成人の場合は、噛み合せの問題とか、ストレスなどが主たる原因といわれています。原因に対応するという意味では、噛み合せの調整とかストレスを除くという理屈になるのですが、歯医者や医者から「ストレスが原因ではないでしょうか」などといわれても実際のところ解決は簡単ではないですよね。ストレスがそんな簡単に除去できたら日常生活全般も随分快適でしょうから。
歯ぎしりが周囲の人に迷惑である場面もあるわけですが、本人にとっては歯ぎしり、喰いしばりの強さや頻度で、朝起きた時などに顎関節部の痛みや口が開けにくい症状が起こればいよいよ問題です。結局歯科医ができることは、噛み合わせを調べて、問題があれば調整をすること、対症療法的にマウスピース状の装置を作製して使ってもらうことです。
子どもの場合、乳幼児で起きている時に歯をすりあわせているのは、指しゃぶりなどと同様のくせや遊びと捉えられますので、通常の歯ぎしりとは区別したほうが良いでしょう。いつまでも続くものではありません。
新しい乳歯が出てくる、永久歯と生え変わるなどの過程で、子どもの噛み合わせは変化しつつ完成に向かっているわけで、この微妙な変化で一時的に歯ぎしりが起こることは考えられます。また、ストレスについては否定はできませんが、やはり歯科医側からのカウンセリングが難しいのが現実です。また、顎関節への影響については、まだ関節の形ができあがっておらず、遊びが大きくクッションがあると考えて結構ですので、乳幼児での症状発生はないといえます。歯ぎしり大丈夫?と相談されるのは、音よりも、歯がすり減ってしまうのでは?という心配のことが多いようですが、私の経験的にも、小児での歯のすり減りと歯ぎしりの関連は少ないので、その心配は不要ですよというのが答えです。
子どものストレスという面では、まず親のストレスはいか程? と考えるところから始まると思いませんか。歯ぎしりはさておいて、親子ともにストレスを減らすためには、親子だけで考えても限界ありと思います。周囲の家族、地域や近所、様々なサークルなどの中で親子とも育ちあうことではないでしょうか。