福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

乳幼児のむし歯率

2007-09-29 | むし歯予防の話

「う蝕有病者率」という言葉があります。むし歯が1本以上ある人の割合を示す用語です。小児歯科分野に関連するところでは、1歳6か月健診と3歳児健診はほとんどの子ども達が受けますので、もっとも集団が大きい統計ということになります。
1歳6か月健診ではむし歯がある子どもの割合は数%(5%未満)、これが3歳児健診では25%近く、すなわち4人に1人はむし歯が出来ているということになります。ひと世代前は60%以上でしたから、低年齢でのむし歯減少は明らかです。
とは言え、1歳6か月から3歳のわずか1年半の間にかなりむし歯が増えることも事実です。何がそうさせるのか? まずは、まさにこの時期は虫歯菌が感染増加する時期であること、卒乳後、食のレパートリーが増えて食生活が豊かになるのは良いのですが、甘いおやつも覚えてしまう時期でもあります。甘いおやつの摂り過ぎは。感染した虫歯菌を一気に増やして虫歯菌の多い子どもになってしまいます。
3歳近くまで甘味食品の制限は可能でしょうか? 我が家の場合、親が甘いものをほとんど摂らないので(酒飲みということです)、努力せず可能でした。これはむしろ特殊で、家庭環境として親兄弟も甘いものが好きな場合は多々あるわけで、言葉で言うのは簡単だけれども現実的には難しい場合も多いのでは。
そこでヘルプしてくれるのがフッ素の応用です。歯科医院で定期的に塗ってもらうのに加え、家庭用のフッ素ジェル、スプレーや泡状フッ素を使用することでかなりのむし歯予防効果が期待できます。
歯周病予防はやはり基本はプラークコントロールということになりますのである種努力の継続が必要ですが、むし歯予防はフッ素という強い味方がありますので考えようによっては楽です。


これは東京都の3歳児健診の経年的データです。むし歯を持っている子どもの割合は減少してきていますが、なぜでしょう? その謎の答えはいずれ。

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歯並び相談

2007-09-28 | 歯並び、矯正の話
当院は、名称が子ども歯科ということと小児歯科&矯正歯科をメインに診療していることもあって、多分○△矯正歯科という歯科よりも気軽に健診や相談に来院されるのではないでしょうか。
よくある歯並び相談に、下の前歯が永久歯に生え変わる時期に「乳歯が抜けずに永久歯と並んでいるので・・・」とか、「下の前歯がデコボコなんですが矯正したほうがいいですか?・・・」があります。
乳歯と永久歯が並ぶ現象は、下の前歯4本に関してはそれほど珍しくありません。出てくる前の永久歯は元々やや内側(後方)に位置していて、次第に外側(前方)に移動しながら出てきます。乳歯が前方にある場合でも、永久歯が押し出す力がありますので、そのうち乳歯は自然に抜けることがほとんどです。後方にあった永久歯は比較的すぐ前方に並んで来ます。
すんなり生え変わった場合でも、時期的に歯並びの発育が追いついていないので、多少のデコボコはあります。したがって、一部例外はありますが、永久歯と並んだ乳歯を抜かないと歯並びに影響が出るわけではありません。乳歯を抜きましょうという歯医者もまだ多いとは思いますが、抜かずに観察することで問題ないことが分かります。
続く下の前歯のデコボコ問題ですが、デコボコの程度にもよりますが、多少のデコボコは生え始めの時期ではむしろ平均的でしょう。以前のブログでも説明していると思いますが、この時期の歯並びの幅の拡大や永久歯の前方傾斜で数年かかって次第に改善していきます。これも、あまり早期に矯正治療をせずに経過を観ることで分かってきます。
必要でない時はできるだけ治療(介入)をしない。経過を観ておいて必要と判断した段階で、適時に治療を行う。むし歯も歯並びもこの方針が無理が無いと思います。
これが実践できるのためには定期健診システムが不可欠で強い味方なんです。
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沖縄旅行

2007-09-25 | できごと
この3連休、家族で沖縄旅行に行って来ました。
やはり海洋性気候というのか、からっとした暑さで、爽やかに過ごせました。
典型的ですが、家族旅行ですのでレンタカーを借りて水族館、シュノーケリング、シーカヤック、ビーチ遊びなど楽しみました。
前回行った時にも感じたことですが、私たちのような観光客に対して営業用の親切さというのはあるのでしょうが、それをはるかに超えた親切さや優しさを出会う人話す人すべてに感じました。皆が沖縄出身ではないはずですが、沖縄の文化、歴史、風土のせいなのかな~? 福岡に帰って来て、あらためて思うことでした。


