊本県の地震分析と南海トラフ大地震に関する警告

2019-01-03 23:14:31 | 気象・地震
平成31年1月3日18時10分頃の熊本県熊本地方の地震について(気象庁報道発表)

気象庁が記者会見を行うような大規模地震は昨年9月の北海道胆振東部地震以来、また西日本では昨年6月の大阪府北部地震以来、しばらく発生していなかった。元日の夕方、穏やかな年越しになったと新年挨拶に書いたばかりだったのに、裏をかくような新年早々の大地震だ。

気象庁の報道発表を見ると、発震機構(地震のメカニズム)は南北方向に張力軸を持つ横ずれ断層型で、これは2016年4月14日に発生した熊本地震の前震とまったく同じである。ただしこのときの地震の規模はM6.5だったのに対し、今回の地震はM5.1。地震のエネルギーはMが1下がると32分の1になるので、今回はかなり小さかったことになる。

熊本県和水(なごみ)町で震度6弱の揺れを記録。地震の規模に比べて地表の震度が大きく感じられるが、これは例によって震源が浅かった(約10km)ことによるもので、このおかげで被害は局地的なものにとどまると見込まれる。

それより、当ブログが新年早々心配になったのが、将来発生が予想されている南海トラフ地震との関連だ。もちろん気象庁や著名な地震学者の多くは関連を認めないであろうし、気象庁に至っては、昨年12月7日に行われた定例発表「南海トラフ地震に関連する情報(定例)について-最近の南海トラフ周辺の地殻活動-」でも「現在のところ、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていません」として前兆活動も見られない、としている。しかし、気象庁は2011年の東日本大震災でも前兆現象を捉えられなかったから、こうした気休め的な定例発表を信じていては本質を見失うことになる。

結論から言うと、南海トラフを震源とする大地震が近いといわれながら、東日本大震災以降も静穏状態が続いていた西日本は、2016年の熊本地震発生以後大きく状況を変えた。今回、当ブログは、気象庁の行った報道発表の内容をすべて保存することとした2007年の新潟県中越沖地震以降の日本周辺での地震について分析したところ、驚くべき事実が浮かび上がった。そしてその分析結果は、南海トラフ地震の発生が思われていた以上に切迫しているかもしれないことを示す深刻なものであった。

新潟県中越地震以降、東日本大震災が起きるまでの4年弱(2007~2011)の間、M6.0を超える大地震はほとんどが東日本の北米プレート内部で発生していた。地図上にプロットしたその発生状況は以下の通りだ。



この4年弱の間に、東日本大震災の震源域及びその周辺で発生したM6.0以上の地震は計6回ある。初めは東日本大震災の震源より少し離れたところから徐々に地震活動が始まり、それが次第に活発化、震源域に近づいていき、最後にプレート境界の上でアスペリティ(固着域)が剥がれ、太平洋プレートに押し下げられていた北米プレートが一気に反転して跳ね上がり、東日本大震災となったのである。

東日本大震災後、それまでの活発な活動がウソのように東日本ではM6.0を超える地震は沈静化してきている。これに比べ、2016年の熊本地震以降、明らかに活動が活発化してきたのが西日本だ。同じように地図上にプロットしてみると以下のようになる(今日の地震はM5.1なのでプロットしていない)。



熊本地震を南海トラフ地震の中長期的前兆活動に含めて考えると、M6.0以上の地震だけですでに6回も発生している。熊本地震からまだ3年経っていないにもかかわらずだ。M6.0以上の地震の発生回数だけで見ると、大震災直前の東日本(4年弱の期間で6回)さえ上回るほどのハイペース。熊本地震以前はM6.0を超える地震がほとんど発生していなかった地域だけに、熊本地震後の異常な状況が一層浮き彫りになるのである。

新年早々、不穏当とのそしりを受けるかもしれないが、当ブログとして後悔はしたくないので言うべきことは言わねばならない。東日本大震災の際の経験がもし今回も当てはまるとするなら、多くの地震専門家がもう少し先のことと考えていた南海トラフ地震の発生時期は目前に迫っているかもしれない。極論を言えば今日、明日に発生してもまったくおかしくない状況に入ったと言える。来年発生するかもしれないし今年の可能性もある。西日本の太平洋沿岸に住んでいる人たちにとって、覚悟を決めるべき時が来たと当ブログは考える。避難場所や経路、非常持ち出し品の確認などは今すぐにでも取り組んでおく方がいい。時間はあまりないものと思ってほしい。

