福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

歯の健康ノートにリニューアル

2024-04-08 | むし歯予防の話

当院は定期健診で、予防ベースで来院される患者さんがほとんどです。
地域差もあると思いますが、虫歯治療で初診の患者さんは少なく、治療後は予防で定期健診に来院されることも多いですね。
保険診療でも、来院ごとに、お口の状況や指導内容を記録した用紙を発行するようになっています。
ところが内容的に小児向けではないのと、その都度発行では、患者さんがどの程度保存して参考にしているかは疑問です。
当院では定期健診がスタートしたら、ノートをお渡しして、健診ごとにお口の記録と処置指導内容を歯科衛生士が記載しています。




開院当初は適切なものがなく、当院オリジナルコンテンツで、ハガキホルダーを使ってました。
その後、GC社のお口の連絡手帳を使用していましたが、最近製造終了になったようです。
そこで色々探し、これだ、という歯の健康ノート小児版に変更しました。
普段見返すことはないかもしれませんが、来院ごとに持参いただけると記載します。
生えかわりや指導内容の歴史が分かって保存性もあるので、これからもこのシステムは継続していきます。



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歯磨き剤、歯磨きジェルのフッ素濃度と使用量

2024-04-02 | むし歯予防の話

虫歯予防に最も効果的なのは、フッ化物の適切な使用なので、毎日の歯磨き剤や歯磨きジェルをどう使うかは重要です。
年齢に応じたフッ素濃度や使用量は、少し前に4学会合同でガイドラインが出されています。
日本は、諸外国と比べて歯磨き剤のフッ素濃度については、厳しめというか慎重でしたが、最近並んできました。
上限のフッ素濃度が1500ppmに引き上げられ、1450ppmの高濃度フッ素製品が登場しました。




フッ素の有効性は500ppm以上なので、それ未満は有効性は期待できません。
ガイドラインでは就学前では1000、それ以上の年齢では1500ppmで、以前より高濃度に設定されています。
使用量は、年齢が上がるほど多くなってます。
この図の歯ブラシ長さは2cmで大人用の大きさなので、実際子どもでは小さめの歯ブラシになります。
低年齢で500ppm使用の場合は、倍量でOKと言うことになります。



上は当院指導用の歯ブラシで、小さい方が毛束の長さ1.5cmで就学前+小学校低学年、大きい方がそれ以上で2cmです。
ジェルは1000ppmですが、出口が小さいので同じ長さでも量は少なめになります。
使用量は厳密ではないので、3歳未満では小さい歯ブラシの半分弱、それ以上では毛束の長さ。
大きい歯ブラシを使う年齢では、もちろん毛束の長さ程が使用量として適切です。
できれば1500ppmですが、現在は市販歯科医院専売に関わらずミント味しかないので、味が不得意な人はブドウ味など1000ppmを多めに使うと良いでしょう。



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フッ素うがいは効果的ですが

2024-03-30 | むし歯予防の話

福岡市と歯科医師会のコラボで、保育園幼稚園児対象のフッ素うがいプロジェクトが、近未来に実施されるそうです。
啓発の一環としてリーフレットが作成され配布予定とのこと。
具体的方策がまだ示されていませんが、対象児が小さいので、園児集団をしっかり管理するのが重要と感じます。
フッ素うがいは虫歯予防に最も効果的方法の一つなので、スムーズに実施されれば何よりです。
九州他県では小学生のフッ素うがい実施率がかなり高く結果も出ていますので、永久歯虫歯予防をターゲットに小学生以上で行われるのが理想的です。



小学生以上では、学校でのスケジュールがタイトなので実施しにくいとも言われますが、他県では実施率が高いわけです。
他県のノウハウを入手して、このプロジェクトの次は小学生以上に広がって行って欲しいものです。
フッ素うがいは、もちろん家庭でもできますが、集団で行うと毎日継続できると言うメリットがあるのは明らかです。


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オススメの歯磨きジェル

2024-03-12 | むし歯予防の話

フッ素入り歯磨き使用は、虫歯予防に最も有効な日常の手段です。
小学生以上では1450ppm濃度のフッ素入り歯磨き剤、または歯磨きジェルがオススメです。
歯肉炎、歯周病予防ではなかなか決定的な成分はありませんが、日本で許可されている成分では、CPC(塩化セチルピリジニウム)か塩酸クロルヘキシジンが比較的有効です。


