福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

指しゃぶり、おしゃぶりとかみ合わせ

2006-04-28 | 歯並び、矯正の話
小児歯科の分野で、歯並び・かみ合わせの問題で来院される場合、いくつかパターンがあります。乳歯の時期は、指しゃぶりやおしゃぶりの使用で、前歯が出っ張っていたりかみ合っていない場合(開咬といいます)、前歯が前後的に反対にかんでいる受け口の場合(反対咬合)が主です。
このうち開咬は原因がはっきりしているわけです。1歳6か月健診などで、すでにかみ合わせに影響が出ている幼児をみるのは珍しくありません。原因はわかっているけれども、その原因が習慣化しているわけで、原因除去は簡単ではありませんね。
「今かみ合わせが変だから、うちの子は将来もそうなっちゃうの…?」という質問はあって当然です。
統計によると、おしゃぶりは2歳代で、指しゃぶりは3歳代でストップすることが多いそうですし、私の患者さんの経験からもそう言えます。成長発育や社会性(コミュニケーション)の発達変化によるものではないでしょうか。指しゃぶりを続けることで、見た目の出っ歯だけではなく奥歯のかみ合わせがずれてくる本物の出っ歯に移行するのは、4歳以降くらいというデータがあります。指しゃぶりやおしゃぶりの習慣がなくなれば、次第にかみ合わせへの悪影響はもとに戻りますので、4歳くらいまでにストップできれば大勢に影響ないと言えます。2歳前半位までは、まだ生理的にしゃぶりたい時期で、子どもに言って聞かせてある程度理解してくれるのはそれ以降でしょうから、親があまり気にしても限界があります。5歳くらいになっても指しゃぶりが残っている場合は、カウンセリングや、止めるのを助ける装置を入れるなど、当院でも行っています。
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福岡市中央区大名1丁目 小谷酒店の角打ち

2006-04-27 | おすすめの店

    

若者文化と地元の伝統と自治が融合した「大名」。にしてつニュース4月号(http://www.nishitetsu.co.jp/nnr/inf/news/month/talk.htm)でも佐々木喜美代さんが大名コミュニティーの豊かさについて述べていらっしゃいます。地元の文化(?)といったら大げさですが、大名の実質的リーダーシップをとっている人のひとり、小谷浩司さん経営の小谷酒店が昨年はじめた角打ち。中央区役所から大名方面に入ってずーっと行くと突き当たります。その少し左手前にあります。地元のおじさん、おばさんのたまり場になっている部分もあるような気がしますが、最近ちょっとブームのワンカップ酒でいいのが置いてあります。石川県の「手取川」です。「手取川」はマイ・フェイバリットのひとつですので嬉しい。新潟県の酒にある種共通点があるごとく、石川県の酒にも共通点がある。私的には石川県に軍配です。おつまみ系も種々ありますがあまり食べると胸焼けしますので、ここでちょっと生ビールとお酒+αでエンジンをかけて大名探検したらどうでしょう。誰かも、小谷カクウチは「大名のへそ」と言ってました。

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家でできる歯のクリーニング

2006-04-26 | むし歯予防の話
最近、フッ素や歯のクリーニングなど、予防歯科的な関心が皆さんに高まってきているように思います。「治療ばっかりしてたら、患者さんから取り残されるかも知れないよ~」という話も業界ではちらほら? 先日も書きましたが、PMTCという歯のクリーニングは見た目も良くなるし、バイオフィルムが除去されることで、むし歯と歯周病リスクも下がるわけです。電動歯ブラシを使用されている方も結構いらっしゃると思いますが、特に音波歯ブラシ系は、価格は高いのですが、ある程度バイオフィルム除去効果はあると思われます。私の場合は、音波歯ブラシのソニケアと手動歯ブラシを2:1位の割合で使用しています。ソニケアの場合、通常の歯みがき粉では研磨剤によって磨きすぎが起こる可能性があります。従って私は通常、研磨剤を含んでいないがフッ素や歯周病予防の成分の入った電動歯ブラシ用歯みがき粉を使用したり、何も使用せずにみがいています。PMTCでやっていることを考えると、一時的にある種の「磨きすぎを」しているわけです。すなわち、家でも時には音波歯ブラシと普通の歯みがき粉で磨きすぎをしたほうが良いということです。歯の表面に着色(ステイン)しやすい人もこれでいけるはずです。
音波歯ブラシは、ブラシが直接当っていない所でも唾液等の水分を介して振動が伝わり、歯垢がある程度除去されるそうですが、いわゆる隅々の清掃をするという意味では、やはり電動歯ブラシを使用した歯みがき指導を受けて、使用効果を充分引き出す必要があるでしょう。
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本当のような怪しい話 その2

