昨日の朝日新聞に重い障がいをもつ少年、臼田輝君が、文字入力スイッチによって文章を綴ったことが紹介されていました。
少年は1歳の誕生直前に事故にあい、筋肉ひとつ自由に動かせなくなったそうです。中学一年までは、言葉を理解しているかどうか確かめることもできなかったのですが、文字入力ソフトを改良したものを持たせると、50音を読み上げる音声に反応したそうです。それから文字を選んで文章を綴るようになったと書かれていました。
その記事を読んで水野源三さんを思い出しました。
水野源三さんは脳性マヒで話すことも歩くこともできませんでした。お母さんが50音字表を使って文字を示し、源三さんがまばたきで文字を選び、たくさんの詩を書きました。
事故にあう前の輝君が言葉を発していたかどうかわかりませんが、一歳前ですから、発していたとしても片言だったでしょう。
それから輝君は長い間、傍らで話す家族や他の人たちの言葉を聞き続けて言葉を覚えていたのでしょう。たくさんの言葉を心に蓄えていたのでしょう。それがようやくソフトの開発によって、文字を綴ることができるようになったのですね。
ただ、意志の伝達という意味だけにとどまりません。発したくても発せなかった言葉が、何度も何度も頭の中を巡り、ようやく湧き出でてきた言葉は、研ぎ澄まされた言葉でした。
新聞に紹介されていた臼田輝君の言葉を紹介します。
くなん それは きぼうへのすいろです。
けっしてあきらめてはいけないということを
おしえてくれます
苦難が希望への水路とは……・なんとすばらしい発想なのでしょう。
せっかくのことばが ことばとして
こうのうがきのように うけとめられてしまい ざんねんです(中略)
すばらしいのは つらくても ことばがあることです
ことばこそ ぼくたちにとって ひつようなものなのです
地球上の生物のなかで、言語をもつのは人間だけです。神様は、なぜ人間だけに言葉を与えて下さったのでしょう……。
良く考えもせずに出してしまった言葉。感情の赴くままに吐いてしまった汚い言葉。そのような言葉が人の心を傷つけます。自由にしゃべれるからといって、何と不用意に言葉を発してきたことだと……胸が痛みます。
神様が、与えて下さった、生きるのに必要な言葉です。心して、言葉を使っていきたいです。
水野源三さんの詩を紹介します。
感覚
脳性マヒで 自由を失った
私の体にも 感覚は残っている
春の暖かさも
夏の暑さも
秋の爽やかさも
冬の寒さも 感じる
神様の 限りない恵みを 強く強く感じる
まばたきでつづった詩
口も手足もきかなくなったわたしを
28年間も 世話をしてくれた母
良い詩をつくれるようにと
四季の花を咲かせてくれた母
まばたきでつづった詩を一つ残らず
ノートに書いておいてくれた母
詩を書いてやれないのが悲しいと言って
天国に召されて行った母
今も夢の中で老眼鏡をかけ
書きつづけていてくれる母
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少年は1歳の誕生直前に事故にあい、筋肉ひとつ自由に動かせなくなったそうです。中学一年までは、言葉を理解しているかどうか確かめることもできなかったのですが、文字入力ソフトを改良したものを持たせると、50音を読み上げる音声に反応したそうです。それから文字を選んで文章を綴るようになったと書かれていました。
その記事を読んで水野源三さんを思い出しました。
水野源三さんは脳性マヒで話すことも歩くこともできませんでした。お母さんが50音字表を使って文字を示し、源三さんがまばたきで文字を選び、たくさんの詩を書きました。
事故にあう前の輝君が言葉を発していたかどうかわかりませんが、一歳前ですから、発していたとしても片言だったでしょう。
それから輝君は長い間、傍らで話す家族や他の人たちの言葉を聞き続けて言葉を覚えていたのでしょう。たくさんの言葉を心に蓄えていたのでしょう。それがようやくソフトの開発によって、文字を綴ることができるようになったのですね。
ただ、意志の伝達という意味だけにとどまりません。発したくても発せなかった言葉が、何度も何度も頭の中を巡り、ようやく湧き出でてきた言葉は、研ぎ澄まされた言葉でした。
新聞に紹介されていた臼田輝君の言葉を紹介します。
くなん それは きぼうへのすいろです。
けっしてあきらめてはいけないということを
おしえてくれます
苦難が希望への水路とは……・なんとすばらしい発想なのでしょう。
せっかくのことばが ことばとして
こうのうがきのように うけとめられてしまい ざんねんです(中略)
すばらしいのは つらくても ことばがあることです
ことばこそ ぼくたちにとって ひつようなものなのです
地球上の生物のなかで、言語をもつのは人間だけです。神様は、なぜ人間だけに言葉を与えて下さったのでしょう……。
良く考えもせずに出してしまった言葉。感情の赴くままに吐いてしまった汚い言葉。そのような言葉が人の心を傷つけます。自由にしゃべれるからといって、何と不用意に言葉を発してきたことだと……胸が痛みます。
神様が、与えて下さった、生きるのに必要な言葉です。心して、言葉を使っていきたいです。
水野源三さんの詩を紹介します。
感覚
脳性マヒで 自由を失った
私の体にも 感覚は残っている
春の暖かさも
夏の暑さも
秋の爽やかさも
冬の寒さも 感じる
神様の 限りない恵みを 強く強く感じる
まばたきでつづった詩
口も手足もきかなくなったわたしを
28年間も 世話をしてくれた母
良い詩をつくれるようにと
四季の花を咲かせてくれた母
まばたきでつづった詩を一つ残らず
ノートに書いておいてくれた母
詩を書いてやれないのが悲しいと言って
天国に召されて行った母
今も夢の中で老眼鏡をかけ
書きつづけていてくれる母
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