福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

歯間のむし歯は気づかない

2008-05-31 | 虫歯治療の話
乳歯でも永久歯でも、予防が難しいのは歯間のむし歯だと思います。
虫歯予防の基本はプラークコントロールと言いますが、通常の歯みがきでは歯間の歯垢の除去には限界がありますよね。特に奥歯間は歯と歯の接触面積が広いので、清掃できない部分が広いわけです。
乳歯は全部出揃うのが2歳半前後ですが、歯間に少し隙間があるのが平均的です。しかし、3歳後半くらいになると奥歯間の隙間がきつくなってきます。それからが奥歯間のむし歯リスクが高くなって来ます。奥歯の歯間むし歯は、かみ合わせ部分から発生するわけではなく、最も接触が強い部分すなわち口を開けても見えない部分から始まります。
洞穴状に中で広がって、ある日見える部分の歯質が欠けたようになって、いきなりむし歯ができたように感じます。実はある程度の経過の後に見えてくるわけですが。
歯科医院ではむし歯が疑われる場合はX線を撮ってむし歯の有無や程度をチェックしますが、ご家庭でお子さんのフロス(糸みがき)をして、引っかかりがある場合は、初期~中程度のむし歯がありますので参考になります。
予防法は何かというと、まずデンタルフロスを時々使うということ、そして家庭用のフッ素ないしは歯みがき剤で低濃度フッ素を毎日供給することです。永久歯の場合、全部出揃った以降、すなわち中学高校の時期に歯間むし歯が発生しやすくなりますので、その頃には自分でフロスをする習慣をつけてもらいたいものです。
初期むし歯と言っても、歯間のものは見た目分かりませんので、なかなかフロスが習慣化せず結局治療になる場合が多々あって、私達歯科医の力で最も予防が難しい部分です。




いずれも、「乳歯奥歯間に少し穴が開いて来ました」程度なのですが、実際は中でかなり広がっており、下の例はむし歯が神経まで至っており神経の処置が必要でした。
保護者や患者さんには、「見た目の3倍はむし歯が広がっています」と言っていますが、オーバーな話ではありません。



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むし歯にならないスポーツドリンク

2008-05-30 | むし歯予防の話

我が家の子ども達は体育会系でサッカー、スイミング、バスケなどをやっていますので、2リットル入りのスポーツドリンクをまとめ買いして、小分けにして持って行きます。
最近、カロリーゼロのスポーツドリンクが置いてあるのに気づきました。成分を見ると甘味成分はスクラロースなどの人工甘味料で、炭水化物すなわち糖質はゼロです。ということはこのスポーツドリンクを飲んでもむし歯の原因にはならないということです。
ただしカリウム、カルシウムなどは補給できるけれども糖質は補給しないので、血糖値が下がっている時の対応、消耗性疾患の時のカロリー摂取はできまません。その辺を分かって飲み分ければいいでしょう。
スポーツドリンクを子どもに栄養剤のごとく与えてむし歯が出来る、「スポーツドリンクむし歯」という業界用語もありますが、習慣化している場合にはカロリーゼロ系に替えることでむし歯リスクは減少します。
最近は炭酸飲料もカロリーゼロ系が増えていますので、歯科側も、スポーツドリンクや炭酸飲料を単純に歯に悪いと決めつける時代は終わりつつあります。


