福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

虫歯予防プロジェクト

2023-09-29 | フッ素について

福岡市のプロジェクトとして幼稚園や保育園の4~5歳児を対象にした、集団フッ素うがいがスタートするようです。



まずは保育園や幼稚園宛てに、写真下のようなリーフレットが配布されているとのこと。
実施に当たっては今後ですが、まずは情報提供のリーフレットです。
福岡県でも、すでに幼稚園保育園小学校などで集団フッ素うがいは実施されていますが、他の九州各県より普及が遅れているのが現状です。
虫歯予防にはフッ素が第1で、さらに、水道水フッ化物添加(日本では行われていません)とフッ素うがいがもっとも予防効果が高いというデータが多々あります。
幼稚園児保育園児対象では、小学校と比べてより大人が関わって観ておく必要はありますが、うがいは毎日行うことが基本です。
集団で決められたスケジュールで行うので、家庭と比べて実行性が高くなります。
家庭でうがいを行う製品も歯科医院、ドラッグストアーで購入できますが、自宅だと習慣づけが難しいですね。
日本は世界でも最もフッ化物の導入が遅れた国の一つですが、今やこのようなうがい薬やプロジェクトが普通になり、隔世の感があります。



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高濃度フッ素歯磨きを使いましょう

2023-08-08 | フッ素について

日本でのフッ素入り歯磨きのフッ素濃度上限は1450ppm です。
1500ppm 未満ということで、そのような濃度になっていると思われます。



以前は上のような、歯科医院専売の製品のみでした。

  

最近はドラッグストアやスーパーマーケットでも高濃度フッ素製品が増えました。



ただし、上の写真のような、発泡性のないジェルタイプは少ないようですす。
小学生以上は、虫歯予防効果から高濃度フッ素入り歯磨き剤が推奨されています。
一定濃度のフッ素を毎日、歯に供給するのが、最も虫歯予防に効果的です。
一定量を使って、歯磨き後はうがい控えめかうがい無しが、フッ素を残す観点から重要です。
加えて特に奥歯間のフロスも重要です。
皆さん歯磨きは程々行っていると思いますし、虫歯予防でしたらそれでOKです。
フッ素入り歯磨きを正しく使い、フロスを習慣化すれば、虫歯予防は簡単です。
奥歯かみ合わせ部分などは、歯科医院でのシーラントが効果的ですが、虫歯予防は日々の習慣に依存する部分が多いと思います。
私たちは患者さんに正しい知識を伝え、予防力を上げる日常を過ごせるよう、サポートする立場です。



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フッ素入り歯磨き&ジェル 1450ppm

2023-04-22 | フッ素について

最近、市販のフッ素入り歯磨き&ジェルで従来より高濃度の1450ppmの製品が増えて来ました。
小学生以上では使用OKで、虫歯リスクが高い場合には使用おススメです。



左は市販の高濃度フッ素歯磨き、右は歯科専売の高濃度フッ素ジェルです。
前回に続き、口腔衛生学雑誌2022年の論文から引用です。
歯磨き後のうがいは無しか、少量の水で控え目というのが、おススメの使用法です。
研究では、うがいの場合は通常量(25ml)と設定して、うがい無しの場合との2グループで、歯磨き後の時間経過で唾液中のフッ素濃度を比較しています。
1450ppmの製品では、うがいが無ければ、歯磨き10分後までは有意に高いフッ素濃度であったという結果です。
またうがいありでは、直後のみ高いフッ素濃度でした。
当院では、歯磨き後15分程はうがいも含め飲食を控えるようにお願いしていますが、この結果から判断すると、妥当な時間かと思います。
この研究は唾液中のフッ素濃度で、歯の表面にどれくらいの時間でフッ素が定着するかではありませんので、間接的なフッ素効果の評価ではあります。
歯科医院で塗布する9000ppmでのフッ素では、ほぼ瞬時にフッ化カルシウムが定着することは分かっていますが、歯磨き剤のフッ素ではメカニズムが違いますので、間接評価になるのでしょう。



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家庭用フッ素 新製品

2023-03-17 | フッ素について

レノビーゴというスプレータイプ家庭用フッ素製品がありますが、これはフッ素入り歯磨き以外では、最も歴史が長い製品です。
味もほのかで、当初は乳幼児向けとして患者さんに勧めていました。
100ppmのフッ素含有量で、以降の研究で500ppm以上でないと虫歯予防効果がないことが明らかになって、勧めることがなくなってしまいました。