美ら海水族館の大水槽。ここには写っていませんが、噂のブルーマンタがいましたね。


西海岸、ムーンビーチに咲く花。
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院内ミーティング

2007-09-21 | できごと

当院は小ぢんまりした歯科医院ですが、毎日診療の始まる前、診療終了後に簡単なミーティングをしています。朝礼&終礼というところでしょうか。伝達事項はもちろんですが、来院予定の患者さんの内容チェックや来院された患者さんの今後の予定などを中心に、注意事項、反省事項なども含めています。
それに加えて、もう少し時間をとって検討したり勉強したりする時間ということで、時々院内ミーティングを行ってきました。なかなか定期的に定着しないので、これは院長がのんびりしていて実行力がないというのが大きな原因ですので、何とか習慣化したいと思っているところです。
9月~11月は歯科衛生専門学校の学生さんが2名ずつ3グループ臨床実習に来ていますので、一緒にこのミーティングをやったら面白いのではないかと考えています。
昨日は、最近むし歯および歯周病予防のための歯のクリーニングとして定着しつつあるPMTCについてと、フッ素の使用法と効果について皆で考えてみました。当院でのシステムは一応完成していますが、内容的にも知識的にもこれですべてOKというのではなく、新しい知見に応じてこちらも進化していかねばねりません。
学生といっても専門学校は最近2年制から3年制になり、来年の春はプロになっている人たちですから、私たちと同じ臨床レベルで話していってもいいかと思っています。

これがPMTC。クリーニングによって虫歯菌、歯周病菌が増える土台のバイオフィルムが除かれ、一定期間ではありますがリスク減少します。これを定期的に行うとリスクが低い状態を維持できるというわけ。歯科衛生士の仕事です。

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部活むし歯

2007-09-20 | むし歯予防の話

「部活むし歯」という言葉があります。中学高校生あたりのティーンエイジャーが多分最も永久歯虫歯ができやすい時期ですが、この時期部活に頑張っている場合が多く、水分補給ということでスポーツドリンクなどの飲料水を頻繁にかつ大量に摂取することが虫歯発生の原因と考えられるからです。
発汗することで唾液が減少し、このような飲み物を洗い流す作用も低下していることもマイナス要因です。
虫歯発生の主たる原因は、歯に貼り付いた歯垢中のミュータンス菌がドリンクの糖分から酸をつくって歯を溶かすというメカニズムです。加えて、どれくらいの影響力かまだ明らかにされていませんが、pHが低いいわゆる酸性の飲み物が直接歯に作用して歯を溶かす「酸蝕症」と呼ばれる虫歯発生が考えられます。ミュータンス菌によるものと比べパワーは小さいでしょうが、頻繁に摂ることで歯が溶ける原因になるものと思われます。酸性飲み物の代表選手はコーラなどの炭酸飲料やスポーツドリンクです。
お茶や缶コーヒーは中性に近いpHです。成人の「缶コーヒーむし歯」などという言葉もありますので、虫歯原因はpHというよりも糖分であるというのは間違いないので誤解しないように。
「部活むし歯」の一例の写真をみると、どう見ても歯垢べったりで、部活で忙しく歯磨きもおろそかということが想像されます。
私の意見としては、水分補給は必要でしょうからスポーツドリンク+お茶+水で補給し全体の糖分が多くなりすぎないようにして欲しいということです。それと歯磨き+定期的な健診とフッ素塗布が同様に重要です。


pH5.4以下がエナメル質が溶ける酸性度です。炭酸系はノンシュガーであってもpHは低いですね。通常量ではむし歯発生には至りませんが、過度に頻繁ではむし歯発生のきっかけとなるかも。
私が個人的に知りたいのは、ビール、日本酒、焼酎のpHです。「酒飲みむし歯」というのは無いように思いますので。

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ホームページ

2007-09-19 | できごと

最近、当院のホームページを見て来院される初診患者さんが多いように思います。携帯やパソコンでのインターネット利用が加速度的に増しているのでしょうね。当院でも光ファイバーと無線LANの環境を整え、BGMもi-Tunes のインターネットラジオを流していることもあります。
ホームページは私の手づくりで素朴なものではありますが、折角つくったからにはアクセスがないと意味がありません。知り合いのNさんからSEO対策なる言葉を教わって、自分なりにやってみたところ、歯科業界は相対的にはネットでの競争が激しくないせいか、特にyahoo やMSNでは上位に上がりました。
その後、最新お知らせのリニューアルやブログ更新は頻繁にやって来ましたが、特にSEO対策せず過ごして来ましたので、久しぶりに考えてみようと思って、本を買ってみました。


まだ内容は読んでいないのですが、その前に久しぶりにいくつかのキーワードで検索してみると、今まで上位にあがらなかったGoogle でなぜか、当院のホームページがかなり上位に上がって来ています。最もありそうな検索ワードの組み合わせで1位に出てきたりして、「何じゃこりゃ」と驚きです。
Googleの検索ロジックが変わったのでしょうか? その謎を解くためにも、本を読んでみたいと思います。

