福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

歯科医院のBGM

2006-11-30 | できごと
歯科医院に行くとBGMがかかっているところが多いですよね。逆に通常の医院では意外とあまりありませんね。九州大学病院でも歯科部門では有線が入っていて、最初に導入したのが小児歯科の診療室でした。Audio Analgesia といって、何気なく流れている音楽がリラックス効果があるということで、医科と比べると緊張する治療時間が長い歯科では効果的だと思います。ちなみに、私の知っている整形外科医は、全身麻酔の手術室でクラシック音楽を流しています。
当院も開院する時にBGM導入は当然考えたのですが、パソコン、インターネット時代ですので、iTunes にMP3の音楽データを入れたり、インターネットラジオを利用しようと計画しました。当院はいわゆる子ども向け音楽を流しているわけではなく、インターネットラジオではsmooth jazz 、soft jazz 、soft pop などのチャンネルを流しています。何気ない曲というわけで。MP3データは自前のCDをダウンロードしています。先日スタッフがJapan Pop チャンネルを選択していたところ、なぜか五木ひろしがオンエアされ、突然居酒屋モードになりました。BGMの影響は大きいですね~。
当院のMP3ミュージックアルバムに入っている98 degrees を最初に聴いたのは1999年にモンゴル、ウランバートルのホテルでMTVを見ていた時でした。早速、日本に帰って購入しました。Backstreet Boysに代表されるようなボーイズバンド(日本ではSMAPですかね)というよりもBOYZ II MEN の白人バージョンとか言われていましたが、数枚のアルバムのみで解散してしまいました。その後暫くして、何だか98 degrees と似たようなバラードを歌う人だな~と思っていたNick Lachey が98 degreesのリードボーカルだったことを知りました。こちらも購入。Soul OというアルバムのThis I Swear、わざとらしいバラードと分かっていても心地よいものです。そういえば*N Sync(こちらはV6か?) が歌っている似たようなタイトルThis I promise you というのもなかなかのバラード。このメンバーのJustin Timberlake もソロで活躍していますね。

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上の前歯の歯ならび、かみ合わせ

2006-11-28 | 歯並び、矯正の話

以前のブログにも書いていたと思いますが、子ども達が小学校に入って上下の前歯が永久歯に生え変わる頃、歯ならびやかみ合わせがどうも気になるという相談をよく受けます。この時期は乳歯と比べて大きい永久歯が出てきて、それを追うように成長発育や生え変わり時期の自然の調整があって永久歯の歯並びかみ合わせが完成していきますので、出始めは多少かっこ悪い状態がむしろ普通です。


この患者さんの場合、上の2番目の前歯がややハの字であったりデコボコは時期的なものですが、前歯が出っ張っているため、歯並び相談で来院されました。
パッと見た目に同じように上の前歯が出っ張っている場合でも、奥歯のかみ合わせからズレていて上の歯並び全体が前方、下が後方に位置している本物の出っ歯と、この患者さんのように、かみ合わせはOKでも、歯のサイズが大きくて内側に並ばないので、外に出っ張ってしまっている場合とあります。歯並びガタガタと表現形が違うだけで原因は同じです。
顎のズレがある場合、比較的早めにアプローチするのが望ましいのですが、この例のような場合は、3,4,5番目の乳歯が生え変わった時点で再評価して治療開始するのが通常です。歯が大きい場合、乳歯から永久歯への交換がうまく行かない場合がありますので、治療開始までの期間は、生え変わりの経過を見ながら、うまく生え変わるように助けるというのが,、まず小児歯科医としての仕事だと思います。


前歯は出っ張っていますが、奥歯のかみ合わせは悪くありません。

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小児歯科学会 鹿児島にて

2006-11-27 | できごと

日曜日は鹿児島にて日本小児歯科学会の九州地区の学会があったので出席しました。小児歯科の学会は春に全国大会、秋に各地域の学会がそれぞれ年1回開催されます。大学や各県の小児歯科開業医グループが主催するのですが、今回は鹿児島大学歯学部の小児歯科が主催でした。教授で大会会長の山崎先生は以前、九州大学小児歯科での同僚です。
小児歯科は専門性が高いためか、九州内の先生たちは結構お互いに知り合いで、私も数多くの懐かしい面々に会うことができました。お互いに近況報告など情報交換ができる機会でもあります。
学会の内容的には、虫歯予防とリスク分析、小児歯科でのレーザーの応用、反対咬合(うけ口)の早期治療に有効なムーシールドについてなど小児矯正歯科関係、障害児歯科関係と多岐にわたっており、今後の臨床の参考になるものが多かったように思います。
九州新幹線で福岡~鹿児島を往復したのですが、帰りに鹿児島中央駅の大きなクリスマスツリーのイルミネーションが綺麗に輝いていました。気温が高い日で20度くらいはあったかもしれません。南国もクリスマスシーズンで賑わっていました。

