福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

小児歯科での子どもとの付き合い その1

2006-05-31 | 子どもとの付合い
「歯科はお医者さんと違って、注射でおしまいではなく、注射してから始まりだから子どもは大変ですよ~」とか保護者と話すことがあります。歯を削ったり、神経を取ったり、抜いたりする処置は麻酔が必要なことが多く、ある種の外科処置であると思います。だから、「ちょっとがんばってねー」位の瞬間的な付き合いで終われません。15分、20分と頑張れるような、歯科医およびスタッフと子どもたちとの良いコミュニケーションが必要ではないかと思います。
コミュニケーションがとれて、かつ頑張ることが出来るのが、4歳以上位からではないでしょうか。私達はそのためにTell-Show-Do(テル・ショウ・ドゥー) テクニックというものを使用しています。これは当院オリジナルという訳ではなく、小児歯科や障害者歯科の分野では以前から基本として行っているものです。簡単に言うと、「今から行うことを子どもに分かるような言葉で説明し、器具ややりかたを見せた後に実際口の中で行い、その処置が上手に出来たら褒めてあげる」というもので、子どもの不安を除いて、学習と行動強化を行うやりかたです。ですから治療の様子をリラックスして手鏡で見ている子ども達は珍しくありません(大人の場合、ちょっとそれは…というのが普通ですけどね)。
私が以前ちょっといたニューヨーク大学小児歯科は、初代教授(数十年前だと思います)がこのTell-Show-Doテクニックの考案者であったため、麻酔注射をする時も基本的には説明して鏡で見せながらというように、学生や研修医の教育が徹底していました。
先日、5歳で治療が初めての女児が訪れたので、初回は治療のトレーニングと簡単な処置をしました。2回目の来院のとき保護者とそのような話をしていたところ、その子は、見事というか注射麻酔から治療が終わるまで、ずっと鏡で見ながら終えることができました。
子どもはすごい!?
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乳幼児の歯科治療はトラウマになるのか? その1

2006-05-30 | 子どもとの付合い
乳幼児で、ある程度以上重症なむし歯があったり歯をぶつけた場合など、どうしてもすぐに治療が必要なことがあります。
4歳近くになると結構コミュニケーションがとれるようになりますので、トレーニングをしながら何とか治療ができるようになりますが、それより年少では、抑えたりバスタオルにくるんで治療せざるを得ない場合もあります(抑制治療といいます)。本人はとにかくいやだから泣いたり動いたりします。こちらも抑えたくはないのですが、削る機械などを使っていますので、手や口の中や周囲をケガしないように、また治療がある程度以上のレベルでできるように拘束することになります。治療をきちっとすればするほど、子どもも親も歯科医も歯科衛生士もしんどいわけです。抑制効果が高いネット状の「レストレーナー」と呼ばれる専用の器具もあって、乳幼児のむし歯が多かった時代は小児歯科では時々使用されていました(今も使用しているところはボチボチあると思います)。
私自身も以前は使用したこともありましたが、今回開院にあたっては導入しませんでした。2、3歳の頃に抑制治療していても、その後定期的に健診や予防を行っていると小学生くらいになると「あの頃は網に入って泣いてたよなー」と笑って振り返る子どもも多いのです。一方で、その後の歯科との付き合い方にもよりますが、そのことがマイナスイメージとして記憶に残っている場合もあると思います。先日受診された患者さんの保護者(母親)の方も、「小さい頃ネットに入って治療された記憶があって、歯科に恐怖感がある。」とお話され、「子どもに説明しながらトレーニングをして、治療を開始する」という私達からの提案に非常に納得された様子でした。以前は「トラウマ」という言葉さえありませんでしたよね。
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歯のケガ 永久歯の場合その3

2006-05-29 | 歯のけが

歯をぶつけた場合もっとも厄介なのが、歯の根の部分が折れている場合です。乳歯の場合は、通常は保存が難しいです。永久歯の場合ですが、図の①または③の場所ですと経過は程ほど良好です。 ②のように根の中央部分で折れている場合、経過不良のことが多くなりますが、長期(例えば半年~1年)固定をしておくことで再接着する場合もありますので、まずは固定をして経過を見ます。 ③の場合も長めに固定して再接着を期待しますが、先の部分の根がX線的には消失して、残りの歯は若干根が短い状態ではありますが、ほぼ正常に保存できることが多いです。 ②のように歯の頭(歯冠)の近くで根が折れている場合、歯のグラグラは最も大きく再接着は難しくなります。その場合折れた歯冠部分は除去して残りの根の部分の神経の処置を行った後、いわゆる「さし歯」にします。歯が歯肉の中の位置で折れていますので、歯肉を少し除去しないとしっかりした修復はできませんが、前歯の場合が多いので歯肉部分の審美的な問題が起こることもあります。その場合、矯正の力で歯を若干引っ張り出すとことで通常に近い治療が可能になります。

