福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

国際的に歯科保健を考える

2018-06-10 | 国際交流

小児歯科のスタディグループ「福岡小児歯科集談会」では毎年5回前後の講演会やセミナーを企画していますが、7月には海外での歯科保健活動をしているM先生、F先生にジョイントと言う形で講演をお願いしています。
休診日の今日は、講演1か月前ほどになりますので、40名ほどの会員に案内を送る作業を行っていました。
大規模なグループではありませんので、実際の企画運営は数名の役員で行っています。





お二人とも私と同じ九州大学小児歯科のOBです。
小児歯科分野の人間と言うのは、もともと公衆衛生的なマインドを持っている人が多いと思います。
加えて九州大学小児歯科は、かつてのボスN先生がアジアを中心とした国際交流に積極的で、JICA(国際協力機構)と歯学部とのコラボで途上国歯科医師を招く歯学コースの中心でした。私もサブリーダーを任され、コースのスケジュールつくり、研修生のお世話、そして講義と関わりました。
そのような小児歯科でしたから、他のプロジェクトで医局員が海外出張することも珍しくありませんでした。
M先生はミャンマーを拠点に活動中、F先生はかつて青年海外協力隊でトンガやアジア諸国での活動経験があります。
世界各地、特に途上国での歯科事情を知ることは、いろんな面で完備した日本の歯科事情からは学べないことが多々あります。
ただ歯科治療ではなく、歯科の原点に戻った柔軟な考えも得られのではと思います。
もちろん実質的な国際貢献と言う面では、ただボランティアではなくて、文化や経済状態が違う現地でキーパーソンを育てると言う苦労が大きいと推測します。
お二人のお話が楽しみです。





ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam

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インターナショナルな日

2009-06-12 | 国際交流

昨日は九州大学歯学部とJICA(国際協力機構)がコラボして毎年4か月間ほど行っている歯学教育コースの講義に出かけました。
午前、午後ともまる1日担当だったのですが、午後は国際ボランティアでトンガに2年間滞在した小児歯科医、F先生に講義をお願いしました。先日の小児歯科学会でのポスター発表やご本人の現地での活動の話を聴いて、参加している途上国の歯科医師にとっては非常に役に立つ内容だと思ったからです。
以前のコースと比べると参加者数が少なくなっており、やはり日本の経済状態と関係あるのかも知れません。このコースの色んなお世話をしている研修監理員の方によると、今年は皆レベルが高く、活発であるとのことでした。
私は小児歯科の内容が中心で、先日のブログでも書いたグラスアイオノマーを使用した予防的治療法などを講義しました。この方法はARTと言って、元来治療設備や機材が不十分な環境下での公衆衛生的な治療法ですので、途上国での歯科では有用な手段なのです。
午後のF先生の講義も聴かせてもらい、少しコメントもさせてもらいました。
とにかく1日中英語環境で講義したり質問を受けたり、ディスカッションをしたりと、慣れないことですので割と疲れましたね~。


F

午後のF先生の講義風景。研修員にちょっと質問を振ると、皆活発に意見を述べたり、交換したりしていました。F先生の英語も益々流暢で、負けそ~(語学に勝ち負けはないんですけどね)。
楽しくためになる講義でした。




講義終了後にピクチャータイム! この中に日本人は二人いるのですが、誰か判別つきませんよね。
チリ、ホンジュラス、サモア、スリランカ、ウルグアイからの面々でした。





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                             http://www.futatsuki-dental.com/

