”【デンマークの“脱”施設】(2)判断求められる認知症ケア (1/2ページ)”
このニュースのトピックス:環境・エコ
デンマークでケアが必要な高齢者は、高齢者センターにある約65平方メートルの住宅などに住んでいます。
認知症の人にこれだけの広さが必要かという意見もあり、中には35平方メートルくらいの住まいを作っている自治体もある。そういう場合も、アクティビティールームなどを足せば頭割りで65平方メートルになるよう配慮されています。
認知症の人とそうでない人の住宅が交じるユニットも、認知症の人ばかりというユニットもあります。分ければ、認知症の専門家がケアでき、ほかの住民とのトラブルも避けられる。特に、認知症の中でも常軌を逸した行動を取る病気の場合は、分けた方がいいという意見が優勢です。
認知症の人のケアには適切な判断力が大切です。例えば、キッチンに電熱器のある住宅もある。電熱器は本来、キッチンにはそぐわない。ですが、認知症の人に火の管理は危ない。とはいえ、キッチンを取ったら住宅と認められないので、高齢者は住宅援助金が受けられません。だから、電熱器が置いてある。やや、ゴマカシ的ですが、そういう自治体もあります。(2010.7.16 産経新聞)
「ユニット」を訪問するとデンマークのような考え方で取り組みが行われている施設がある。一日の生活の流れにゆとりをもって接している。本人の意向を聞いて対応している。表面的には素晴らしい取り組みをしているのだ。
しかし、職員は多忙だ。アクセク走り回り忙しい。お金の負担も大変だ。諸手続きが複雑だ。最早、経営第一の事業所もある。社会のみんなで支えていくバックボーンが弱い。等など・・・・。アンバランスな取り組みも見られることは残念だ。
どんな施設や事業所がいいのか?選択されるために懸命な努力は続く。
利用する国民はどんなサービスを望むのか?どんな人生を送りたいのか?
お互いの葛藤は、不透明な要素をいっぱい残しながら続く。