今月末に投開票を控え 嫌でも盛り上がる気配の自民党総裁選。昨年来の流行続く 中国大陸他由来の新型コロナ・ウィルス感染症の諸対策を蔑ろにしてはならないとの多くの声は分かるが、それは新総裁選出まで任期を担う 菅 義偉(すが・よしひで)・現総理が責任を以て担う旨、表明されているはすだ。
報道メディアを加えた左傾側の「無責任!」「情勢を弁えない学芸会!」みたいな批判や揶揄が断続して聴こえ、あわよくば自勢力に有利な政局に結び付けたい特定野党も相乗りしての騒擾にも感じられる。
菅総理にしても、この側からは 安倍前総理と共に「頭から(安易な)非難」ともなりがちな訳だが、冷静にネットなどの声も当たってみると「コミュニケーション力の弱さは問題も、為すべき事はした」との評価も聴こえてくるのが分かる者でもある。詳しくは末尾にリンクの 雑誌・東洋経済オンライン記事に譲るが、この中で「かんべえ」の愛称を取る 吉崎達彦・双日総合研究所チーフエコノミストが「主観」と一言断りながらも、菅政権の遂げられた仕事を 10項目選ばれたので、以下に挙げて参りたい。
➀ (前述感染症)ワクチン接種体制の構築。当初「 1日 100万回体制」はとても無理ではないかと思われたが、わが国におけるワクチンを 2回接種した比率は 9/12時点で全人口の 5割を超えた。米国を抜くのはもう時間の問題だ。
➁ 東京五輪(及び障碍五輪)の開催。いろいろ議論はあったにせよ、また無観客だったにせよ、とにかく大きな事故もなくイベントを終了させた。「オリパラ」に参加したアスリートたちも「ありがとう、菅さん」だろう。
➂ 「2050年カーボンニュートラル」の宣言。かなり困難な目標となるが、大方針を決したことは歴史に残る仕事。次期首相はこれを引き継いで、いきなり 10月の「G20ローマ会合」や 11月の「COP 26」グラスゴー会合に出席しなければならない。
④ デジタル庁の創設。甘利 明・自民党税制調査会長の言葉を借りれば、わずか 1年でスタートにこぎつけたことは「日本新記録」の速さ。約 600人の小さな組織だが「デジタル敗戦」と言われた過去を否定できるか、これからが勝負。
⑤ 日米豪印による初のクワッド首脳 (オンライン) 会合、J・バイデン大統領との日米首脳会談、コーンウォール G7 会合出席など一連の外交成果。外交文書に「台湾」という文言を入れたことは G7 のコミュニケにも踏襲されたが、もとはと言えば日米間で決めたこと。これで長年の国際政治上のタブーを破った。
➅ 福島第一原子力発電所から出るトリチウム水の処分方法の決定。安倍晋三内閣が先送りしてきた課題にメドをつけた。
⑦ 携帯料金の値下げ。結果的に約 4300億円分の負担軽減となり、家計の可処分所得がそれだけ増えたことになる。
⑧ 最低賃金の引き上げ。「最低時給 1000円」を目指し、2021 (令和 3) 年は全国平均で 28円と過去最高の上げ幅になった。
⑨ 不妊治療への保険適用。来年 4月からスタートの予定だが、さかのぼって今年 1月から助成を拡充。年収 730万円未満という所得制限も撤廃へ。
⑩ 過去の積み残し法案の処理。(憲法改正に関する)国民投票法案、種苗法、重要土地取引規制法など。総じて安倍前内閣 8年間のやり残しを一掃した 1年であった。(引用ここまで)
吉崎さんの主観によるとはいえ、選び出された 10項目は 拙者も得心を覚えるものだ。福一原発の事故処理水の扱いは 尚も議論の残る所だろうが、拙者は菅総理の判断でやむなしとする者だ。先の震災で最大のダメージを負った 福島県浜通りの復興を急ぎ、確かなものとする為にも この判断はやむを得なかったと思う者だ。
前述の 10項目の事共をざっと振り返っても、とても僅か 1年で成し遂げた、或いは目途をつけたとは思えないのもむべなるかという所だろう。立憲民主党を初め、特定野党勢力は 折あらば政権交代を図って、党首地方遊説などの折に 独自の政権公約などを喧伝している様だが、実務面はどの党派も菅政権に及ばないだろうというのが拙見立てだ。余りの媚中志向から、基本は与しない二階自民幹事長の言葉を借りられるとすれば「野党にできるか?」という所。ここだけは残念でもあるが 同感ではある。
菅総理の惜しむらくは、既に多くの各位がご指摘の様に 国民市民向けの発信力とコミュニケーション力の貧弱さだろう。前述の事共から実行力は認めるが、やはり力の籠った説明のできる発信力、コミュニケーション力の弱さは、次期総裁となる方も 大いなる教訓にして頂きたい。尤も 既成メディア各社が菅総理関連の報道に際し、そうした面の弱さを分かっていながら 適切な補佐を行わなかった所も大きくあるのだが。
この所、特に朝日新聞一味を含む左傾メディア勢力に露骨にみられる姿勢だ。安倍前政権にさんざぶつけた「国民を蔑ろにした」の捨て台詞を 同様に「少しは労うべき」菅政権にも発しておいて、前述の「功の所」は「報道しない自由」の不当行使で抹殺を図ってきた。つまり「言論の自由」の保全に不可欠な「公正な視点による報道」が歪められていたという事だ。残念だがそうした姿勢は、今は我々国民読者が主体的な姿勢で糾すしかないのかも知れない。
明らかに不良な取り上げには「読まない、見ない、買わない」の「3ない姿勢」で対峙するのもやむなしだろう。今回画像も再掲で恐縮。今夏初め JR名古屋駅で見かけた、次期在来線特急「ひだ」「南紀」向けの次期車両「HC85」型が走行試験に臨む姿。後一年余りで、営業運転にも姿を現しそう。以下に 関連記事をリンク致します。(東洋経済オンライン 9/19付) 去る菅首相がやった仕事「勝手ランキング10選」 コミュニケーション最悪でも「実績」はあげた?(東洋経済オンライン) - goo ニュース