そして、異なる意見に聞く耳を持たない安倍政権と経産省、原子力ムラにはもはや何を言っても無駄かもしれないが、当ブログとして、最後にもう一度だけ警告しておく。伊方、川内の両原発は今すぐ停止させるべきである。もし停止させなければ2回目の原発事故となり、日本国民の大半が住んでいる太平洋ベルト地帯を捨てなければならない事態になるかもしれないからだ。安倍首相が「日本最後の首相」になってもよいなら勝手にすればいいが、当ブログとしては国家トップのそうした身勝手に付き合うつもりはない。

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北海道胆振東部地震について

2018-09-09 13:24:44 | 気象・地震
平成30年9月6日03時08分頃の胆振地方中東部の地震について(気象庁報道発表)

平成30年北海道胆振東部地震の評価(地震調査研究推進本部)

停電と、その後の友人、知人の安否確認などで遅くなってしまったが、気象庁のプレス及び今回の地震に関しては地震調査研究推進本部(地震本部)の評価も併せて見てみる。

地震規模M6.7、震源は胆振(いぶり)地方中東部、震源深さ37km(暫定値)、発震機構(地震のメカニズム)は東北東-西南西方向に圧力軸を持つ逆断層型。最大震度はこの発表の時点では震度6強(安平町)とされたが、その後の第3報では震度7(厚真町)に修正されている。

当初は、M6.7の規模と比べ、最大震度7というのはあまりに大きすぎるような気がした。だが2016年4月の熊本地震(報道発表)でもM6.5で最大震度7(益城町)を記録しており、直下型地震であればこの程度の激しい揺れはありうるということだろう。

逆断層型であることから、日本列島の乗っている北米プレート内部の地震で、プレート境界よりは内側(日本列島寄り)が震源であることはいうまでもない。北海道沖のプレート境界型地震としては2004年の十勝沖地震があるが、これ以降まだ14年しか経っていない。そろそろ浦河沖のプレート境界を震源とする「次」の海溝型大地震が発生してもおかしくないとの声も聞くが、それには少し早すぎるというのが当ブログの見解だ。ただ、将来、浦河沖のプレート境界型大地震が起きたとき、「今思えばあれも余震活動のひとつだった」と振り返られる地震のひとつに今回の地震がなることは確実だ。5~10年後に向け、「次」に備えるにはちょうどいいスタートラインに立てると思う。

気象庁報道発表と地震本部の「評価」を見て気になるのは、石狩低地東縁断層帯との関連だ。特に地震本部は今回の地震はこの断層帯によるものではないとしており、この大きな断層帯が今回の地震によって「目覚める」可能性を暗に示唆するものとなっている。その場合、今回の地震で終わりにならない可能性があるばかりか、さらに大きな地震がこの断層帯によって引き起こされる可能性もある。北海道の胆振・日高地域は今後も大地震の可能性がある地域として要注意だと思う。当ブログとしても今後の推移を注意深く見守りたい。

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とっさに線量計のスイッチ入れる/巨大地震に襲われた北海道レポート

2018-09-08 13:20:40 | 気象・地震
管理人よりお知らせです。

北海道胆振東部地震について、レイバーネット日本にレポートを書きました。こちらから読むことができます。

結局、管理人の自宅で電力が復旧したのは7日(金)の午後6時50分ごろでした。地震発生から40時間以上かかったことになります。

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大阪府北部で震度6弱の地震、大都市直撃で京阪神混乱続く

2018-06-19 21:56:15 | 気象・地震
平成30年6月18日07時58分頃の大阪府北部の地震について(気象庁報道発表)

すでに報道されているとおり、6月18日朝、大阪府北部を震源とする地震があり、高槻市など大阪府北部で震度6弱を記録した。

当ブログ管理人は、ちょうど、出勤のため札幌市営地下鉄に乗っていたところだった。さすがにここ北海道では揺れをまったく感じなかったものの、スマホにインストールしている「Yahoo!防災情報」の警報音がけたたましく鳴り響いた。このアプリは、自分のいる場所以外に警報対象地点を3か所まで登録できる。かつて住んでいた福島県西郷村の他、出かけることの多い東京、大阪を登録している。西郷村を登録解除しないのは、東日本大震災の影響を継続的に見ているためである。