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タワーレコード

2007-09-17 | できごと
最近CDはamazon で購入することが多く、そういえばよく輸入盤を買っていたTower Recordはどこに移動したんだっけ? と思っていたら西鉄福岡駅ビルにありました。随分前に移転していたはずです。
MAROON 5 とDiego Torres かな?と思って行ったら、意外とDiego Torresはありませんでした。MAROON 5 は前作が良すぎたせいか特に何てことなし。Latin とかWorld Music のコーナーをチェックしていたところ、格安のボサノバ5枚組CDがありました。同じ輸入盤でもmade in Italy 。最近Antonio Carlos Jobim が気になっていたので、このCDはビンゴ! でした。
今日は雨模様の中、子どもたちのサッカーの試合があって、応援というか手伝いに行きました。






すべて雨のなか・・・
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JICA歯学教育コースが終了

2007-09-15 | 国際交流
JICA歯学教育コースというのは国際協力機構と九州大学歯学部が共同で行っている、開発途上国歯科医の教育プログラムです。
今年は9名の歯科医が来日し、4月終わりから約5か月間、九州大学歯学部をベースとしてこのコースで研修しました。私も講師のひとりであり6月に講義を担当しました、またこのコースに積極的に関わっている九州大学歯学部同窓会の役員でもありますので、コース終了のセレモニーに出席しました。
最近いつも歓迎会・送別会の乾杯の音頭を依頼されており、今回もそうでした。例年この送別会には福岡市歯科医師会からも出席され、参加者への記念品を渡しているのですが、今年はこの記念品を渡すように依頼されました(私も一応歯科医師会会員ですので)。
プレゼントは博多祇園山笠が描かれた扇で、「末広がり」を意味するのでそのことを説明してくださいと頼まれました。Hopeful future とでも言うのでしょうか? 単に Good Luckでもいいかも。
私自身は、かつてこのコースのマネージャーのような仕事をしていましたので、参加者の日々のお世話をしているJICAの研修監理員の方から、「今年は、大きな問題もなくこの5か月無事に終えることができました」という話を聞いて、なぜかほっとしている自分に気づきました。


皆さん扇が気に入ったようで、ハッピーフェイス(ジャパニーズイングリッシュ?)でした。
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電動歯ブラシの時代

2007-09-14 | 歯みがきのこと
福岡市歯科医師会が行政とのコラボで妊婦健診をキャンペーンしていることもあって、小児歯科・矯正歯科が中心の当院にも、わりと成人女性が受診されます。小児患者の保護者の方の場合もあって、年齢的には30歳代が中心です。
虫歯チェック、歯周病チェックをしての印象ですが、奥歯の金属の詰め物が多いこと、いわゆる歯磨きは良いのですが、肝心の歯間の歯ぐきが腫れている患者さんが多いことです。歯磨きが良いというのは、どうも毛が硬めの歯ブラシで大きいストロークでガシガシ磨いているのではないかと思われる場合が多いようです。
歯は綺麗なのですが、生え際の歯ぐきがダメージで落ちてしまい、根が露出して来るために知覚過敏が起こってきます。そのわりには歯間の歯垢が残っており歯ぐきが腫れている(歯周ポケットが深い)検査結果が出てしまいます。
このような場合、通常の歯みがきは「軟毛の歯ブラシで小刻みに」との指導はしますが、歯間の歯磨きについても1歯用歯ブラシ、デンタルフロス、歯間ブラシなどの使用法を提案しています。実際的には、すべての人がこのようなある種めんどうな時間がかかるセルフケアを行えるわけではないと思うので、最近本当に市民権を得た感のある電動歯ブラシの登場です。
大まかに回転型と音波型に大別できますが、私の意見としてはむし歯予防やステインの除去には回転型、歯周病予防には音波型ではないかと思います。短時間で適切な口腔ケアが出来るのは確かですが、歯科医院で適切な指導を受けてから使用されることをお奨めします。
詳しい話は続きで。



患者さん向けの待合室雑誌にも電動歯ブラシ特集がされていますが、歯科業界人は皆さんまじめに時間をかけて自分のケアをするせいか、電動歯ブラシについてはいまいち積極的ではないのが現状のように思います。
遅れないように、皆さん自ら体験お願いします。
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秋の気配

2007-09-12 | できごと
昨日、子ども会育成会の会議から午後10時過ぎに帰ると、キッチンのカウンターにコスモスが。
「うわー、コスモスや。秋やね~。どうしたと?」と尋ねると、家内の知り合いからブドウが送ってきて、その箱の中に入っていたとのこと。
しおれそうなので、今朝朝日のなかでワンショット。職場で時間を見つけてアップするつもりがすっかり忘れていました。遅くなりましたが秋の気配その1です。

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