福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

仕上げミガキのポイント その3

2006-07-31 | 歯みがきのこと

その1、その2で乳歯が生え揃う頃までの仕上げミガキのポイントをお話しました。永久歯が5歳終わり頃から生えて来ますので、その時期以降は当然仕上げミガキは重要ですが、その前に乳歯のポイントが残っています。それは乳歯奥歯間のむし歯予防です。乳歯といえども奥歯は10歳頃まで使いますので、まだまだ重要です。
3歳後半頃から2~3年間はここのむし歯リスクが高い時期です。ただし歯間の隙間がきつくなければむし歯リスクはあまり高くなりませんので、個人差はあります。でもほとんどの場合、この時期、奥歯間がきつくなってきてむし歯リスクが上がります。
虫歯予防の研究で有名な岡山大学小児歯科の研究によると、歯垢を採って行うむし歯リスクテストでは、歯の内側外側などと歯間とはむし歯リスクが異なるそうです。ですから、「ぱっと見た目にむし歯がないし、歯間のむし歯もOKよ」と油断できないわけです。実際、口の中の診査でむし歯を認めなくても、X線で歯間に見つかることは少なくありません。
ですから仕上げミガキというか、フロスをしてあげることが重要な時期です。週に2回以上くらいが適当です。また、フッ素の歯間虫歯の予防効果は高いので、定期的な歯科医院での塗布、家庭でのフッ素入りハミガキ粉使用も有効な時期です。一方で、いままで頑張ってきた部位は次第にリスクが下がる時期になりますので、気合は程ほどでOKとなります。



上は、当院で使用している患者さん説明用ファイルです。

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先天生歯の話

2006-07-29 | 口の中の問題

そこまで多くはないのですが、赤ちゃんが生まれた時点で下の前歯がすでに出ていることがあります。これを、「先天生歯」と呼んでいますが、「余計な歯が出て来たのでは?」とか、「余計なものだったら抜いたほうが良いのでは?」という相談があります。
ところがこれは余計な歯ではなく、元来7~8か月頃出てくるものが早く出てしまっている現象です。歯の根や象牙質部分が充分出来ていないのに出ていますので、歯は出たもののかなりグラグラしていることが多く、周りの歯ぐきも炎症が続いて歯として育たないことがあります。ですから、抜きたくはないのですが、結果的に抜かざるを得ないことも多いわけです。一方で多少グラグラしていても次第に歯の根が出来るにしたがってしっかりなってくることもあります。この場合は、当然そのまま乳歯として機能してもらいたいわけです。
ところが、生まれて間もない赤ちゃんで乳歯が出ているがゆえに問題もあります。赤ちゃんがおっぱいやミルクを飲む場合、舌を前に突き出して上の前歯部分(まだ歯はありません)との間で圧縮するようにして、絞って吸うという動作をします。この時に、下の前歯が舌の裏側に当って、潰瘍が出来ることがあります(リガ・フェーデ病と呼んでいます)。これに対しては、歯の先の部分を丸めたりする処置を行っています。また、外見的にもエナメル質部分がよく出来ていないエナメル質形成不全を伴うことがあり、その場合、歯が欠けていったり、むし歯に移行したりという可能性に対処する必要があります。

 

リガフェーデ病の患者さん。下の前歯が当る刺激で、舌の裏に潰瘍が出来ています。ちょっと痛そうです。

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夏のラジオ体操

2006-07-28 | できごと

最近の子どもたちは、どの程度夏休みのラジオ体操をしているんでしょうね?
地域によって、集まることができる場所、大人たちの関わりかたなどが異なるのでしょうが、私自身リアルタイムの6:30から団地の広場(というか空地)に行って体操していたのは覚えていますが、大人たちがどのように登場していたか、さっぱり覚えていません。
地元の福岡市中央区大名地区は子ども数が少ないこと、場所的に空地や広場なるものがありませんので、小学校の校庭で行われています。若干遠くから来る子たちもいますので、リアルタイムではなく、7:20から行っています。PTAの関わりで、毎日保護者が3人とボランティア1人の大人が参加します。さらに地域の大人の方が一緒に参加されている場合もあります。この日は全校89名のうち40名弱の参加でした。


中央の大人の人が10年以上もラジオ体操のボランティアをされている藤川さんです。この方は、先日のブログに書きました紺屋町子供獅子祭り振興会長さんでもあります。ラジオ体操の後は藤川さんの指示で、毎日参加者皆で校庭の草取りです。このような「やかましおじさん」が地域を支えているよな~と思うことしきりでした。

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木のおもちゃ Sweet compass

2006-07-25 | おすすめの店

昨日、Sweet compass という木のおもちゃ、家具、アート等を取り扱っている処が近所で展示会をしていましたので、挨拶がてらちょっと訪れておもしろいおもちゃを買ってきました。
Sweet compassのHさんは、昨年末の開院以来時々営業で訪ねていらっしゃいますが、なかなか楽しい方です。当院も待合コーナーやカウンセリングコーナーに木のおもちゃを置いていますし、どちらも子どもに関する仕事ですので、何気に気が合ったりしています。また先日のブログでご紹介した日本酒、「東洋美人」でも意見が一致しています。