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福岡市中央区赤坂 ラーメン「鈴木商店」

2006-05-27 | おすすめの店
警固四つ角から大正通りを北に進んで、最初の信号を左折、50m程行くと左手にあります。さらに歩くと中央市民センターが見えるという場所です。ここはいわゆる博多ラーメンと麺もスープも違います。博多そばとか塩そばとかいうメニューで、基本は博多そばでしょう。このスープは醤油豚骨で、麺は太目の縮れです。
ここは以前赤坂の大正通り沿いにあった居酒屋「木楽屋」の旦那が始めたところですね。一風堂の川原さんも今泉の「アフター・ザ・レイン」(洋風居酒屋というかパブというか)をやっていましたので、何か同じようなことをするな~と思った記憶があります。
私もちょっとですが料理をしますので、カウンター越しに手際の良いチャーハンつくりを観察して、家で真似をしたりしています。ここのお奨めはランチの「ラーメン+餃子+鶏ごはん」ではないでしょうか。
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歯のケガ 永久歯の場合その2

2006-05-26 | 歯のけが
出て間もない永久歯の外傷で、歯が欠けたり、折れたりした場合の処置をお話します。この時期は先日も説明したように、歯の根が充分に形成されておらず、歯の根が短く薄い状況です。歯の頭の部分(歯冠といいます)の欠けた程度によるのですが、神経にまで至っていない場合は、レジンという樹脂系材料を詰めることで元の形に戻すことができます。ある種、むし歯の治療と同じです。欠けた状態では食べ物や飲み物などに対して敏感になっていることも多いですから、レジンを詰めることでそれも解決されます。
一方、神経まで至っている場合は二つの治療選択があります。軽度の場合は、神経を途中で切断して残りの部分を生かす「断髄」が可能な場合があります。
中程度以上の場合は、むし歯が大きい時と同じで神経を取る処置になりますが、根が充分に出来ていないという条件があります。この場合通常と異なり、根の形成を促す薬を入れて数か月~1年位定期的に経過を見てから、最終処置をします。
この処置で神経をとった部分の歯の厚みは大きくなりませんが、根が伸びて、周囲の骨の状態もしっかりとなります。業界ではこれをApexification(アペキシフィケーション、とちょっと日本人には発音しにくいですね)と言います。
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むし歯探知器?

2006-05-25 | 虫歯治療の話

写真のように奥歯の溝に着色があると誰でも「これって初期のむし歯?」と思いますよね。以前は、着色=むし歯=進んで大きくなる⇒早期に治療というロジックでした。ところがここ15年ほどのカリオロジー(むし歯学)の発展で、診断や治療選択に変化が起こりました。まず着色があったら、触診といって、実際器具で触ってみる訳ですが(1)明らかに穴のあいたむし歯(2)むし歯の初期(3)単なる着色(4)むし歯の初期が再石灰化して進行がストップしている状態、などが考えられ複雑になりました。現代の歯科でしたら(3)(4)は当面歯を削る詰めるという処置は不要で、(1)は治療しますね。また、(2)の初期むし歯はどうするか歯医者の迷うところで、(2)(3)(4)を判別するのは難しい場合も多々あります。

最近上の写真のような「ダイアグノデント」というある種のむし歯探知器があって、当院でも時々使用しています。これは弱いレーザーを使って、むし歯の部位と程度を調べることができる器械です。したがって、着色のみで意外とむし歯でないとか、初期むし歯と分かった場合でも、フッ素やフッ素入りセメントで再石灰化を促したのち再検査することで、虫歯がストップしていることが確認できたりします。小児歯科では、出て間もない永久歯奥歯のむし歯?という患者さんが少なくないので、便利で説得性のある器械です。

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福岡市中央区大名1丁目 中華「一宝軒」

2006-05-24 | おすすめの店
中央区役所の角から大名方面に入って、ずーっと直進するとT字路にぶつかります。その左角が「一宝軒」。以前紹介した小谷カクウチの数件隣の、一応中華料理店です。
一応というのは、最近にぎやかで食事処も多いこの界隈ですが、以前はほかにご飯食べるところがないので、ちょっとビール(一応キリンのビンビール)とチャーハン、餃子みたいなところでした。当然ラーメンもあったわけですが、どれも決して美味しいわけではありません。でも夜がふけると、飲んだ帰りにちょっと寄ろうかというお客さんで結構にぎわっていました。
これが、数年前改装した頃からお店のイメージ、メニューと味も変わりました。板さんが替わったのだろうと思いますが、どれを頼んでも結構美味しく安い。お奨めは、以前からメジャーだったホルモン鉄板焼き、カリカリ餃子に加え、醤油ラーメン、最近ではパオライス(オムライスもどきにホワイトソースをかけたもの)がちょっと売りみたいです。焼酎のキープもOKです。2階がテーブル席、3階が座敷ですので、子連れの食事会&宴会も気楽にOKです。大名町内会では結構常連は多そうです。
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歯のケガ 永久歯の場合その1

