Blog~続・トイレの雑記帳

鉄道画像メインの「ゆる鉄写真ブログ」のつもりでしたが、
政治社会の事共について記したくなり、現在に至ります。

安全と、規律の間

2015-06-21 11:31:37 | 社会・経済

如何にも梅雨、と言った風情の、本日の当地愛知の空模様。つい先程までやや強い降雨に見舞われていた。午後の予報は曇りだが、一時的な時雨位はあるかも知れない。出かけるには少し朗報だが、何せ日曜日。市街の見所は、中元シーズンともあって、買い物客などで相当に混雑する事を覚悟しなければならなさそうです。

訃報一件。大相撲にて2004=平成16年夏場所まで現役だった元大関 貴ノ浪の音羽山親方が、昨日大阪市内の出先にて急逝された事が分った。約20年前の平成初期の前後、時の横綱 曙、若乃花、貴乃花や大関 魁皇の各力士に伍して大柄な身体と強い投げ技を生かした清々しい取り口には魅了されたものだ。引退間もなく持病の心臓疾患の為、生死が危ぶまれるも、乗り越えた経緯があるだけに、まだ四十代前半の年齢と共に残念。謹んで、哀悼の意を表する次第であります。

さて本題。梅雨入り前の先月後半は、真夏と変わらぬ暑さに見舞われた当地だが、その様な中、当地の主要鉄道線 JR東海道線にて緊急事態があった。5/25日中、進行中の上り快速に乗務中の運転士の体調が急激に悪化、規定通りの非常停止措置を実行の上、救急搬送される由々しき事態となった。原因は熱中症による脱水症状だった由で、救出に当たった車掌も、同様の原因で発症した。運行に当たるJR東海社(以後J海と略す)は、極めて厳格な職場規律で知られ、夏場などは、接客を伴う乗務は新幹線、特急の乗務各位は夏用上着が必着だった様だ。又、水分補給にしても、運転指令の了解をその都度得る必要があり、安全厳守の為の実情と合わない所も生じて来た。拙趣味たる鉄道交通の事共とも縁深く、何が一番大事かを考える良い事例になりそうなので、以下 地元紙C新聞の記事も参照しながら考えてみる事にしたい。

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「J海運転士熱中症~上着不要にゴーサイン 厳格ルール、社内でも不評」

夏を軽装で過ごすクール・ビズは、鉄道業界でも広がっている。JR東日本や同西日本は、夏は半袖にノーネクタイで、年間を通じて「上着を脱ぐのは禁止」というルールはない。名鉄(名古屋鉄道)や近鉄(近畿日本鉄道)も同様。

J海では運転室の水分補給も、今月上旬に運用を見直すまで、指令所の了解が必要だった。乗務終了後に、水を飲んだ時間、場所、理由、乗客の苦情の有無を報告書で提出しなければならず、運転士には「そこまでして飲みたくない」と不評だった。4時間近く水を飲まず運転したことがある運転士は「誰か熱中症で倒れるだろうと思っていた」と打ち明ける。

J海在来線の運転士によると、運転席は「ガラス張りの金魚鉢」のような状態。衣替え前の5月は、陽射しが強いと、冷房があっても上着の下は汗でびっしょりになるという。

柘植(つげ)現社長は「運転士や車掌は、あるべき服装や姿で運転等をしなければいけない。遠い昔はパンを食べ、ジュースを飲みながら運転し、お客様にお叱りを受けた」と説明。規律の乱れが世間の反発を呼んだ国鉄時代の反省を口にした。運転士らに厳しいルールを課してきたことは「運転中の携帯電話がダメなのと同じ。安全に関わるので乗務には専念しなければいけない」と説明していた。

運転士の熱中症報告後、J海には名古屋市民らから意見が10件ほど寄せられた。「水分補給くらいさせてあげて」との声や「クール・ビズにしたらどうか」との提言もあったという。

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この問題を、各位はどうお考えになりますか?先月の記事に接した当初、俺も、当該乗務員は鍛錬不足ではないか?とも思ったものだが、今回記事で考えを変えた。確かに、柘植社長のご見解は、原則論としてはその通りだし、同社が中心に運営される東海道・山陽新幹線を初め在来線の特急、多くの庶民向けの主力商品とも言える快速列車などでは、特に品性のある接客などが強く求められるのは当然だろう。ただ、昨今の気候の異常さも配慮がなされなければ、本当の安全は守れないのではないか。