横ラベルにはエネルギー0、炭水化物0と記載されています。




裏ラベルを見ると、甘味料はアセスルファムKとスクラロース。




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歯科健診の季節 その2

2008-05-29 | できごと

昨日午前中は歯科健診で、今度は高校生の健診でしたので、記録係りのスタッフ1名と一緒に出かけました。
高校生ですので、3年生くらいになると親知らずが出始めている場合もあります。
昨年の中学生の健診でも感じたことですが、むし歯の本数は減って程度も軽くなっている傾向はありますが、中学生頃出てくる奥歯、第2大臼歯(12歳臼歯)の初期~中程度のむし歯が多いというのが挙げられます。
ごく初期ですと削らずにシーラントでOKですし、軽度の欠損であれば、最近はMI(minimal intervention)と言って、最小限に削って歯の色の修復材料で1回で処置が終われます。
むし歯以上に感じたことは、歯石が付いていたり歯肉が腫れている歯周病の傾向を持つ学生さんが目立ったということです。この傾向は中学生より強くなっています。健診終了後に他の健診担当の先生方と話したのですが、皆さん同じようなことを述べられました。
時期的に学生さんは部活や勉強で忙しいのでしょうが、虫歯にしても歯周病にしても、このままでは5年後の大人になった時どうなっているか心配だな~。
何とか時間を見つけて歯科受診をしてもらいたいと思いました。




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徒手矯正法?

2008-05-27 | 歯並び、矯正の話

小学校低学年の時期に永久歯前歯が生え変わって来ますが、この時期大きい永久歯が出てくるけれども顎というか歯並びの大きさはまだ伴っていないので、デコボコや歯の捻れ、かみ合わせが変というような状況は珍しくありません。歯並び相談も多い時期です。
上下前歯が逆に噛む反対咬合ですが、通常上下永久歯前歯がほぼ出てくるまで様子をみるのが一般的です。写真の患者さんは、上の真ん中の前歯(中切歯)が逆に噛みそうな位置に出てきました。
出始めから自然に前方に移動することもあるので暫くは様子を見て上下前歯が噛み合い始めた時期に再評価します。そのまま治ればまずOKですが、軽度に逆に噛んでいる場合、ヘラ状のスティックを上下前歯間に挟んで、上の前歯を押し出すような力をかけることで治ることがあります。
これは患者さん本人が家庭で行う作業で、厳密な回数や期間の設定はないのですが、あまり多く長期間行うと歯に悪影響を与える可能性があります。当院の場合1日3回、1回のヘラ押しを50~200回、期間は1~2週間とアバウトではありますが設けています。これ以上頑張って治らないのは適応ではなかったと判断して、装置を使って治療します。やはり軽度でないと治りませんので、程度と時期を判断してお願いしています。
元々、反対咬合になるような顎の位置や骨格もあったりしますので全て解決という訳にはいかないかも知れませんが、まずはこれで治れば時間と手間と費用の節約になりますよね。
ヘラは木製のアイスクリームのヘラを使ったりしていましたが消耗するので、当院では歯科用セメントを練る時に使うスパチュラと呼ばれる弾性のあるプラスチック製ヘラの形態修正をしたものを使ってもらっています。


スケジュールを守ってまじめに頑張りました。
右上下(向かって左側)のかみ合わせが改善しました。
左側も写真では逆になりそうに見えますが、実際は左上前歯は右より前方に位置しているので、正常にかみ合いそうです。



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デンタルショー

2008-05-26 | できごと

年に1回この時期に福岡で、九州デンタルショーという歯科関係材料や器材の見本市のようなイベントが催されます。最近はマリンメッセで開催されていますね。
歯科医師はもちろん、スタッフの歯科衛生士、歯科助手、歯科技工士、そして歯学部の学生なども訪れて賑わいます。土曜&日曜の開催でしたので、土曜日午後の診療を早じまいして、大雨のなか皆でマリンメッセに出かけました。
いつもそうなのですが、デンタルショーの会場では久しぶりの先輩後輩に会ったりして、すっかり立ち話というか社交になってしまいます。海外ボランティアでトンガで小児歯科医をしているF先生が一時帰国しているのに会ったり、九大小児歯科後輩のH先生とは、久しぶりに同門会をしましょうという話になったりしました。また、大学病院勤務時代にIBMと一緒に診療報酬&医療情報システムを構築するプロジェクトに加わっていたことがあったのですが、その時一緒に頑張ったS先生に会って、最近の大学病院の様子などについて話したりでした。
デンタルショーの内容的には最近の業界の変化を感じさせるものではありました。予防関係の製品やシステムに関するもの、医院管理システムのコンピュータ化などに関するブースが増えているように思いました。
残念ながら小児歯科&矯正歯科に関するものはあまり見つけることができませんでしたので、専門学会に併設された展示コーナーでチェックが必要でしょう。