最近、レノビーゴSTEP1という製品が発売され、フッ素濃度は500ppmで泡タイプです。
泡タイプはフッ素の取り込みが良く、味も癖が無いので、乳幼児向けとしては選択肢の一つになりますね。
ドラッグストア等で購入できますが、価格が1400円くらいで、他との大きな差別化がないのでトータル的には?です。
泡タイプで1000ppmの製品は歯科医院専売のチェックアップブランドから出ていて、3倍ほどの容量で1100円。
こちらは選択肢としてお勧めで、年齢に関わらず使用できます。
もちろんこちらは当院で購入可能です。
ちなみに市販で、ピジョンの乳幼児向け泡状フッ素はありますが、100ppmなので、おススメ対象外です。



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歯磨き剤はフッ素濃度が重要

2023-03-15 | フッ素について

虫歯予防には、フッ化物の適切な使用が最も効果的です。
日々の歯磨きにフッ素含有歯磨き剤を使用するのは当然ですが、製品中のフッ素濃度が重要です。
最近歯科の複数の専門学会共同で、フッ素入り歯磨き剤の使い方や量、年齢による推奨されるフッ素濃度などに関して、ガイドラインが出されています。
市販の歯磨き剤は高濃度フッ素製品を除き、パッケージに濃度が明記されていないのは、ちょっと困ります。
子ども用の製品はフッ素濃度がガイドラインよりも低いことがあるので、注意です。


  

写真の二つの製品は子ども用の通常の歯磨き剤ですが、フッ素濃度が500~600ppm で、3歳未満くらいであれば適切な濃度です。
3歳以上だと1000ppmほどが推奨されるので、キッズとかこどもとか書いてありますが、上記の製品は乳幼児用と理解するのが良いでしょう。
3歳以上では1000ppm、小学生以上だと1500ppmが推奨されますが、最も多いのは成人用も含め1000ppm程の製品です。
まだ1500ppmの製品は少なめなので、現実的には1000ppmでOKでしょう。
歯科医院専売の製品だと、濃度が明記されていますので、医院での購入が無難と思います。



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フッ化物洗口ガイドライン

2023-01-27 | フッ素について

水道水に薄い(1ppmほど)のフッ素を入れる、フロリデーションは日本では行われていないため、集団を対象のフッ素応用は小学校などで行われているフッ化物洗口があります。
フロリデーションおよびフッ化物洗口は最も虫歯予防効果が高い手段というのは、過去の研究や統計で明らかです。
昨年末の日付で、厚労省から「フッ化物洗口ガイドラインが」発出されました。
平成15年以来の改定ということになります。上記のワードでサーチすればガイドラインのpdf がダウンロードできます。
フッ素洗口はできれば高校生くらいまで実施して欲しいのですが、今のところ小学校が主なので。より長期実施が望ましいところです。
フッ素洗口は家庭で実施するのも全く問題ありませんが、集団で時間をとって行うのに比較して、実施がおろそかになるようです。


   

上記のように、各県単位でも説明用冊子をつくっています。
学校ベースで集団で行うことで、家庭環境などによる健康格差の減少が期待できます。
ガイドラインの概略は今回の改定であまり変わっていませんが、前回以降の最新研究データや、コロナ禍での集団実施ということで、それに配慮したガイドラインも含まれています。



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フッ素うがいの虫歯予防効果

2022-10-26 | フッ素について

日本歯科医師会発行のタブロイド版会報からの話題です。
フッ化ナトリウム含有のうがい液使用での、虫歯予防効果は歴史的に実証されていて、最も効果が高い一つです。
海外では水道水に低濃度フッ素を入れている地域も多く、これも同等の高い効果が実証されています。
大分県からのレポートでは、県下のすべての小学校でフッ素洗口が実施されることになったとのこと。
九州では佐賀、熊本、長崎では実施され、高い虫歯予防データが出ています。


学校歯科医会からの、2020年、12歳児のDMFT(虫歯、虫歯治療、欠損歯数の合計)の県別比較データです。
12歳と言えばすべて永久歯が出そろったくらいの年齢で、乳歯虫歯は生え変わっていますが、これから先に中高生で永久歯虫歯が増加するという現状はあります。
グラフで、数値的に本数が少ない理由です。
確かに大分県は、全国的に虫歯が多い県なので、今後の減少が期待できますね。
因みに、福岡県は大分県に次いで虫歯が多い地域で、これは残念。
佐賀県は九州では先行してフッ素洗口を普及させましたので、かつてのワースト3くらいから、少ない県の一つになっています。
新潟が少ないのは、随分前に最初にフッ素洗口をスタートした県だからだと思います。
学校では昼食後に毎日1回集団で行うことが多く、自宅で行うよりルティーンになります。
自宅では洗口の習慣化が難しいことも多いので、当院では歯磨き時のフッ素ジェル使用、歯磨き後のうがいをしないか控える、ということをすべての患者さんにお勧めしています。