院内掲示用のポスターです。
こちらのジェルコートFは歯科専売ですが、最近フッ素濃度が1000→1450ppmにアップしました。
CPCの方が歯周病菌減少には効果的ですが、塩酸クロルヘキシジン配合で歯肉への効果ありです。
ジェルタイプで発泡性はありませんので、使用後のうがいを控えることで有効成分を最大限残すことができます。
味がドライなので、中学生以降くらいでしたらOKかと思います。



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なぜ?が分かる予防歯科の良書

2024-03-06 | むし歯予防の話

最新刊の予防歯科分野の専門書です。
著者は中嶋省志先生で、以前小田原のライオン・オーラルケア研究所に勤務されていました。
その頃九州大学歯学部の連携講座で、臨床教授を務められました。
私はJICA歯学コースのサブリーダーを任されていて、途上国歯科医師を引率して、数回小田原を訪れて見学したり講義を受けました。



TVのコマーシャルなどで歯磨き剤や歯ブラシに関わらず、その効果をアピールするものは多々ありますね。
本当に研究して、その結果を製品に生かしているの?と疑問に思うこともあります。中には怪しいものもありますのでね。
中嶋先生は、特に虫歯予防学がご専門ですが、ライオンはその分野に関しては大学の研究機関レベルです。
その、キーパーソンが中嶋先生ですね。
私もカリオロジー(虫歯学)は勉強して、臨床で実践しているつもりですが、微妙にシンプルな質問に答えられないこともあります。
この著書は主としてQ&A形式で、多分100項目以上あります。
企業の研究者らしく、分かりそうで分からない質問に対して、エビデンスに基づいた明快な説明がされています。
読んでスッキリの良書です。スタッフと共有することで、また当院の予防歯科レベルが上がります。



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歯磨剤、歯磨きジェルの正しい使い方

2024-02-07 | むし歯予防の話

最近の歯磨剤は、基本的にフッ素含有です。
虫歯予防には、フッ化物の適切な使用がナンバーワンなのは、21世紀の常識です。
一番効果的な使用法は、水道水に微量なフッ化物を入れるFluoridation 、そしてフッ素洗口です。
日常の歯磨剤も、正しく使用すれば準じた虫歯予防効果があります。



フッ素濃度も重要で、小学生以上では写真のような1450ppm、就学前では1000ppmほどの製品を使うのがポイントです。
真ん中が、通常の歯磨剤、両端はフッ素ジェルで発泡性研磨性はありません。
真ん中と左は市販品です。
歯磨した後に、唾液を吐きだすのみ、または少量の水で1回のみのうがいが適切です。
うがいするときは、歯磨き剤中のフッ素が行きわたるように、長めにうがいするのが良いでしょう(イエテボリ法)。
因みに、歯磨き剤およびジェルの量は、あまり少なめではフッ素の効果が下がります。
そして歯磨き後は、30分前後はお茶なども含め、飲食を控えましょう。
毎日のこのような習慣で、虫歯リスクは随分下がります。



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当院におけるシーラントの使い分け

2024-02-02 | むし歯予防の話

奥歯の溝部分などの虫歯予防には、溝部分を削らずに埋めるシーラントがかなり有効です。
大多数の歯科医にとっては、シーラントと言えば白いレジンシーラントと認識していると思います。
当院では、ある種のこだわりもあって、4種類のシーラントを使い分けています。



まずは最も一般的な白いタイプのレジンシーラント。これが歴史的にもスタンダードではあります。
フッ素が若干出るタイプですが、レジンなので持続性や量は少ないですね。
シリンジから出した段階では薄いピンク色ですが、固まると白く色が変わって、分かりやすいよう工夫されています。



こちらは一般的ではありませんが、透明タイプのレジンシーラント。
上の側切歯の裏側など、患者さんによっては深いくぼみがあって、虫歯リスクが高い場合があります。
前歯なので、裏側と言っても審美的考慮で透明タイプを使用しています。



こちらは当院で一番使用しているグラスアイオノマーシーラント。
操作簡単で材料から半永久的に微量なフッ素が出ますので、出て間もない歯で、虫歯リスクの高い時期に適しています。
低年齢児にも負担が小さいので適していますね。