2006-05-22 | 歯のけが
乳歯をぶつけた場合のお話は先日書きましたが、今日は永久歯、特に出て数年までの「幼若」といわれる時期の外傷の話を書きます。永久歯でぶつけやすいのは乳歯と同じで上の前歯ですが、この歯は通常7~8歳頃乳歯と交換して出てきます。実は歯が出てきた時点では、歯の根はまだ充分に出来ていません。しっかりした歯になるのには、出てから3年位必要です。それまでは歯の長さは短く、歯の内側の象牙質も十分な厚みが出来ていません。一方では歯(根)を造る細胞の活動が活発な時期でもあります。したがって、成人の外傷とは少し対処法が異なります。
成人では外傷で歯が折れる場合が結構多いのですが、幼若な時期の外傷では、グラグラや歯の脱落の場合が多くなります。最近、小学校などでも歯が抜けてしまった場合の保存液が置いてありますが、抜けた場合できれば保存液、ない場合は、牛乳、自分の口の中に入れるなどして出来るだけ早く歯科を受診して下さい。
統計によると30分以内が望ましいそうです。私自身、抜けた歯を早めに「再植」、固定することでその後、神経血管が再生し根も正常に育った例を数人経験しています。これは幼若な故の良い部分です。成人の場合、再植後に神経血管が再生されることはほとんどありませんので、固定後暫くしたら根の治療を行います。
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予防矯正、咬合誘導って何? その2

2006-05-20 | 歯並び、矯正の話

「乳歯が抜けたのに、後の永久歯がなかなか出て来ません」とか、「反対側は随分前に生え変わったのに、こちらは乳歯がグラッともしていません」とか、「こちら側の6歳臼歯だけ生えてきません」とか、以前大学病院に勤務していた折はこのような紹介患者さんを多く診る機会がありました。骨の中で永久歯が傾斜や回転しているため自力では出て来れない「埋伏(まいふく)」が発生していることが時々あります。乳歯の打撲やひどい虫歯で発育途中の永久歯の芽がずれるため発生する場合もありますが、原因不明のほうが多いようです。

写真の患者さんも、原因不明ですが右上4番目(第1小臼歯)が出てこないため、外科的に開けて歯にボタン状のものを接着して、近々矯正装置を使って、ゆっくり引っ張る予定です。別に本人も保護者の方も矯正治療をしたいわけではないと思いますが、自力で歯が出てこないから、結果的に矯正装置を歯に付ける治療になってしまいます。

その後の歯並び噛み合わせ(いわゆる矯正)は次のステップで検討することとして、まず永久歯が全部出揃うまでを治療ゴールとします。こういう場合は、咬合誘導と言ったほうが適切でしょう。

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福岡市中央区大名2丁目 ピアット(イタリアン)

2006-05-17 | おすすめの店
ちょっと知り合いのイタリアンです。以前紹介した「小谷カクウチ」の数軒隣だったそうですが、現在は同じ大名でも赤坂門近くで営業されてます。赤坂門から大正通りを下って、最初の角を左折して100m弱、右手です。
個人的好みかもしれませんが、普通で基本的なものがさりげなく美味しいのが「技あり!」です。お店の雰囲気やメニュー内容も重要とは思いますが、“誰がいるか”とか“できる人がいるか”というのがポイントではありませんか。もちろんその人が雰囲気やメニューを大いに左右する訳ですが。医者、歯医者の世界も、患者さんにとっては○○病院という箱のブランドネームよりも、そこに○○先生がいるというのがいざという時には重要ですよね。つまりここの旦那(シェフ)がセンスいい訳です。
ピアットはパスタランチなどをやっていますので店内は結構カジュアルでお値段も手頃です。正直言って「これだけのものを出すのだったら、ディナータイムはもっとそれなりの雰囲気にしたら多少値段が高くてもお客さん来るのにな~」とおせっかいしたくなる程です。凝ったものはありませんので、どこかのようにお店側から何をどうしたこうしたの料理の説明はありませんが、どれも「やっぱりね!」という味です。書いているうちに、何だかしばらくぶりに行きたくなりました。
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