大人子どもに関わらず進んでいる、歯の色をした審美的詰め物、コンポジットレジンのシステム。
特に小児歯科では、早く簡単にそして確実にということが求められますので、このような要求に合致する新しい製品は色々チェックしているところです。

 

 

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権八の接客はやはり良かった

2008-05-24 | おすすめの店

ブログにアップしようとして忘れていたことがありました。
先週末、川崎市住まいのiseita君が来福するとのことで、私の師T先生も一緒に3人で夕食をということになりました。
どこか良い店をということで天神の国体道路沿いにあるアップルストアーの上の「権八」という焼き物&蕎麦の店にしました。ここは東京に本店があるお店だそうで、一応高級らしいですが、福岡店は庶民的です。
入口左手のテラス部分がこれからの季節良さそうですが、この席は人気ですので予約して行ったほうがいいですね。
WEBか何かで権八の接客がなかなか良いというのを読んだ気がしたのですが、やはり単にマニュアル的ではなく良く教育されているように感じました。若い従業員の人たちが、担当のお客さんの様子を何気に見ていて、程よいタイミングでかまってくれるのもOKです。Iseita君にそのことを言ったら、「そのようなキャラの人を雇っているんじゃないですか」。
それにしても感じが良くて、楽しそうに仕事をしているので、これは私達の医院でも盗みたい。ちなみに、お店の人のタイミングが良いという面では「うらもと」がなかなかではあります。
ビールと焼酎を飲みながら食事を進めた後に、シメで鴨南そばを食しましたが、後で失敗した~と思いました。やはり蕎麦には日本酒でした。

 

 

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歯科健診の季節

2008-05-22 | できごと

5月から6月にかけては学校、幼稚園、保育園などで健診が行われる時期ですね。
今日は九州大学病院の敷地内にある保育園に健診に出かけました。園医であるM先生を中心に、この保育園に子どもを預けている(いた)保護者の歯科医が加わったボランティアチームで健診を行ってきています。私の子どもも以前この保育園に通っていましたので10年以上健診担当を続けています。
年に3回健診をして、歯磨き指導をしたり保護者からの質問を事前に記載してもらって返事を書くなどしています。
私が小児歯科医であるということもありますが、今日は成り行きもあって、質問用紙への答え担当を一手に引き受けました。
かみ合わせの治療時期は? 歯磨きの回数は1日何回必要? フッ素は塗ってもらったほうが良いか? 指しゃぶりはどうしたら止めることができるか? 家庭用フッ素の効果は? など当院でも保護者の方々から受けるような質問に、とにかく返事を書きまくりました。
来週、再来週と今度は小学校の歯科健診に出かけます。

 

 

 

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仕上げ磨きをいやがる

2008-05-21 | 歯みがきのこと

福岡市では、1歳6か月歯科健診の際に「そろそろフッ素を塗ってもらいましょう」と呼びかけていることもあって、1歳後半くらいの患者さん(というか虫歯予防での来院ですので正確には患者さんとはいえませんが)が結構来院されています。
診察前にカウンセリングコーナーで色々お話をしたり聞いたりしているのですが、相談ごとと言うか、保護者の方々の悩みで圧倒的に多いのが、「仕上げ磨きをいやがります」という内容です。
その時に私は、「10人のうち9.5人は嫌がる時期なんですよ」と答えていますが、これは本当で、1歳半ばくらいから2歳半ばくらいまでは、多分自我の発達過程にあることもあって、自分では歯ブラシを持ってゴシゴシしたいが、他人からはされたくないという気持ちがもやもやと出てくるように感じられます。ですから、嫌がるのは正常な発達過程とも言えますし、いわゆる仕上げ磨きに慣れて来るというもの2歳後半位まではあまり期待できません。
では毎回押さえつけて無理やりやるか、ということになりますが、それでは親子ともに苦痛な時間になりますね。育児書に書いてあるような内容でおりこうにできるというような単純なものではなく特効薬はありませんが、嫌がり度を減らす工夫を色々するのが重要では。どの工夫が成功するかは個人差がありますね~。
歯ブラシの選択では、毛は細めで軟らかだが密に植毛してあってコシがあるもの、毛の長さがあまり長くないもものが良いでしょう。
磨き方は、つい力が入って大きなストロークでゴシゴシして子どもが嫌がっていることも考えられます。弱めの力で小刻みに磨くのが、隅々の歯垢が取れて痛くない磨き方です。
この辺の工夫で少しは助けにはなると思いますが、基本的には「自我」パワーでしょう。