「Yahoo!防災情報」は、バージョンアップによって地震の際の警報音として「NHKの緊急地震速報チャイム」を選択できるようになった。札幌転勤を機に機種変した際、面白半分でこれに設定しておいたら、地下鉄車内で鳴り出し、それを聞いた周りの人がいっせいにスマホを取り出した。さすがにこの警報音は利きすぎのような気がする。

さて、リンク先の報道発表を見ると、地震の規模はM6.1。当初発表の5.9から上方修正されたが、1995年の阪神・淡路大震災は7.3だ。当ブログでは毎度書いているが、マグニチュードで1の差は地震のエネルギーにして32倍に相当する。この記事を書いている時点で5名の方が亡くなっているが、(表現としていささか適切ではないが)これくらいの被害で済んでいるのは、地震のエネルギーが阪神・淡路の32分の1だからと考えていい。

一方で、マグニチュードの割には地表の揺れは6弱と大きかった印象があるが、これは震源深さが13kmときわめて浅かったためである。このため大きな被害を出してしまった。

発震機構(地震のメカニズム)について、報道発表は「東西方向に圧力軸を持つ型(速報)」とだけ述べている。圧力軸という表現になっているので、断層同士が内側に押し合うことで起きる逆断層型、横ずれ断層型のどちらも考えられるが、少なくとも正断層型の可能性はない。断層同士が外側に引っ張り合う正断層型の場合は「張力軸」という表現が使われるからだ。

気になる阪神・淡路大震災との関係だが、気象庁は現時点では否定的見解のようだ。確かにもう23年も前の震災であり、否定したい気持ちはわかる。ただ70億年といわれる地球の生命からすると23年は一瞬に過ぎない。今回地震を起こした「有馬―高槻断層帯」と阪神・淡路大震災を引き起こした「六甲・淡路島断層帯」は隣接しており、重なっている部分もある。完全に否定することは、当ブログとしてはできないように思われる。

また、遠くない将来発生が見込まれる「南海トラフ」地震との関係も気になる。慎重を期さなければならないものの、南海トラフ地震が起きた後「今思えば、あの地震も短中期的余震活動だった」と振り返られる地震のひとつには確実になるだろう。

気象庁は、震度6弱程度の余震に、今後1週間程度注意するよう呼びかけている。実際、余震活動は依然として活発だし、気になるのは1日半経った今も余震の規模がそれほど小さくなっていないように見られることだ(参考)。当ブログからも余震への警戒は引き続き呼びかけたい。特に、震度6弱を受けても倒壊しなかった建物や構造物の中に大きく傷ついているものがあり、そうしたものが強い余震があった場合、倒壊する可能性があることだ。

ところで、緊急地震速報は今回も間に合わなかったようだ。緊急地震速報の「打ち遅れ」がここ数年、続いてきたことで、「役立たず」などの批判の声が大きくなってきている(参考記事)。だが、この記事自身が明らかにしているように、緊急地震速報は伝播速度の速い縦揺れ(P波)と遅い横揺れ(S波)との差を利用して、P波観測段階で地震を予測するシステムである。震源から近ければ近いほど、また震源が浅ければ浅いほど、P波とS波の伝播速度の差は小さくなり、「打ち遅れ」が発生するのである。これはシステムの特性上やむを得ないものだ。

気象庁がこの緊急地震速報のシステムの開発に取り組んでいた10~15年くらい前までは、比較的深い場所で発生する地震が多く、このようなシステムも有効に機能すると考えられた結果、導入が決まった。だが東日本大震災を境として、日本付近ではほとんどの地震が20km未満の浅い場所で発生するようになった。これは気象庁にとって「想定外」だったのではないか。その意味では気の毒といえるが、地震の発生の仕方がシステム開発当時と大きく変わり、緊急地震速報が「打ち遅れ」ばかりになっている現状を見ると、そろそろ「次のシステム」の開発を検討すべき時期に来ていると当ブログは考えている。

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北陸中心に記録的豪雪 福井で130cm超え市民生活に影響

2018-02-06 18:24:48 | 気象・地震
車列立ち往生、半日経ったが…時折雪かき「いつ動く」(朝日)

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 大雪に見舞われた福井県では6日、雪に埋もれた車の中で一酸化炭素中毒になったとみられる男性が死亡するなど被害が相次いだ。県内ではさらに車両約1500台が一時立ち往生したり、北陸でも物流がストップしたりし、市民生活にも大きな影響が生じた。