2006-04-25 | 歯並び、矯正の話
実際の研究結果と私の経験(患者さんの分析結果)の話です。上下の永久歯前歯が生え変わる小学校半ばの時期で、歯並びデコボコなんで、治療を考えたいのですが・・・という患者さんで歯型をとって歯のサイズを計ってみます。日本人の平均データと比べてみると、圧倒的に歯のサイズが大きい場合が多く、歯並びや顎が小さいといえる人はかなり少数です。歯の大きさには人種差もあって、東洋人は歯が厚く大きい部類に入ります。加えて歯並びの奥行きが小さいため、歯並びデコボコの人が元来多いわけです。
顎の大きさはその人の持っている発育パターン(遺伝も大きいようです)が優位で、環境的なものの影響はあまり受けないそうです。その証拠に、食生活の変化は著しいにも関わらず、最近数十年の顎のサイズの変化は見られません。上顎と下顎の骨の構造も違いますし、発育時期やパターンも異なりますので、噛めば上下調和良く顎が大きく歯並びがゆったり育つというふうに、うまい具合にはいかないわけです。あまり顎が大きくなっても他の部分と不調和になって、ちょっと変な顔ということになりますしね。
歯の質の個人差も明らかでないし、ましてやカルシウムを摂れば歯が丈夫になるということもないし、他にも本当のような怪しい歯医者話はありますね。
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本当のような怪しい話 その1

2006-04-24 | 歯並び、矯正の話
当院では、初診の患者さんと保護者の方は、まず入ってすぐのカウンセリングスペースでいろいろお話や情報をいただいて、診療前のイントロという形にしています。このことで、患者さんも保護者の方もリラックスされるように思います。先日初診の患者さんの母親の話です。現在2歳半位の患者さんが1歳半ころある歯科医院を受診したところ、「歯と歯の間がつまっているため永久歯もデコボコなる可能性が高く、それは顎が小さいためだから、硬いものを噛みなさい。」という話をされたそうです。このような話は何度となく聞いたことがあります。
この話信じますか? 歯医者さんが話すとつい信じたり、悩んだりしますよね。1歳半の幼児を診察して見ただけで顎が小さいと言えるのは、正直言って意味不明というのが私の感想です。それくらいで分かるのでしたら、矯正診断のときに歯型をとって、歯の大きさや歯並びの幅や奥ゆきを計ったり、顎のX線を撮って顎の大きさや上下のバランスを計る必要なんてありませんよね。
何で意味不明というわけ~? 詳しい答えは次回で。
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家でできるフッ素使用

2006-04-22 | フッ素について
低濃度であっても毎日のフッ素環境はむし歯予防に有効であることは、水道水にフッ素を入れている国、地域の結果で明らかです。家でできるフッ素としては、もちろんフッ素入り歯みがきがありますね。少量使用して歯みがきしその後はうがいをしないというのが、最も簡単で安上がりな家庭でのフッ素というわけです。ただし、子ども用を少量使ってもやはり子どもとしては、うがいしたくなるのでしょうか?
低年齢でむし歯リスクが高い場合は、やはり、歯科医院での定期的フッ素塗布に加えて毎日のフッ素に助けてもらうのが現実的です。
そこで、家庭用のフッ素ジェルや泡のフッ素の使用をお奨めしています(現時点では、歯科医院専用で通常の薬局等では販売されていません)。これらはフッ素濃度的にはフッ素入り歯みがきと同様なのですが、味や性状がうがいをせずとも大丈夫なように工夫してあります。1歳半くらいで初期むし歯がみられる子どもたちには、それなりの環境的バックグラウンドがあることが多いのですが、その環境をすぐに変えることは簡単ではありません。そこでフッ素の登場です。家庭で毎日使用することで、初期むし歯を元に戻す、ストップさせることを期待します。
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歯みがき粉はいつくらいから使用する?