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フッ素のむし歯予防効果

2006-11-24 | むし歯予防の話

現在、歯科衛生士専門学校の2名の学生さんが実習に来ていますので、私のパートとして特に予防歯科の分野について簡単な講義をしています。
当院のモットーのひとつとしても挙げていますが、予防歯科に重点を置いていますので、むし歯予防でのフッ素の使用は不可欠ですし、その効果や使い方に関する私達の知識も当然必要です。
学生さんがまだ知らないのは当然なのですが、実は同業者でもあまり小児を診ていない歯科医や歯科衛生士は、小児の患者さんにフッ素塗布はしていても意外とその効果の程は知らないと思うことがあります。
フッ素の使用による予防効果は、使用しなかった場合とむし歯の増え方を比較して%で表します。例えば使用しなくて2本むし歯が出来たのに対して、使用して1本むし歯ができたら半分しか増えていないので50%という具合です。フッ素のむし歯予防効果については今まで様々な臨床的調査がされていますが、平均するとフッ素入り歯ミガキの使用は25~30%、フッ素入り水溶液で毎日うがいするフッ素洗口法は50%、アメリカのように非常に薄いフッ素を水道水に入れる水道水フッ素化でも50%、歯科医で年3回~4回くらい塗る高濃度のフッ素は、35%~40%ほどです。これらの効果は複数行った場合、単純なる%の加算というふうにうまい具合にはなりません。
フッ素洗口は日本でも可能で歯科医院で処方できますし、幼稚園や小学校で集団で行っているところもあります。効果はあるのですが、家庭での場合長続きしないことが多いですね。歯科医院でのフッ素効果はベストではないのですが、少ない回数の割には効果的ですから、基本的にはいちばん当てになるでしょう。
もうひとつ、フッ素入り歯ミガキと同等のフッ素濃度なのですが、家庭用フッ素ジェルは歯ブラシで塗った後しばらくうがいをしないようにしますので、結構効果が期待できると思います。上記の写真は当院のHPの予防歯科のページ( http://www3.coara.or.jp/~futam/sub6.html )をご覧下さい。

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子育てコーチング

2006-11-23 | 子どもとの付合い

先日自分の部屋を整理していましたら、「実践 親子会話術」という「子育てコーチング」と題した本が出てきました。思い返すに、1年ほど前に購入してそのまま読まずに置いてあったものでした。
「コーチング」という言葉は最近はよく聞きますよね。私の立場で考えると、問題解決する力は子ども自身、患者さん自身、スタッフ自身、そしてセルフコーチングと考えれば、自分自身にあるということです。
ちなみにこの本の内容は、日常、家庭での親子間にありそうな問題について、ありがちな会話とコーチングを生かした会話を対比して挙げてあります。ありがちな会話というのが本当に我が家でもそっくりのやりとりがありますので、いずこでも同じなのかなと苦笑してしまいました。
コーチング会話というのは、実際的には事例のようにうまくはいかないのでしょうが、この本の表紙にも「親が変われば子どもも変わる」と書いてあるように、自分が変わらずして相手を変えようとするのは結局命令形になりがちですので、相手が自力で良い方向に変わるのは難しいでしょうね。
内容を読んでみて、子どもに対しては「ああしなさい。こうしなさい。」というよりも「○○してくれて嬉しかったよ。」とか気持ちを伝えたらいいよと言われますが、まさにコーチングも同じことなんだなと納得してしまいました。その方が親子間の会話も10倍進みます。
皆さんにも読んで欲しいと思い、当院の待合室に置いておきます。

