沖縄・宮古島近くで生じた陸自ヘリ事故は、心配された通り 複数の犠牲を生じてしまっていた様だ。まずは現状 4名に上る、犠牲各位への謹んでの弔意を申したい。その上で 深く複雑な海底の現場からの困難さを理解しつつも、残る行方不明の各位と共に、事故機とその飛行記録が確実に回収され 事故原因と背景が解明される事を祈念したい。
さてその自衛隊。此度の事故を含め 諸事大変な所は理解するが、やはり我国を取り巻く周辺情勢の緊迫化には 真摯にしてより高い確実性を伴なう対処を願いたいというのが、国民としての本音かとも思う所だ。例えば所謂「台湾問題」を抱える中国大陸の動向は、折々指摘される沖縄・尖閣辺りに留まらず、東南アジア諸国の領土領海も関わる南シナ海や、我国の太平洋側にも及ぶ様だ。以下今回は、のりものニュース・ネット記事を引用して みて参ろうと思う。
「今度は沖ノ鳥島沖 中国(中共)空母「山東」日本周辺で頻繁な発着艦訓練訓練、最新ミサイル駆逐艦も フィリピンを抜けて沖ノ鳥島沖近海まで来訪 (海自)日本海側の京都・舞鶴からも護衛艦派遣」
防衛省・統合幕僚監部は 2023(令和 5)-4/17、中国海軍のクズネツォフ級空母「山東」を含む 複数の同国軍艦艇が日本近海、太平洋上の海域を約 1Wにわたつて航行し続けていると発表しました。
明らかにされたのは 4/10(月) から 4/16(日) にかけてのもので、位置は宮古島の南南西から沖ノ鳥島近傍にかけてだとのこと。
陣容は 空母「山東」のほかに、レンハイ級ミサイル駆逐艦 1隻、ルーヤンⅢ級ミサイル駆逐艦 1隻、ジャンカイⅡ級フリゲート(艦) 1~2隻、フユ級高速戦闘支援艦 1隻、フチ級補給艦 1隻で、これらが日によって構成を変えながら艦隊を組んで航行していたそう。なお 日本に最も近かったのは 4/12(水) で、そのときは宮古島の南約 220kmに位置にいたといい、なおかつ 4/15(土) には、沖ノ鳥島の南東約 370kmにもいた模様です。
この間に中国海軍の空母「山東」では 艦載戦闘機による発着艦を約 140回、同艦載ヘリコプターによる発着艦を約 70回、合計で約 210回の航空機による発着艦を確認しています。
これに対し、海上自衛隊は 広島県の呉基地を母校とする第 4護衛隊所属の護衛艦「さざなみ」や京都府の舞鶴基地を母校とする第 14護衛隊所属の護衛艦「あさぎり」によって、所要の情報収集・警戒監視を行ったほか、艦載戦闘機の発着艦に対しては、航空自衛隊の戦闘機を緊急発進させるなどして対応したそうです。(引用ここまで)
「やはりこの辺だったか」と一方で思わされるのも事実。沖ノ鳥島とその周辺は勿論 我国の領土領海・並びに排他的経済水域 EEZという訳で、国際的認知も得る所だが、中国大陸・中共政府はこの事実を認めず「ただの岩礁」などと揶揄しているとも聞く。こうした見方で圧力を強める意図もあって、前述艦隊を差し向けた所もあるかも知れない。これ以外にも、同国政府は海底資源の可能性などを 調査船を複数回送って探っているとの指摘もあるのだ。改めて諸事大変な折は分かるが、三自衛隊の各位は 中国大陸の対日動向を確と把握し、冷静な抑止力の確保に努めて頂きたい。
他情報からも、昨年度の空自緊急発進・スクランブルの発出が 778回に上るとの報にも接した。この内 575回が中国大陸絡みによるもので、中露両国で 前述緊急対応の殆どを占める由。依然弾道ミサイル発射を繰り返す対北鮮向けの警戒を含め、やはり緊迫の度を増す我国周辺情勢には、我々国民も相当に留意し、関心を向け続けるべきという事だろう。
こう書くと、左側から「外交努力が大事」などと揶揄されそうだが、勿論全否定するつもりもない。対話の窓口は常に設ける必要があるのも分かっているが、それにしても 現実の現状と確と対峙する抑止力も同時に必要だろう。岸田政権が掲げる防衛力強化の必要も 一定は理解する者だが、その為の財源面は決して過度の増税の様な無理はしないで頂きたい気もする所だ。今回画像も振り返り恐縮。先年 愛知・静岡両県境に近い、浜名湖畔の JR東海道本線で偶然目にした、長尺線路・ロングレールを輸送する専用列車の走行シーンを。