福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

歯科健診~上唇小帯について

2006-06-26 | 歯並び、矯正の話

健診(特に乳幼児健診)で軟組織(歯肉、唇、口の中の粘膜)の問題として割とよくチェックされるのが上の前歯間まんなかにあるスジ、「上唇小帯」の太さや位置です。上唇小帯が太くて歯の間あたりまでつながっているような状態が続くと、将来的にまん中部分がすきっ歯になりやすい状況となります。その場合、小帯を切る(正確には伸ばす)小手術が奨められます。

1歳6か月健診では、上唇小帯の位置は結構そのような状態です。ところが3歳児健診、学校健診と年齢が上がるに従って、小帯は次第に上にあがって行き、実際に小帯が原因ですきっ歯になっている子どもは非常に少なくなります。正確には、歯の生えている上顎の骨の高さの成長によって、小帯が取り残されるという仕組みです。以前は低年齢で予防的に手術を奨める歯科医もある程度いたようですが、自然に問題ない範囲になる場合がほとんどですので、最近では上の永久犬歯が生えてくる10歳頃まで待って判断するのが普通です。

子どもが小さい時期に云々いう歯医者がいても、特に心配いりません。ただし、2歳半ころまでは上の前歯はむし歯になりやすい時期で、ここの仕上げ磨きは重要です。小帯はまだ歯に近い部分に付いていますので、ここに歯ブラシがあまり当らないように工夫が必要ですね。

この患者さんは6歳で、上はまだ乳歯ですが真ん中に隙間があります。永久歯もこのようになるかな?と思わせる数少ない例です。2歳で上唇小帯の状況がこのようでしたら、むしろあたり前。

コメント (9)
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