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指しゃぶりが長引いた場合 その2

2006-11-22 | 歯並び、矯正の話

この患者さんは小学校高学年まで指しゃぶりが続いていて、最近やっと止めることができたそうです。指しゃぶりの歯に対する力の加わり方にもいくつかパターンがあるようです。この例では上の前歯は出っ張っていませんが、上の歯並びの幅が小さくなって(狭くなって)上下のバランスが悪くなった結果、下顎を(本人からみて)左にずらして噛む状態になっています。上下の真ん中が結構ずれた状態ですよね。
なぜ上の歯並びが狭くなるかというと、指をしゃぶる時に力が入る唇周囲の口輪筋の力によるものです。このようなかみ合わせの場合、かみ合わせの良い右側で噛むのかというと、ずれた側の左側で噛む癖(偏咀嚼といいます)がおこりやすいようです。
中学、高校と思春期発育の時期に顎の発育が進み出来上がっていきますので、そのまましておくと下顎の形も非対称になりますし、偏咀嚼を続けると、片側の顎関節に負担がかかりすぎて、将来的に関節部の痛みが出てくる「顎関節症」の可能性も危惧されます。
この患者さんはもう少しで乳歯から永久歯に全て生え変わりますので、それを待って早めに、上の歯並びの幅を拡大する矯正治療を始める予定です。一般的に言えることは、かみ合わせのズレはあまり長く放っておかない方が良いと言うことです。


当院で使用している上顎の拡大装置の1例です。奥のほうに2個のコイル状のスプリングがありますので、Bi-helix と呼ばれています。奥歯に矯正用バンドを取り付け、ワイヤーを歯の裏側に沿わせて内側から広げる力を加えるものです。通常数か月~半年でかみ合わせは改善されます。

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子どもの食をめぐる現状 その3

2006-11-18 | 食のこと
朝食をとらない子どもの割合が増えてきているとの報告はよく見聞きしますね。中村学園大学の今井先生の講演のなかでも、それが低年齢児まで及んでいるデータを示されました。夜更かし、朝寝坊の子どもも増えていて、食と睡眠のリズムが崩れて来ているわけです。核家族、夫婦共働き、母子家庭の増加など、社会情勢の変化が加速しているのと大いに関係があるかと思います。
朝ごはんや夕ごはんを家族一緒でなどという、育児教育書や行政関係機関が出しているパンフレットなどの文言は分かりますが、現実的には無理な部分がある場合も多々出てきているのではないでしょうか。特に夕食が一緒というのはかなり難しいですよね。
今井先生のご家族では、朝食は一緒に午前7時から、夕食はどうしても学校や仕事の時間に左右されるので、各々の生活リズムを重視して必ずしも一緒に食べてはいないそうです。皆が揃うのを待って食事して遅くなるほうが問題ではないかとのこと。ただし、家でひとりぼっちで食べる「孤食」は無いようにしているとのことでした。
「朝食だけでもと」いう問題には、親が朝食を摂らないとか、料理をしないという場合もあるでしょうね。私も一応趣味が料理なのですが、「男の手料理」などという休日に気合を入れてやるというものではなく、ごく日常で普通のものを作っているだけです。子どもに「今日は何が食べたい?」と訊いたり、子どもから「今日のごはんは何?」と尋ねられる会話、そして大したものでなくても「おいしい」といってバリバリ食べてくれると、親子のコミュニケーションもうまくいって嬉しいですよね。生活の中で、特に子どもに対しては、もっと「食」の優先度が上がって欲しいなと思います。
今、ニラが結構あるので、今日の夕食は「もつ鍋」かな~?
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子どもの食をめぐる現状 その2

2006-11-17 | 食のこと
中村学園大学栄養科学科助教授、今井先生の講演内容でもうひとつ面白いものがありました。それは、歴史的に過去の食事を再現して、一食を摂るのに必要な咀嚼回数と時間を調べた研究で、弥生時代では3,990回で51分、江戸時代初期では1,465回で22分、現在では学校給食の内容では620回で11分だったそうです。さらに今井先生ご自身のデータでは、学生の昼食のデータでは870回だったそうです。この違いは、やはり軟食化であろうということです。テレビのグルメ番組でも「柔らかくて、おいしい~。」というように、おいしい=柔らかい、というような繋がりがありますよね。
歯科的にこの軟食化というのが顎の発達に影響を与えるというような話もされます。ところが、さすがに弥生時代と比べると発達は悪いようですが、ここ数十年間の比較では差は出ていません。「軟食化は問題だ!」とは言われ、私も気にはなるのですが、実は本当は何が問題? ともう少し具体的な証拠を探したいものです。
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子どもの食をめぐる現状 その1