当院でお奨めしている歯科医院専用歯ブラシですが、比較的値段が安くて磨きやすく長持ち。

患者さん用歯科雑誌にも、痛くない歯ブラシの選択、磨き方が掲載されていました。

 

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永久歯が出てこない

2008-05-20 | 歯並び、矯正の話

単に出るのが遅い早いという個人差ではなくて、顎の骨の中で育った永久歯の方向に異常があって出るのが遅くなったり、出てこないことがあります。
上の前歯ですと、過剰歯とういう、余計な歯が真ん中付近にあって、元来の永久歯が出てこないとか、出てきたけど捻れたり傾斜しているということがあります。
また、特に永久歯が出るのに邪魔になるような原因はないけれども問題が起こりやすいのが上の犬歯です。この歯は最も高い(深い)場所で歯が出来て、出るまでの道のりが長く、乳歯との交換も他の歯よりも遅いのが普通です。
東洋人に多い八重歯というのは、歯が大きめ、または上の歯並びが小さめの場合に、スペース不足のしわ寄せが出てくる場所になるのが原因です。犬歯は顎の骨の中で前歯よりも外側にあることがほとんどですので、生えるスペースが無くても、何とか外側すなわち八重歯として一応出てくるわけです。
ところが何らかの原因で犬歯が隣接する永久歯と同列に存在すると、出なかったり隣の永久歯の根を溶かすようなまずいことが起こりやすくなります。



この患者さんは、上の歯並びのデコボコを他医で早期矯正治療をした後、引越しによって当院で経過を観ることになりました。
前歯の歯並びは良くなったのですが、右上の犬歯が内側にあって自力で出て来れない状況になっていました。当院の近所で口腔外科も行っているT先生にお願いして、外科的に開けて埋まっている犬歯を矯正力で引き出すためのボタン状の装置を接着してもらいました。ボタン状の装置にワイヤーを付けて、今後上の歯並びに装置を付けて犬歯のスペースをつくりつつ、ゆっくり引っ張り出すという治療を開始します。
上の犬歯というのはこのようなケースが他の部位と比較して多い所です。左右の歯の出る時期の差は半年くらいは正常範囲内ですが、あまり左右差がある時は歯科受診をおすすめします。
何も無ければそれで安心ですが、痛みがあったりしませんので、じわっと問題が大きくなっていることに気づかない場合もありがちですので。

 

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小学校・地域合同運動会

2008-05-19 | できごと

昨日は少し暑いくらいの五月晴れで、大名校区では小学校&地域合同運動会が催されました。
児童数が少ないのでリレーなどはパート1とパート2に分けて全員リレー選手として参加します。学芸会などもそうですが、とにかく出番が多いので、子ども達はここ1か月くらいの練習が大変だったろうな~と思います。
一番盛り上がるのが地域対抗のリレーで、我が大名1丁目チームはアンカーまで首位だったのですが、学校チームの先生が若くて速く、惜しくも2位でした。
私達子ども会育成会の委員は地域の大人ということで、地域主体の種目で運営や補助をしました。運動会に来ている大人のうち半分近くは運営サイドではないのかな~と感じるくらい、児童、先生、地域パワーで運営された、まさに合同運動会でした。
それにしても疲れた~。



最近は安全性の面もあって、騎馬戦が無くなってしまい、代わりに棒引きという種目をやっています。

校内には様々な草花があるのですが、楓の花を見つけました。

 

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