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ウェルカム・バック

2009-04-19 | 国際交流
金曜日の診療を終えて、7時過ぎまで残務をして帰ろうとしていたら、携帯が鳴りました。
相手は懐かしい、九大小児歯科の後輩F先生。彼女は2年間途上国の海外ボランティアで小児歯科医としてトンガに赴任していて、帰国したばかりです。「友人二人と、我が家の近くの居酒屋みのるにいます」とのこと。
一旦帰宅して、少し家事を済ませてからさっそく「みのる」へ。同じく小児歯科の後輩で現在は北九州で働いているO先生も一緒で、懐かしい面々。
小児歯科医といっても、途上国では歯科医数が極端に少ないので、日本のように個人レベルで診療していても追いつきません。公衆衛生的観点で活動して、小児の虫歯や歯茎の病気をどのように予防、改善するかということを健康に携わるプロフェッショナル、学校の先生、保護者も巻き込んで、さらに経済的サポートも含め動かしていく必要があろうと思います。
長い時間ではありませんでしたが、彼女のトンガでの活躍の話が聞けて、非常に嬉しい気持ちでした。いい話が聞けました。
途上国といえば、九州大学歯学部では5月から4ヶ月間ほど、途上国の歯科医師10数名を招いて歯学教育を行うコースがJICA(国際協力機構)とのコラボで行われます。私も講師の一人で小児歯科関係の講義が依頼されているのですが、彼女の体験は多分、このコース参加者に最も役に立つものではないかと思いました。
コースのコーディネーターのS先生に、本気でF先生の講義をスケジュールしてもらうよう依頼したい。
ちなみに「みのる」は随分久しぶりだったのですが、元祖氷温生ビール、そしてポテトサラダ、卵焼き、スジ煮込みは相変わらずほっとする味でした。





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JICA歯学教育コースが終了

2007-09-15 | 国際交流
JICA歯学教育コースというのは国際協力機構と九州大学歯学部が共同で行っている、開発途上国歯科医の教育プログラムです。
今年は9名の歯科医が来日し、4月終わりから約5か月間、九州大学歯学部をベースとしてこのコースで研修しました。私も講師のひとりであり6月に講義を担当しました、またこのコースに積極的に関わっている九州大学歯学部同窓会の役員でもありますので、コース終了のセレモニーに出席しました。
最近いつも歓迎会・送別会の乾杯の音頭を依頼されており、今回もそうでした。例年この送別会には福岡市歯科医師会からも出席され、参加者への記念品を渡しているのですが、今年はこの記念品を渡すように依頼されました(私も一応歯科医師会会員ですので)。
プレゼントは博多祇園山笠が描かれた扇で、「末広がり」を意味するのでそのことを説明してくださいと頼まれました。Hopeful future とでも言うのでしょうか? 単に Good Luckでもいいかも。
私自身は、かつてこのコースのマネージャーのような仕事をしていましたので、参加者の日々のお世話をしているJICAの研修監理員の方から、「今年は、大きな問題もなくこの5か月無事に終えることができました」という話を聞いて、なぜかほっとしている自分に気づきました。


皆さん扇が気に入ったようで、ハッピーフェイス(ジャパニーズイングリッシュ?)でした。
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JICA歯学教育コースの講義

2007-06-14 | 国際交流
九州大学歯学部で国際協力機構(JICA)とのコラボで、開発途上国からの歯科医師に歯学教育を行っている「JICA歯学教育コース」というのがあります。毎年10数名の歯科医師が選抜されて4月から約5か月間のコースが行われています。
今日は私が講義担当で、1日講義をしました。内容的にはARTといって開発途上国でのむし歯治療法、小児歯科での予防をベースとしたできるだけ削らない歯科治療法、小児歯科での学生および研修医の教育法などです。
一応共通言語が英語ですが、参加者も英語が母国語ではないもののアフリカ訛りで流暢だったりしますので、少し聞き取りに苦労しましたが、質問やディスカッションも多く何とか無事に終えました。普段そう英語で話す機会があるわけでないので、終わった後若干疲れが出ます。
出かける時にふと思いついて、近所のベーカリー「ボンジュール」名物のクロワッサンとシナモンクロワッサンをティータイムにいいかなと思ってお土産に持っていきました。おかげで、講義時間には少し遅れてしまいましたが。

約2名が食べかけのクロワッサンを持っているようですね。ちなみに私は右から2番目ですが、皆に混じると単なる一人のアジア系というわけ。
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ドアストッパー

