福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

ラバーダムって知ってますか?

2006-06-12 | 虫歯治療の話

ラバーダムとは、写真のように治療する歯にクランプというものを留めて、ゴムのシートをするものです。保護者の方に写真や実際の治療場面で説明しますと、「最近の歯科は進んでますね~」のように感心される場合がありますが、じつはこれは多分30年以上前からある方法です。ラバーダム防湿といって、根の治療、削って型をとるとき、接着処理をしてレジンなどを詰めるときに唾液など水分が入らないようにするものです。

おとなはもちろんある程度の年齢になれば、治療している部分に唾液が来ないようにすることは難しいわけではありません。ところが小児では元来唾液が多いですし、つい口を閉じてしまうということも少なくありません。最近の小児歯科治療ではレジンを多用していますので、接着処理中に唾液が入ると、まったく接着しないと言っても過言ではありません。また、歯を削っている時に出て来るエアーや水流なども子ども達は嫌でしょうし、その時に舌が出てくるのは危ない状況です。ですから、小児歯科治療でのラバーダムは患者さんにとっても、歯科医側にとっても結構有用なものです。ある種、治療する歯を隔離することになりますので、英語ではrubber dam isolation といいます。

小児歯科治療中の死亡事故で、麻酔、身体抑制、ラバーダムが一緒に悪者になっていたように思いますが、ラバーダム自体は通常に付ければ呼吸が困難になるものではありませんし、むしろ器械による思わぬケガや治療器具を口の中に落としこむというような事故を防止するものです。

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