 新潟市を5日夕に出発し、福井県坂井市へ荷物を運んでいたトラック運転手小泉雅人さん(51)=新潟市=は6日未明、通行止めになった北陸自動車道を降り、国道8号を南下して渋滞に巻き込まれた。その後は徐行が続いたが、午前8時過ぎ、福井県あわら市に入ると車列が完全に動かなくなった。

 それから約14時間が経った午後10時ごろ。前後の車の間には新雪が積もり、時折雪かきをして車列が動くのを待った。「食料と燃料は十分用意してきたので何とかしのいでいるが、いつ動くのかと心配です」と途方に暮れていた。

 「積雪は大人の腰くらいまで。雪が降りやまず、50メートル先も見えない」。国道8号沿いに住む70代男性は驚く。福井市方面への車線は6日午前11時ごろから止まったままだ。足止めされた車の運転手たちは、近くのコンビニに食べ物を買いに行ったり、車のダッシュボードに足を上げて休んだりしている。「長く住んでいるが、こんなに一気に降ったのは記憶にない」

 国道8号沿いで食堂を営む40代女性によると、6日午後には店の駐車場の積雪が1メートルを超えた。雪かきをしても追いつかず、店は臨時休業に。女性は「5日に食料を買い込んだので生活の心配はないが、営業再開は来週以降になりそうだ」と話した。

 坂井市は400人分の飲み物とパンを用意し、立ち往生した車の運転手に配った。あわら市も、おにぎり2200食と水のペットボトル1200本を用意し、自衛隊が配布した。

 福井県内では鉄道網とバス路線が止まり、北陸道や幹線国道も立ち往生や渋滞で混乱。福井駅前のタクシー乗り場には列ができた。出張先に向かう途中という滋賀県栗東市の会社員、安岡直樹さん(54)は「すでに1時間ちょっと待っています」と苦笑いしていた。
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この冬は、各地で記録的な豪雪が記録されている。新潟など日本海側の北部より、福井など日本海側でも比較的南部で豪雪になっている点や、積雪量、市民生活への影響度などを合わせて考えると、戦後2大豪雪といわれた昭和38(1963)年1月豪雪(通称「38豪雪」)や昭和56(1981)年豪雪(通称「56豪雪」)に匹敵する規模になりつつある。もしかすると、この冬の豪雪は38、56豪雪と合わせ、後に戦後3大豪雪と呼ばれることになるかもしれない。

ところで、戦後最悪といわれた38豪雪では、北陸地方各地で国鉄の路線が長期間不通になった。復旧を目指して懸命に活動する人々を描いた国鉄監修の記録映画「豪雪とのたたかい」(毎日映画社制作)は今なお名作として語り継がれている。興味のある方は当時の社会状況にも思いを馳せてほしい。

豪雪とのたたかい(1/2)


豪雪とのたたかい(2/2)

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9月8日夜の秋田県内陸南部の地震について

2017-09-10 18:42:11 | 気象・地震
平成29年9月8日22時23分頃の秋田県内陸南部の地震について(気象庁報道発表)

少し時間が経ったが、8日夜、秋田県大仙市で震度5強を記録した地震について述べておきたい。

地震の規模はM5.2(暫定値:速報値5.3から更新)、震源は秋田県内陸南部、震源の深さは約9kmとごく浅く、このことが地震の規模の割には大きく揺れることにつながったと思う。発震機構(地震のメカニズム)は北西-南東方向に張力軸を持つ横ずれ断層型(速報)。

今回の地震の震源地は、東日本大震災以前は地震が少なかったにも関わらず、東日本大震災を境に急激に地震が増えた場所である(参考資料)。この場所では、震災直後の2011年4月19日にM4.9(暫定値)の地震が起き、やはり大仙市で震度5弱を記録している(気象庁報道発表)。今回の地震はこれを上回り、震災以降、この付近を震源として起きた地震としては最大のものとなった。ちなみに、このときの地震の震源深さは約6km、発震機構も北西-南東方向に張力軸を持つ横ずれ断層型で、今回とまったく同じである。きわめて今回とよく似た地震といえる。

北米プレート内部の地震で「張力軸」を持っていたことは、プレートを外から引っ張る力が起こした地震ということになる。最近、ユーラシアプレートの活発な活動が続いており、ユーラシアプレートが北米プレートを西に向かって引っ張る動きが続いているのかもしれない。

大仙市を中心とした地域では余震が続いている。今後しばらくは余震への注意が必要だ。

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