2007-05-15 | 国際交流

九州大学歯学部で例年行われているJICA(国際協力機構)歯学教育コースの開講式が夕方からありましたので、九州大学歯学部同窓会からという立場で出席しました。
開発途上国の歯科医師を4か月間招いて教育や研修を行うコースで、例年10名位受け入れています。今年もアジア、アフリカ、南米など8カ国から9名がやって来ました。私も6月下旬にはまる一日講義を依頼されていますので、また彼らと交流したり、ディスカッションする機会を持つことになります。
それはさておいて、開講セレモニーと歓迎パーティが医学部の百年講堂というところであったのですが、セレモニーが終わって隣のパーティ会場の扉を見ると、何かいいドアストッパーを見つけました。パーティも、乾杯の音頭などをさせられて楽しかったのですが、今日のヒットはこれでした。

開かれたドアの下に赤いものが見えますよね。


近づいてみると、これなんです。


セレモニーの後、自国の国旗の前に立って写真を撮ってもらっていました。皆さんほとんどデジカメです。今年はブータンからの参加者もいます。歯科大学がまだ無いそうで、歯科医師の免許を持っている人はまだ国内に2名だそうです。

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トンガでの小児歯科

2007-03-02 | 国際交流

私の大学病院勤務時代の小児歯科の後輩女性がJICA(国際協力機構)のシニアボランティアで2年間トンガに赴任することになりました。シニアといっても本人が40歳ちょっとですので、青年海外協力隊の年齢を少し超えていたという理由があります。
トンガといえばどこでしょう? ニュージーランドの東の南太平洋の島国ですね。
東京での最終選考に合格していよいよ3月末に日本を発つとのこと。東京での最終選考の前に当院に寄ってくれて、事の次第を話してくれましたので、「決まったんだ~。おめでとう。気をつけていってらっしゃい。」という気持ちです。
私も以前九州大学でのJICA歯学コースのマネージャーのような仕事をしていて、フィージーの研修員などから南太平洋圏の歯科事情などは聞いていましたので、ある程度は想像できます。少なくとも歯科に関しては、病院で患者さんを治療しているのみでは限界が大きく、地域に出かけて教育や健診、簡単な治療をする必要があるでしょう。トンガでもあえて「小児歯科医」を募集していたとのことで、やはり公衆衛生的な役割が期待されているとのこと。
途上国の歯科で有効と思われるのが、設備や機器が限られている環境で可能なART(Atraumatic Restorative Treatment)です。グラスアイオノマーという歯科用セメントを使う方法です。私個人は少しですが途上国でARTの研修をしたり行ったりという経験がありますので、トンガでもARTを展開させてもらうと有難いです。
彼女への餞別というわけではありませんが、ART用のテキストを渡したいと思っています。


ARTを行うのは歯科医に限る必要はありません。国の事情や決まりにしたがって、ARTを理解して行えるという人たちを育てるという、現地での教育も重要です。

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JICA歯学教育コースの無事終了に乾杯

2006-09-16 | 国際交流

九州大学歯学部がJICA(国際協力機構)の協力のもと行ってきた5か月の歯学教育コースも昨日で終了でした。九州大学歯学部同窓会を代表して、閉講式と送別会に出席してきました。今年は、なぜか歓迎会と送別会両方で、乾杯の音頭を依頼されてしまいました。
国際交流、国際貢献というと、お金や物資を補助するような面も多々あると思いますが、少なくとも歯科では物を送っても一時的なもので、うまく使いこなしたり、機械であれば修理やメンテができる必要があります。やはり、人材育成であり、このコースのように日本に来ていただくのも良いのですが、私達から出かけて行って現地の人たちの人材育成を図ったり、モチベーションを与えるような教育を行うことです。現地にキーパーソンが育ち、できるだけ自力で種々プロジェクトが企画運営されれば理想です。彼ら自身はこの5か月で、自分自身の成長のみでなく、自国の歯科をベターにするためのパブリックマインドとモチベーションが芽生えたのだろうか?(ちょっとカタカナ英語過ぎですか?) 経済的問題がどの国でも大きいでしょうが、頑張って欲しいなと思いました。

この中に1名日本人がいます。それが私です。自分もただのアジア人のひとりという気がします。

 