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フッ素入り歯磨きは、一定量使いましょう

2022-07-07 | フッ素について

虫歯予防のK EYは、いかにフッ素製品を日常に取り入れるかです。
現在市販のほとんどの歯磨き剤には、フッ化物(通常フッ化ナトリウム)が含まれています。
虫歯予防に有効なイエテボリ法では、歯磨き剤は2cmほど出しなさいと勧めています。
歯磨き後は少量の水を含み、20秒ほどブクブクうがいです。
フッ化物を有効に利用するため、ペーストはあまり少なめでなく、またブクブクうがいでフッ化物を歯に行き渡らせるという方法です。



同じ2cmでもメーカーや製品によって出口の径が異なります。
これはいずれも成人用でサンスター製です。
径が大きめなので、同じ2cmでも結構出ます。
当院オススメのフッ素ジェルは、径は小さめです。
メーカーによって異なるので、1cmあたりの重量を調べたデータがあって、0.2-0.3gくらいが平均です。
ペーストの粘度によっても、径を調節しているのではないでしょうか。
成人は1回1g弱くらいが適切で、小児では体重を考えると数分の1でOKです。
多少の径の大小はあっても、年齢相応の、歯ブラシの毛の部分に行き渡るくらいの長さが適切ではないでしょうか。
要はあまり少しでは虫歯予防効果は発揮できないということです。
BGMはYUIのナツメロ(?)、ORANGE GARDEN POP。



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フッ素製品のコスパ

2022-04-25 | フッ素について

虫歯予防にはフッ化物を適切に使用するのが第1ということは、21世紀の常識です。
ホームケアとして低濃度のフッ素製品を毎日使用するというのが現実的で、さらに歯科医院で数か月間隔で高濃度フッ素を塗布するというのが理想的です。
今までの研究で、虫歯予防効果が最も高いのが水道水に1ppmほどのフッ素を入れる方法、そして通常225ppm程の毎日1回のフッ素うがいです。
日本では水道水フッ素はありませんので、選択肢としてはフッ素うがいですね。
最近ではドラッグストアでも購入できるようになりました。

  

いずれも225ppmでそのまま使用できますが、250ml ほどで1000円ちょっと。
使える回数を考えると、歯磨き剤や歯磨きジェルと比べてコストが高いですね。

  

こちらは歯科医院専売の製品。
左のミラノールは、発売数十年の以前からある製品。粉を水に溶かして使用します。
右は同じメーカーのフッ素うがい液。同じ250mlでも濃度が450ppmなので、2倍希釈で使用します。
専売なので、歯科医院によって若干価格が異なるかもしれませんが、こちらの方が遥かにコスパ良しです。
ミラノールはほぼ無味無臭なので、歯磨き剤などの味がイヤという小児患者さんには向いています。
フッ素うがいは、年齢的に6歳以上くらいでお勧めです。
日本では、学校や幼稚園保育園での集団での使用で、高い予防効果が実証されています。
フッ素うがいのポイントは、家庭での毎日の使用ができるか?というところですね。
通常の歯磨きに加えて行う必要があるので、習慣が出来てくれるかということになります。
当院でも、味が不得意な患者さんもいるので、ミラノールは販売していますが、習慣づけが難しい場合はフッ素歯磨き剤、フッ素ジェルの毎日の使用ですね。



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フッ素入り歯磨きと虫歯の減少

2022-04-06 | フッ素について

現在では、幼児用の歯磨きの一部を除いては、虫歯予防に有効な濃度のフッ素が含まれているものがほとんどです。
なので通常のブランドの歯磨き剤をスーパーやドラッグストアで購入すれば、フッ素入りです。
さらに最近では高濃度フッ素と表記された、より予防効果が高い製品も増えつつあります。
20世紀の世界レベルの調査では、その国の歯磨き剤でフッ素入りのシェアが増えて、しばらくすると虫歯減少がみられるというデータがあります。




20世紀では、日本の虫歯率はまだまだ高く、世界に取り残されていました。
上のグラフは日本のデータです。
フッ素入り歯磨きのシェアがかなり上がってきたのが、やっと21世紀になってから。
それに伴って、虫歯数の減少が見られ、これは過去の他国のデータと同様です。
歯磨きの丁寧さとか回数もあるでしょうが、そのばらつきを上回って、フッ素入り歯磨きの影響が大きいということです。
日本人は歯磨きを頑張る国民と言われて来ましたが、虫歯減少が遅かったのは、フッ素の一般化が遅れたからと言えます。



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