福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

歯医者さんは電動歯ブラシを勧めるのだろうか?

2006-03-25 | 歯みがきのこと
私は小児歯科を中心にやっていますので、特にむし歯予防については詳しくなる環境というか立場です。ボランティアで、福岡市内のある民間保育園の歯科健診と指導を他の数名の歯科医師&歯科衛生士と一緒に年3回やっています。健診の数日前に保育士から保護者あてに質問用紙を配ってもらい、健診後に質問への答えを手分けして書くようにしています。そこで他のメンバーから「このような質問にはどんな答えが適切ですかね?」のような相談を時々受けます。保護者からの質問というのが意外と日常的で素朴な質問であったりしますので、歯医者は治療はできても予防を中心とした指導については、まだまだ勉強が足りないのかな~と感じます。また、歯科衛生士もクラシックな努力主義歯みがき指導から脱することができない人も多いと思います。当然、電動歯ブラシ使用についての明確なアドバイスや意見を持っていない。
当院の隣には福岡市では有名な大手ドラッグストアーがあるのですが、ここのデンタルコーナーはかなり充実しています。もちろん電動歯ブラシも種々あって、一般には関心が高い事がらのひとつとは思います。電動歯ブラシといってもピンからキリまでありますが、家庭での保有率はかなり高いにも関わらず、日常使用している率はそれほど高くないという調査結果があります。
最近の電動歯ブラシで使い物になるのは大きく2種類あります。ひとつはスピンブラシといわれるもので、ヘッドが丸くてブラシ部分が回転するタイプです。元祖はブラウンのもので数千円です。もうひとつは後発型の(超)音波歯ブラシで有名なのはソニケアです。こちらは1万数千円と価格が高い。
時々、患者さんや保護者の方から「電動歯ブラシっていいんですか?」という質問がありますが、「これだけ自動化の時代に歯みがきだけ手動っておかしくありません?掃除機や洗濯機って当たり前ですよね。通常の歯ブラシを否定するわけではありませんが、楽で便利なものを使わない理由はありませんよね。」というのが私の答えです。
子どもの歯みがきの場合、子どもには手動歯ブラシを使わせ、その後の仕上げみがきに電動を使う。ある程度おりこうに仕上げさせる3歳以降くらいが適当ではないでしょうか。この時期にむし歯になりやすい奥歯は、手動ではどうしても前後に動かしますのでオエッと来る子どももいますが、スピンブラシでは奥歯に当てればいいだけですから、非常に楽です。6歳臼歯が出てくる時期も同様に便利です。この時期になると、子ども自身にも時々自分で電動歯ブラシを使ったりさせる。
音波歯ブラシはヘッドが大きいのと振動を嫌がる場合があるので、現時点では子どもには勧めません。ただし清掃効果は優れているので、歯周病予防の観点から青少年~成人にお勧めしたいところです。こちらは現在価格的に手ごろなものを探索中です。
電動と言えどもやはり使い方はありますので、勧めるからには具体的な実地指導をしたいというのが本音です。
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「おかあさんといっしょ」の仕上げ磨きについて

2006-03-22 | 歯みがきのこと
1~2歳児は特に、種々のことを真似ながら色々な機能を獲得していく時期なのでしょう。2歳近くになると2語文がだんだん出てきますし、間もなく言葉がぼろぼろ出てくるブレークの時期がやって来ますね。今まで言葉には出なかったけど、結構分かっていて言いたいことが一杯あったんだな~と思ったりします。色々なことを自分でやりたがる。もちろん上手ではないが一生懸命、時間がかかっても飽きずに行なう。親はこれを我慢で見ておく時期な訳です。親が待ちかねて手伝おうとすると、決まったように「イヤ」と言いますね~。稀に「ハイ」とか言うと、こちらはびっくりして「嵐がくる~」とか。でもこれが正常な成長発育な訳です。
自我の確率過程の大きな山は1歳過ぎ~3歳頃といわれていますから、歯磨きを嫌がる時期に一致しています。口はもともと敏感な場所ではあることに加え、子どもにとっては成長発達過程で「自分でいろいろやりたいんだ~」という時期でもあります。保育園の2歳児クラスを見ていると、模倣をしながら学習、行動する時期を保育士の先生はうまく利用(?)しているように思えます。家にいるときは親-子の繋がりですので、なかなか親の思うようにいかないのが常ですが、保育園は同年齢子どもの集団ですので、保育士がひとりふたりをおしっこに誘うと、他の子も呼びかけに対してドーッと集団移動をするわけです。
NHKテレビ「おかあさんといっしょ」の仕上げ磨きは、何で子どもがおりこうか?それは子どもの年齢が、嫌がる時期を過ぎているということですよね(このシーンは、模倣という面では仕上げ磨きを嫌がる場合の方策のひとつとして使えるとは思います)。それと、出て来るほとんどのお母さんの仕上げ磨き法がいまいちかな~。もっとほら・・・。
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仕上げ磨きを嫌がるんです

2006-03-20 | 歯みがきのこと
「仕上げ磨きを嫌がるんです」という1~2歳児の母親からの相談が多々あります。福岡市健康づくりセンター(通称あいれふ)での事業の一つに「親子で歯の健康教室」があり、この教室では歯科健診、むし歯予防指導、フッ素塗布を行っています。ここには1、2歳児とその保護者が多く訪れます。私も昨年夏頃まで担当歯科医師のひとりで、保護者の相談事を伺うことが多かったのですが、最も多いのは「磨かせませ~ん」という悩みでした。「自分では一応磨くのに何で~?」という疑問も聞かれます。わが子だけが嫌がって困ったもんだと思う方もいらっしゃいますが、実はほとんどの子どもがこの時期嫌がるわけです。「10人いたら9.5人嫌がってますよ」とか説明しますが、それで嫌がるのは解決しませんね。「嫌がるのは当たり前ですから、頑張って押さえて磨いて下さい」というのもプロのアドバイスとしてはちょっと寂しいですね。
かつて、同じく教室を担当していた歯科衛生士、歯科医師達と適切で現実的な指導はないものかと話し合ったり、保育園保護者に歯磨きに関するアンケートをとったことがありました。アンケートの結果は、歯磨きを嫌がることに対する親の対応は本当に千差万別で、何とか歯磨きできるように、皆いろいろ工夫しているということでした。
できれば、押さえつけて磨くのは親子ともに苦痛ですから、避けられるものなら避けたいですね。

最近、当院での乳幼児に対する指導は以下のようです。
*1歳過ぎから2歳半ばまで位は仕上げ磨きを嫌がること、その理由と、成長発育過程ではむしろ当たり前であることを説明します。
*歯磨きを少しでも楽にできるように、工夫例を紹介して、家で試してもらうようにします。特効薬はありませんが、各親子にあった方法が見つかるかも知れません。
*年齢、歯の状態に応じて、むし歯になりやすい場所を重点的に仕上げするよう、短時間で(例えば10~20秒くらいで)効率よく終われるテクニックを指導します。時間が短ければ親子ともに楽ですから。嫌がる理由のもうひとつは、口が敏感な場所で、特に乳幼児の歯磨きポイントである上の前歯付近はその傾向が強いということもあります。

さて、仕上げ磨きに関して、子どもが嫌がらないような工夫で、「こうしたらうまくいったよ~」とか、「これやってもうちでは効果なしでした~」とかありましたら教えてくださいね。

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