2006-11-16 | 食のこと

「福岡小児歯科集談会」という福岡県を中心とした小児歯科開業医のスタディグループがあります。私も今年入会しましたが、昨日この会の総会と講演会がありましたので出席しました。実は総会の議長を頼まれたこともあって出席したのですが、総会後に福岡市の中村学園大学栄養科学科の助教授でいらっしゃる今井先生の講演がありました。そのタイトルが「子どもの食をめぐる現状」。
昭和30年代はじめまでの日本型食生活から、次第に西洋化食生活が始まり現在に至るまで、食の内容や量の変化について、そしてその問題点についてお話をされました。
おもしろいというかなるほどと思ったのが、総摂取エネルギーのうち、蛋白質、脂質、炭水化物から摂るエネルギーの割合がどのようになっており、どれくらいが理想的かという分析でした。各国を比較してみると、西欧諸国はやはり脂質からが50%近くで、高コレステロール、肥満、心筋梗塞などが多いのも直結していますよね。
日本は以前は20%台前半から最近は30%近くになっており、中村学園の学生さんも年齢のわりには高コレステロール値を示す人が多くなっているとのことでした。でもまだ日本人が脂質を取り過ぎないのはご飯に救われているそうです。日本型食生活とは主食偏重型ともいわれ、昭和30年代はじめの典型的な食メニューは、主婦で毎食ごはん2杯と味噌汁、それに若干副食が付くというものだったそうですから、エネルギーは炭水化物から取りすぎていたかも知れません。いまどき、男性でも毎食ご飯2杯ずつという人は少ないですよね。
お話は明日以降に続く。
ちなみに「福岡小児歯科集談会」は「子どもの歯Q&A」というHPがありますので、子どもの歯のことで困ったことや疑問があったり、ご近所の本当の小児歯科医を探す時には、http://www.geocities.jp/kodomonoha/  へアクセスしてみて下さい。


これは「こどもの歯Q&A」のブックレット版です。

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指しゃぶりが長引いた場合

2006-11-14 | 歯並び、矯正の話

以前のブログにも、指しゃぶりやおしゃぶりのかみ合わせに対する影響などについて書いていますが、生理的だと考えられる乳幼児期は、たとえかみ合わせに多少影響が出ていても癖がストップすることで元に戻っていきますので、理屈も分からない時期から止めさせようとする必要はないと考えます。
ただし、前歯が永久歯に生え変わる6~8歳位まで続いていると癖自体も頑固になって来ますし、前歯部分がかみ合っていないことで舌が前に出やすくなって、発音(サ行、タ行、ラ行など)にも影響が出てきます。また、食べ方についてもそれなりに適応はしているものの、前歯でものをうまく噛み切れないという状況が出てきます。
私もちょっと知り合いなのですが、「指しゃぶりにはわけがある」の著者、東北大学の岩倉政城さんはかなり子どもの心理、特に母親との関係を述べており心理的にアドバイス、カウンセリングを行っています。なかなかここまで子どもの育ちを見通して自信をもってアドバイスできる歯科医はいないと思います。私の場合、本人が癖を止めたいというモードまで持っていき、それを助ける装置としてハビットブレーカーの使用を提案しています。飽くまでも強制的には行わないというポリシーで、装置を入れて1か月~数か月で癖がストップすることがほとんどです。癖がストップすれば押し込まれていた前歯が伸びてきますので、舌の出る癖の改善も結構期待できます。できれば母子関係の話に及んで、要因がありそうでしたらアドバイスするということも考えたいのですが、歯科診療室の場面では限界があるように思います。


小学生になっても指しゃぶりをしていると、上の前歯が出っ張ってきたり、このように前歯が伸びきらない開咬が発生してくることがあります。


当院で使用しているハビットブレーカーです。上の奥歯に矯正用バンドを付け、指が当たる場所にプラスチック系のフェンスを作っています。眠っている場合の癖もストップします。本人が止めたいモードになっているのを助ける装置と考えて下さい。フェンスによって舌が出る癖も改善が期待されます。

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