言われてみて思う事だが、電車を初め 最近の鉄道車両はトラック、バスなどの大型自動車同様窓部分、グラス・エリアが前世代のそれと比べ、明らかに広大になっている。例えば痴漢問題などで車内を明るくする必要もあろうし、乗客サイドよりも、見晴らしの良い方が歓迎される事だろう。しかしながら、最近の車両のそれは、一部を除くと明らかに度が過ぎている様に思うのだ。往年の人気車 名古屋鉄道パノラマカーの例の様に、眺望も魅力なのは事実だが、何よりも安全が最優先されなければならない。JR車も私鉄車でも、どうも窓部分が大きくなり過ぎており、それが反って運転台の、特に夏場の居住性を悪化させている様に思えてならない。少数派だが、名鉄最近の特急車 ミュー・スカイとその一党の窓部分の肥大を抑えた正面デザインは、その面よりは評価されて良い。

もう一つ、乗客サイドより気になるのが、運転中に背後の仕切り窓を全てオープンにしている事が多い点。規則によれば、運転士判断で、運転席背後のシェードは降ろして良く、安全確保の為には乗客より見えなくてもやむを得ないはずだ。その事が、運転台の温度上昇を抑えるのにも有効なら尚更で、基本はそうすべきだろう。乗客の要望があるのかもだが、そうした要求を平然とするのは、親子連れよりはむしろ好い齢をした一部の鉄道マニアによる事が得てしてある様だ。申すまでもないが、鉄道交通は国民市民全体のものであって、一部のものではない。安全優先は重い命題。その為なら敢えて無理な要求には断固応じないのも一つの哲学だろう。

以上、とりとめもなく記して参ったが、最近の気象の異常化は、経営陣などルールを決める側にも不運に作用していると思う。先月なども、5月半ばから、早や真夏の気候となり、これまでの服装の感覚では対応できない状況も増えている。クール・ビズや水分補給の一定合法化など、できるだけ現場の判断に委ねて尊重する方向も顧慮すべきではないかと感じる。柘植J海社長のご見解の様に、過去の反省と、対人時の品性を重んじる姿勢もそれは大切だが、これまでの方法では安全が脅かされる以上、一定の見直しはやはり不可欠だろう。水分補給について言えば、一般社会の認識を変える教育啓蒙も大事。昭和期までは、夏場でも水分を摂るのは「弱者のする事」などの見識が幅を利かしていたものだが、最近の医学的研究成果もあり、一定の水分補給は必須との見方に転換して来ている。ただ、まだ多くに浸透している訳ではなく、電子掲示板などでは未だに「水分補給=弱者」の短絡的見解が目立つ事もある。これらの投稿には、正直嫌がらせ目的まがいのもあって、我々はそう言う意図を真に受けず、冷厳に織り込んで見て参る必要があるのだが、いつの時も「何が一番大事か」と言う事の見極めが必要な事には変わりがないだろう。その事は今、国会にて激論が交わされる安全保障法制の問題でも、同様の事が言えるだろう。

もうすぐ、大相撲名古屋場所。当地愛知も、そろそろ力士の付き人など関係の方々の姿が見え始める時期。画像は一昨年のものですが、今年も変わらぬ盛り上がりを期待したいものです。

 

 

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2 コメント

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水分補給 ( mie...*)
2015-06-24 09:41:07
JRの運転手に関して
乗客から運転中にスマホをやっていたとか
本を読んでいたとか
様々な苦情が上る一方で
あまりにも乗客の目を気にしずぎるあまり
熱中症にもなりかねない
水分補給すら出来ない乗務員は
なんだか可愛そう・・・。

人の命を預かる運転手さんの体調は
常に万全でなければならないはずなのに・・・・

運転中は運転以外何もできなくなってる現状は
どこか人の視野さえも狭まってきている気がいたします

涼しいスタイルで運転したり
水分補給なども
臨機応変に寛大に見てあげられる部分があってもいいように思うんだけどなぁ~~~
返信する
お言葉通りです! (HAKASE(jnkt32))
2015-06-24 11:19:55
ミーSAN、今回もご見解を有難うございます。
本当にお言葉通りで、命の安全を預かる鉄道乗務の方々の命と健康も又、同様に大事と心得ます。
お話にある通り、JR各社は、以前の国鉄期に目立った綱紀乱れのトラウマもあって、
規律再建に躍起になっている。その努力を尊重する一方、昨今の様に、急な気象の変化で、
普段のルールでは安全確保が困難になる様なケースでは、
乗務の方々の軽装や、水分補給を機動的に認める工夫も必要でしょう。
先月の不具合時、乗務の方々はまず緊急停止など、
乗客の安全確保を全て適切になさった様で、その所は称えられるべきとも思います。
これから猛暑を迎える我国。当地だけでなく、貴地元の様な北の方も例外ではないかも知れません。
暑さで危険な状況に晒される方々への配慮と共に、我々も各々が注意しないといけませんね。まずはお礼まで。
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