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発展途上国の歯科その4

2006-09-08 | 国際交流

昨日、6月に続いて2回目の「JICA歯学教育コース」の講義に九州大学歯学部に行って来ました。
前回は発展途上国向けの予防的歯科治療「ART」(Atraumatic Restorative Treatment:非侵襲的修復治療)について話をしたのですが、今回は「予防をベースにした小児歯科治療」と「小児歯科の教育システム」という日本の現状を話しました。今年度は9か国10名が来日しており、5か月間のコースも今日で実質は終わり、最終レポートをまとめて来週末には帰国とのこと。
彼らは各国から選ばれた人たちですから、教育レベルは高く、歯科教育についても欧米の教科書などからの知識が結構あります。ただし、実際の現場では経済的に設備や器材不足があったり、患者さん側の知識や関心不足があって、そのような知識が実践できないのが現実です。また、いわゆる現代の歯科が行われていても、ごく一部の余裕ある歯科医と患者さんの間であるようです。このような環境で相対的に数多くを対象に実行できるのが予防です。予防といっても歯科医が患者さんひとりひとりに行えることは時間的にも限られますので、皆がオーラルケアに関心をもつような教育が多分優先でしょう。とは言ってもそれなりのマンパワーや費用が必要になります。ところが、特にアフリカなどではHIVやマラリアなどの風土病対策などが当然優先され、歯科どころではないという事情もあります。この辺に話が及ぶと、皆それぞれの国で似たような事情があって、「現時点では解決が難しいな~」ということになりますが、一方で「答えは出ないけど、結構悩みは共通なんだな~」という認識を持ちます。
ちなみに、今年の講義で「おっ!」と思ったのですが、講義中に半数位のメンバーがノートパソコンを使って講義のメモをインプットしています。当然、講義後はパワーポイントファイルをコピーして私のほうから渡すわけです。また、数年前位からメンバーの地域差というか国民性の差が小さくなっている印象を受けます。これもインターネット時代の影響かな~?とか感じます。コミュニケーションはとりやすい訳ですが、どうもアジア系とかアフリカ系とかラテン系とかいう、よい意味でのキャラが薄れており淋しいような気持ちです。

よく学び・・・

よく遊ぶ・・・。 これは研修旅行時の食事&カラオケです。右上はJICAからの研修監理員。右下が私。

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大陸的な話

2006-08-18 | 国際交流
先日、友人のSA先生から、N大学予防歯科の教授に就任しましたとの挨拶状が届きました。
このSA先生、九州大学歯学部で行っているJICA(国際協力機構)歯学教育コースの3人のサブリーダーのひとりで、私も同じ立場でしたので、何かと歯学部の国際交流系では仕事をしていた仲間でした。
以前のブログにも書いていますが、ARTという開発途上国での歯科治療を勉強しようということで、SA先生、SI先生とタイとインドネシアを訪ねた1998年のことを思い出しました。この時期もインドネシアの国情は不安定で直通便がないので、タイ(バンコク)で1泊してジャカルタまで飛ぶことになりました。航空機と宿泊はSA先生がしておくということでSI先生と私は任せていました。
さてバンコクに到着して、「どこに泊まるの」という私たちの問いに、「まだ決めてないけど」という軽い返事。そして、おもむろに「地球の歩き方」を取り出していくつかの安宿をピックアップ。それから公衆電話にタイのコインを入れて連絡を試みています。入れるべきコインが違っているのか、公衆電話自体が怪しいのか、なかなか通じません。やっと通じたと思ったら値段交渉でいまいちということでガチャン。「もう夜の12時だから程々にしとき~早く決めて~」。その後他の宿に何とか連絡がついて、交渉成立でホットしたわけです。
時間が時間ですからタクシーで移動となったのですが、○○バーツという安い値段を提示する怪しい運転手の誘いに興味を示すSA先生。怪しいと思いつつ乗ったのですが、案の定、ひとり○○バーツという×3の高値。他のタイ人がいないのを確かめて、3人一緒に騒ぎました。すると運賃なしで、都市高速の途中のような場所で降ろされました。しばらくして流しのまともなタクシーがつかまり、結局安上がりで宿に着いたという次第でした。
国際交流というか、国際的予防歯科というとこれくらい大雑把というか大陸的くらいがうまくいくのかな~、と変に感心して振り返っています。
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