このカラフルなブタの21ピースの積み木ですが、写真のようなとりあえず基本形でも結構面白いのですが、一番頂上が逆立ちしたピンクのブタとか、意外とアクロバティックに積むことができます。箱を見るとドイツ製ですね。手頃な価格のアートなども含め、直接ヨーロッパに買い付けに出かけられるそうで、私もちょっと前、ピンと来た1作品を購入して当院の待合室に飾っています。
通常の店舗はなく訪問販売とWebだそうです。URL: http://www.sweetcompass.com/web/ ですので、ちょっと訪れてみませんか。お問い合わせメールでもされれば、サッと登場するのではないでしょうか(本人には確認していませんが)。

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乳歯むし歯の罪

2006-07-24 | 歯並び、矯正の話

先日小学校4年生でむし歯の重症な患者さんが当院を訪れました。乳歯奥歯のむし歯がひどかったのですが、出て間もない永久歯奥歯も、治療途中でそのままになっていました。
このブログには虫歯予防の話など結構書いていますが、わたくし的には「乳歯のむし歯ゼロを目指しましょう!!」まで言うつもりはありません。低年齢でむし歯進行が早いと子どもにとって治療が大変と思いますので、あまり早々とむし歯ができるのはかわいそうです。多少のむし歯は痛いとか、永久歯に悪影響がでるとか云うことはないのですが、実は多少のむし歯レベルで止めておくことが難しく、乳歯ではあっという間に大きくなりやすい。ですから結果的にはある段階でむし歯にストップをかける、ないしは削って治療することが必要になります。
小児歯科医の私が言うのも変ですが、「乳歯はそのうち生えかわります」。でも、「それまで、後の永久歯に影響が出ない範囲で何とかしとかなきゃ」と思います。「たかが、されど」ではないでしょうか。

この患者さんの左下奥歯のX線写真ですが、乳歯の一番奥歯(第2乳臼歯)がむし歯がひどくて、抜かれています。その場所に両隣の永久歯が倒れこんでしまい、その下にある第2小臼歯の出るスペースが無くなっています。これが乳歯のむし歯が永久歯に影響する1例です。X線の右側の永久歯(第1大臼歯)も神経の治療途中ですので、少なくとも最近までむし歯リスクは高かったのでしょう。
このような問題は部分的矯正治療(咬合誘導)で解決はしますが、時間と費用と本人には治療という負担がかかります。あと1年ちょっとくらい何とか第2乳臼歯が持ってくれたら何も問題はおこらなかったはずですから、ちょっと残念ですね。

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仕上げミガキのポイント その2

2006-07-22 | 歯みがきのこと

2歳後半になって乳歯が全部出揃う時期になると、いちばん奥歯のむし歯リスクが高くなってきます。一方でそれまでの上の前歯のリスクは下がってきます。ですから4歳位までは、仕上げミガキのポイントは奥歯、それも一番奥歯(第2乳臼歯)です。一つ前の奥歯(第1乳臼歯)は、統計的にもむし歯リスクはこの時期あまり高くありません。かみ合わせ部分の溝を重点的に歯みがきしてあげて下さい。他は、ホドホドで結構です。
この時期にはむし歯菌の感染は一旦終わって、どの子もむし歯リスクが上がり、歯垢の量も多くなってきます。また、奥歯の溝が深い場合、歯みがきのみでは予防効果に限界があるように思います。歯みがきはもちろん重要ですが、歯科医院で定期的なフッ素の塗布や溝の部分の積極的予防(フッ素入りセメントやシーラント)をしてもらうと安心です。

当院の患者さん(保護者)説明用ファイルの1ページです。

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仕上げミガキのポイント その1

2006-07-21 | 歯みがきのこと

1歳半~3歳近くまでは仕上げミガキを結構いやがるというのは保護者のかなりの方々が経験されていると思います。生理的に嫌がる時期ですので、歯ミガキ時の雰囲気つくりなど色んな工夫も大切ですが、比較的簡単な方策は、短時間に効率よく磨いてあげることでしょう。
1歳半位からむし歯菌が感染してきますので、むし歯リスクが徐々に上がっていきます。2歳くらいになって「むし歯が出来ました」と来院される場合、ほとんどが上の前歯の歯間ないしは歯の生え際の治療です。2歳半ばくらいになると乳歯が20本生え揃いますが、それまでの予防のポイントは上の前歯です。
通常は上の前歯外側に歯垢が残りやすいのでココです。さらに歯間が詰まっている場合、週2回以上程度フロスをしてあげて下さい。言い換えると、この時期は他の場所はそこまでむし歯リスクは高くないので、あまり頑張って全部の歯を均等に磨く必要はないと言えます。
断乳が遅くなることと上の前歯のむし歯発生はやはり相関が大きく、前歯の裏側もむし歯リスクが高くなるようです。また、1歳6か月を過ぎて哺乳している場合、むし歯リスクを意識して、家でのスプレーフッ素や泡状フッ素などを使うのも良いと考えます。
実際の磨き方やフロスの使用法はやはり実地指導を受けないと、文章ではちょっと難しいかな。

