中国大陸発、新型コロナ・ウィルス肺炎流行のあおりで延期されていたプロ野球今年の試合日程が、ようやく決まった様だ。セ・パ両リーグ共 6/19から開始の由。当面は要感染症対策から無観客試合を基本に行われ、状況をみて 徐々に観客を迎えられる方向になりそうだ。又 中断されていたプロ・サッカー Jリーグの各試合も前後しての再開が決まった由。両種目共 できるだけ早い時期に、今までの様にとは行かずとも 一定の賑わいが取り戻せる様になる事を祈念したく思う。
本題です。前述感染症の世界的流行に 経済と共に止められ大いなる悪影響を受けたのが教育だ。3月初旬からほぼ 3カ月間。各地共徐々に登校が再開されたとはいえ、以前の様な大人数での教室使用ができず、生徒同士の間隔も広げる必要があったりで 授業の進行にも神経を遣う事になりそうで、教員各位の負担も大きくなりそうだ。又、春休みが挟まったとはいえ 長きに亘った休校の空白を埋める為、夏冬の長休がかなりの範囲で短縮されるとも聞く。猛暑の時季をも控え、教委にはどうか生徒にも先生にも過度の負担にならない様な教程の設定を願いたいものだ。
その様な中、全国の学校で行われた長期休校の間隙を縫う様に、入学時期を大きく変更する「4月入学→9月入学」を志向する主張が出てきた。以前 東京大学から発出された経緯もあるものだが、この時も議論は一部に留まった。 今度は前述のやむなき休校措置に伴う形で表されたものだが、拙的には何か「感染症対策休校措置のドサクサ紛れ」なる印象が拭えないでいる所だ。
世界レベルで見ると 学校の「9月入学」は欧米勢をメインに多くの諸国でみられ、我国の「4月入学」は少数派らしい。9月への変更は 優秀な学生の海外留学を円滑にし、又逆に海外の優秀生を我国の大学などに招く機会を増やす事ができ、人的交流の活発化を期せる強みがあるとか。更に海外の主流に合致させる事により 我国の大学定員を一定数海外からの留学組に取られる「諸刃の刃」のリスクはあるも、一方では一定のメリットもある事だろう。「国際的な人材」を必要とする我国主要企業からの要望との側面もあるらしい。
しかし待て。入学時期の大幅変更は 学校関係のみならず、学校を取り巻く関連産業各位も会計面などでの対応変更を余儀なくされるはずで、社会的影響はとてつもなく大きい事だろう。我国の会計年度は 4月→翌 3月が主流で、学校の年度もそれに合わせて進められてきた。ほぼ全国レベルの長年に亘る慣行を直ちに変えられるものでないのは勿論で、まずは国内で幅広い議論を尽くす必要があろうと心得る。
この問題につき 政府与党の慎重な対応姿勢は当然だし、拙者もそれを尊重するものだ。最近の調査によれば、都道府県レベルでは全知事の過半が理解を示すも 市区町村長レベルではそれが逆転する結果をみた様だ。つまり現状では「拙速な議論は避けるべきで、学校再開の状況を見極めながら 文部科学省で慎重に検討していく」との政府見解が全てだろう。同時に、世界的にも大きく遅れているインター・ネット利用のオンライン学級の拡充など、明らかに公共事業として取り組むべき教育の事共がある事も、政府と関係各位には留意願いたいものだ。
少なくとも、今年度の学校再開を 9月に延ばし、そこから新年度という様な単純なものでない事は事実。明らかに前述感染症の終息といえる時季までには一定日数をかけて議論を尽くし、実施となれば そこから更に数年をかけ、各学年度に1カ月ずつを足す様な形で徐々に移行させ 学校のみならず関連各産業などの無理のない移行ができる事を確かめてからにすべきである。
振り返れば 教育の問題は、憲法改正などと並ぶ「国家百年の大計」ではないか。感染症流行に伴うドサクサ紛れの様な形で、学年度の変更などを安易に云々して良い性質のものではない。一部の関連の利益増進の為だけに 国民多数、特に健全な学びを必要とする若い世代が無用に振り回される事があってはならない。どうしてもと言うなら、事前に知らせるべき情報を十分に開示の上 所定の期間を確保して丁寧で十分な議論を尽くした上で、無理のない実施を図るのが国民向けの誠意というものだろう。今回画像は、前述感染症流行のあおりで 至近距離で愛でる事の叶わなかった 当地近所、金山公園・思い出の桜の様子を。傍らを通る線路は JR中央線。