乳歯の時期の歯並びがガタガタということは殆ど無く、受け口とか指しゃぶりなどによる出っ歯などの、噛み合わせの問題や相談が大多数です。
ところが小学校に入る頃になって、永久歯の前歯が生え変わる頃になると、下の前歯はデコボコ、上の前歯はハの字に開いていたり捻れたりして生えてくることが少なくありません。前歯で目立ちますので、保護者の方からも「この時期に矯正をしたほうがいいのでしょうか?」というような相談が増えます。
昨日早期治療の話を書きましたが、矯正歯科医に限らず早期治療のアプローチは増えているようで、最近は、ちょっと治療は早すぎない?と思われる話も聞きます。特に上の前歯の生え始めの時期はUgly Duckling Stage (みにくいアヒルの子の時期)という歯科業界用語にもあるように、最初はハの字で捻れていても、次第に良くなっていくことが期待されます。このような状態は、確かにすぐ矯正治療をすれば良くはなりますが、せずともかなりのところまで改善が期待できますので、治療の要否の判断はそれからでも遅くありません。
治療をする歯科医側としてみれば、しなかったらどこまで改善するか経験していないということもあるかも知れません。
むし歯や歯周病についても同じで、定期的な健診で患者さんの時間軸が見えてきますので、問題改善の過程や限界が見えてきます。これは、変化の大きい小児では特に強い味方だと思います。
この8歳の患者さんは、上の前歯間のスペースの件で当院でのセカンドオピニオン希望でした(実際には4件目)。
まず経過観察でOKですが、この時期での治療を奨める歯科もあるようです。