これもグラスアイオノマーですが流れが良好なタイプなので、部分的に溝が深い部分に、浸透性を考慮して使っています。
歯は出てから3年ほどは歯質が未成熟で、虫歯リスクが高い時期です。
言い換えると、原則この期間にシーラント適応で予防できます。
またその後は、全体的に虫歯リスクが高いとか、溝が深くて形態的に虫歯リスクが高い場合には期間を延長します。
当院の基本ポリシーとして、出始めから数年間はグラスアイオノマー、それ以降必要と思われる場合は、レジンシーラント適用としています。
また、第2乳臼歯、第1第2大臼歯は基本的におススメしており、第1乳臼歯と小臼歯、上の側切歯はオプション的に行っています。
ちょっとこだわり過ぎとも思いつつ、使い分けしています。



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ノンシュガーチョコレート

2024-01-14 | むし歯予防の話

甘いものはほとんど飲食しないので、いわゆるおやつ類には詳しくないのですが、ロッテのノンシュガーチョコレートを発見。



甘味成分は人工糖のみです。



炭水化物は含まれていてノンカロリーではありませんので、虫歯原因がゼロというわけではありませんが、ほぼ虫歯の原因にはならないでしょう。
ちなみに、チョコレート主成分のカカオは若干の虫歯予防効果があります。
味は人工糖特有のさっぱり系甘さです。多しっかり甘いのが好きな人には物足りないかも。
通常のチョコレートでもちょこちょこ食べ、だらだら食べを控え、日々の適切なフッ化物使用を行えば大丈夫ではあります。
これは他の甘い飲食物でも同様です。



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いわゆる洗口液の予防効果

2023-11-20 | むし歯予防の話

アース製薬のモンダミンは結構前からある洗口液ですが、最近色んな研究データを出して来て、エビデンスが重要な時代に対応する姿勢がうかがえます。



よくサンプルが送ってきて、一緒に研究データも同封されています。
右のリセットコートプロは最近発売の製品です。
いずれもCPC(塩化セチルピリジニウム)が主成分で、日本では長年使用され、歯肉炎レベルではうがいで若干効果があることが分かっています。
今回同封のデータでは、インフルエンザウイルスの不活化や、プラーク中の酸性度を中和できるという効果も示されています。
コロナパンデミックで、歯科治療の前にイソジンやリステリンでうがいすることが奨められました。
インフルに対する効果も同様で、自身の感染予防ではなく周囲に感染させない効果です。
歯垢の中和効果では、水やフッ素洗口液と比較しています。
リセットコートプロはなかなか優秀な成績ですが、中和はしても再石灰化効果はありません。
個人的見解としては、CPCはちょっと中途半端な立ち位置と感じます。
歯周病予防だったらクロルヘキシジン(製品としてはコンクール)、虫歯予防だったらフッ素(フッ素入り歯磨きやフッ素洗口)がクリアです。



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歯磨きが先か?フロスが先か?

2023-11-08 | むし歯予防の話

虫歯発生部位は、年齢に関わらず歯間が多く、歯磨きだけでは予防が難しいのが現実です。
当院でも、歯ブラシとフロスはペアと考えて下さい、と指導しています。
実際には、フロスの習慣化はなかなか難しく、悩ましいところではあります。
フロスを行う場合、歯ブラシの前が良いのか?後が良いのか? どちらでしょう?
全体的な歯垢除去効果という面では、フロスが先ということが実証されています。
歯周病対策では、歯垢除去がポイントなので、その順番でOKです。
ところが、虫歯予防の需要なKEYはフッ化物です。
日々使用しているフッ素入り歯磨きやフッ素ジェルを、有効に使用できることがポイントです。
そう考えると、歯垢除去効果よりも、歯磨き剤使用後うがいをしない段階で、フロスをして歯間にもフッ素を行き届かせることです。



私自身の毎日使用のソニッケアと、ダイソーのワックス付きフロス。
奥歯間に初期虫歯があって、定期的に予防管理中の患者さん(成人になったばかり)と、いかにフロスを定着させるか、昨日色々話しました。
患者さん自身に考えてもらったんですが、フロスを先にやると良いかもと提案してくれました。
面白いことに、私たちスタッフ皆がフロスをしているので、歯科衛生士になったらいいかも、とかも言ってました。
虫歯予防だとフロスは後がいいんでしょうが、ライフサイクルを考えてフロス定着を目指すなら、それで充分OKと感じました。
これでフロスが定着すれば簡単ですが、患者さん自身が真面目に考えてくれていて、引き続きサポートをしたいと思いました。
ある種嬉しい反応でした。



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