子ども用の小さめのフロスです(歯科医院専用でフロスちゃんという商品名、20本入り250円前後)。低年齢での上の前歯むし歯予防には、結構重要と思います。

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紺屋町子どもお獅子祭り

2006-07-20 | できごと

紺屋町は現在の福岡市中央区大名1丁目の南東部で、福岡県歯科医師会館の裏手にあたります。昔からの商店と最近の個性的なストリートショップが、なぜかうまく調和している雰囲気ある商店街です。例年、子ども達の夏休みも始まるこの時期、紺屋町の子どもお獅子祭りが催されます。歴史は30年以上あるそうです。
付近の保育園児や小学校児童たちの参加で、そろいの「紺」と書かれたハッピとねじりハチマキで可愛く盛り上がります。獅子祭りは全国色々な地域であると思いますが、まず獅子を担いで近くの「警固神社」にお参りしてお祓いを受け、その後「ぎゃんぞい、ぎゃんぞい」と太鼓にあわせて連呼しながら商店街を廻って、お賽銭をいただきに行きます。
私も今年は運営側で参加させてもらいました。子ども山笠、獅子祭りと、また夏がやって来たな~という感じです。

今年は子ども達約60名の参加だったそうです。最も多い時期には200名位の参加があったそうですが、地域の子ども数の減少で今後何とか対策を講じねば、という話でした。

獅子と子ども達が商店を廻っていきます。

太鼓係りの小学校高学年。

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過剰歯の話

2006-07-19 | 口の中の問題

「過剰歯(かじょうし)」という言葉を聞いたことがありますか。多分歯学部の学生も3年生位までは知らないでしょう。これは歯の発生形成の問題で、通常の乳歯や永久歯とは違う余計な歯ができてしまう現象で、人口の数%あります。上の2番目の前歯(側切歯)や5番目の歯(第2小臼歯)などが無い、先天欠如とは逆の現象です。過剰歯がよく発生するのが、上の前歯真ん中部分の裏側あたりです。歯の方向が様々で通常の歯と同じ向き(下側)を向いていることもあるのですが、横、斜め、逆なども多く、骨の中に埋まったまま出てこない場合が多くあります(埋伏歯)。
どんな問題が起こるかというと、上の前歯が出るのが遅くなったり、前歯がねじれたり、前歯間に大きな隙間ができたりと、歯並び噛み合わせへの影響が出てきます。ですから、小学校低学年で歯の出具合がおかしいと来院され、X線を撮ってみて発見される場合が多いようです。
過剰歯を外科的に摘出することで、歯並びへの影響はある程度まで改善されていきます。場合によっては、以降に矯正治療が必要になります。過剰歯を摘出する時期ですが、過剰歯の位置が永久歯の根の部分に近い場合、永久歯前歯が出てしばらくは根の部分がまだ形成途中ですので、手術のダメージを避けるため根が出来あがるまで2年くらい待つこともあります。また、外来手術を頑張れる患者さん自身の年齢も、当然考慮することになります。
ちなみに、歯並び噛み合わせに影響がないであろうというときは、そのまま経過観察で良いと思われます。近い例ですが、私自身、親知らず1本が完全に埋まったままで何の症状もありませんので、放置しています。

  

上下の前歯が永久歯。上の前歯がねじれているとのことで来院。

X線で調べると、上の前歯間に上向きの過剰歯がはまり込んだ状態でした。

 

 

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歯みがきしなくてもむし歯にならないってどういうこと?

2006-07-18 | むし歯予防の話
「○○は歯みがき頑張っているつもりなのにむし歯ができるんですよね」とか、「△△は、歯みがき大体なのにむし歯にならないんですよね~、何で~?」とか、よくある話題です。この時、「○○は歯の質が弱いんでしょうね」というのもよくある話。
以前にも書きましたが、歯の質の個人差は明らかになっていません。むし歯リスクは複数の要因によるものですから、むし歯菌の多さ、唾液の質と量、歯並び、歯の形(特に奥歯かみ合わせの溝)、甘味食品、歯みがきの状態などの個人差が複雑にからみ合っています。歯みがき頑張らなくてもむし歯にならない人は、このような要因が有利な人と言えます。
ちなみに歯の質に関しては、定期的にフッ素を塗ってもらうとかフッ素入り歯みがきを使うなどのフッ素の環境で、後天的違いは出ます。また成人の場合、ある時期にむし歯が多くて治療を受け、むし歯リスクが小さくなっていても、治療した歯のその後のトラブル、やり直しなどで自分はむし歯になりやすい人と思っている場合もあります。一方で、むし歯リスクの年齢的なものを考えると、成人するくらいまであまりむし歯がなければ、その後むし歯で苦労することも少ないでしょう。
ただし、歯みがきサボってむし歯なしでも、歯周病予防のベースは歯みがきを中心としたプラークコントロールですから、サボっていると、いずれ歯周病で歯を失うこととなります。それを考えても、ティーンエイジャーでの歯みがきの自覚というか自立というのは大切ですね。
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