「パタカラ」というお口の周囲の筋肉をトレーニングする装置をご存知ですか?
大人の世界では、この装置を使うことで顔が引き締まる効果が見られるため、若返り効果をねらった美容器具のようにも捉えられています。
元々は歯医者さんが開発したもので、鼻が悪くないのに習慣的に口呼吸をして唇が緩んでいたり、舌の位置が良くなくて舌たらずの発音になっている人(舌突出癖)を良いバランスに変えるための、ある種のトレーニング器具です。
歯並び噛み合わせに問題がある人で、このようなバランスが崩れている場合がありますので、歯科矯正治療の場面で、いわゆる矯正装置に加えて、筋機能療法という形で行うことがあります。
筋機能療法というのは唇や舌のバランスを改善することで、歯並び噛み合わせが改善したり、矯正治療後の安定を図るために行います。結果的にしゃべり方も良くなっていくことは期待されますが、歯科医は言語聴覚士ほどは言葉の訓練に関しては専門家ではありません。
先日、知り合いの先生からの紹介で、発音が良くなくて小児科で言葉の訓練を受けているけれども、かみ合わせに問題はないだろうかという相談で6歳の患者さんが来院しました。来院した患者さんは、下唇の緊張が弱く習慣的に口を開けており、それに伴ったような形で、舌の緊張も緩く、下前方に位置している様子でした。
かみ合わせは現時点ではほとんど問題ありませんでしたが、このままのバランスだと永久歯が出てくる時期に反対のかみ合わせになるタイプかな~と予感しました。
私自身、矯正治療の中で筋機能療法をしたことはあるのですが、当面形態的には問題ないのでどうしようかな~と考えた後、この患者さんの問題点である唇と舌の両方にアプローチできる「パタカラ」を使用してもらうことにしました。
動きや機能が改善することで、発音の訓練も進みやすくなるのではないかという考えです。言語聴覚士の方とコラボしていければいいな、と思っています。
今日はちょっとマニアックな業界ネタでした。
パタカラには複数の種類がありますが、これはヒットスポット・パタカラといって唇の緊張状態と舌の位置の改善をねらったものです。
1回3分、1日4回を最低数か月、いかに持続させるかが、ポイントです。
ふたつき子ども歯科
http://www3.coara.or.jp/~futam/ http://www.futatsuki-dental.com/