2006-04-21 | フッ素について
乳幼児の保護者からこのような質問を時々受けます。「うがいができるようになる3歳近くでしょうかね。それまでは何もつけなくていいと思いますよ。」とか、「歯みがき粉を付けると泡が立ってみがく所が分からなくなるし、みがいた気になるから付けないほうがいいですよ。」というのが以前(私的には1990年頃まで)の一般的な答えだったと思います。
日本ではフッ素入り歯みがきが1990年半ば頃まではあまり普及していませんでしたので、このような答もOKだったと思います。
フッ素入り歯みがきは、1000ppm弱(歯科医院での専門的フッ素塗布は9000ppmほど)のフッ素が入っているものがほとんどですので、これを使用することは家でできるフッ素塗布とも言えますね。3歳児でも歯みがき粉の半分は飲み込んでいるという調査結果もありますので、年齢にあまりこだわらず、飲み込むことを前提で少量使ってみたらどうでしょうか。そのかわり、フッ素の効果を期待して、むしろあまりうがいはさせないほうが良いでしょう。
アメリカ小児歯科学会が毎年発行しているReference Manualでは、フッ素入り歯みがきの使用開始の年齢は特に記載されていませんが、小児ではpea size(豆粒サイズ)という表現で少量を奨めています。歯みがき粉の成分は基本的には飲み込んで良いものですので、飲み込んだら~と思うのは、気分の問題でしょうか。(ただし一気に1本まるまる食べたらフッ素の急性中毒を起こす可能性があります。)水道水にフッ素(1ppm)を入れるのが最も簡単で効果がある使用法ですが、この水1リットルと歯みがき粉1gのフッ素量が同じということになります。アメリカなどでは水道水にフッ素が入っていない地域で、相当するフッ素(1日1mg)の錠剤を奨めています。また、最近の子ども用歯みがきは低発泡性で、多少泡が立ってもみがく所が分からなくなる程ではありません(泡で一杯になる前に子どもは飲み込みます)。洗剤を使用するか否かと一緒で、歯みがき粉を使用したほうが効率よくきれいになるはずです。
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フッ素塗布はいつ位から始めるの?

2006-04-19 | フッ素について
当院には結構1~2歳児とその保護者が訪れます。上の前歯にむし歯が出来ましたという場合もありますが、たぶん福岡市中央区という地域性もあって、フッ素を塗って下さいとか、歯みがき指導を受けたいなどの理由で受診される場合も多くあります。歯科医院で塗るフッ素は高濃度(9000ppmほど)で、数分間塗ることで効果がみられます。日本の子ども達のむし歯リスクから判断すると、3~4か月おきに塗ってもらうのが平均的でしょう。低年齢で(初期)むし歯が認められる場合は、むし歯リスクが高いと判断して、当院ではより短い間隔で複数回塗っています(例えば1か月おきに3回)。
1歳半~2歳半位の時期にむし歯菌の母子感染がありますので、どの子もその子なりにむし歯リスクは高くなって来ます。この時期に最も重要なことは、虫歯菌の定着を少なくするため、甘いおやつの習慣化やだらだら食べなどを控えることと言えます。歯みがきやフッ素の重要度はその後に続くものと思いますが、この時期は乳歯もどんどん出て来るし仕上げみがきも嫌がる時期ですから、予防的に先手を取るという意味では、1歳半を過ぎた頃から定期的にフッ素を塗ってもらうのが理想的で安心と思います。福岡市の保健福祉センター(保健所)での1歳6か月健診でも、フッ素塗布を促しているようです。
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歯のクリーニング その2

2006-04-18 | むし歯予防の話
むし歯菌や歯周病菌が定着、繁殖、活動する歯の表面にはバイオフィルムという、菌にとってはベースとなる棲家みたいなものがあるのですが、歯のクリーニング、すなわちPMTCはこのバイオフィルムを除去してしまうわけです。バイオフィルムの存在、働きが分かってきたのは割と最近で、1990年代終わりです。バイオフィルムは時間とともに再生されて来ますが、元にもどるには時間がかかる。すなわちむし歯菌や歯周病菌が少ない状態が一定期間達成されるわけです。期間的には、臨床的経験から言うと1~3か月間位ではないでしょうか。
特に歯肉炎は、腫れた歯ぐきの中(歯周ポケット)に歯垢がたまっており、歯みがきで除去できにくい状況ですから、PMTCによって菌を除去し繁殖しにくい状況にすることで、治るきっかけが出来ると言えます。歯ぐきの腫れが軽くなると、より歯の生え際まで歯みがきでき、良い循環ができる。
歯科衛生士にも「PMTCはただのクリーニングじゃないよ。普通の歯の掃除だったら患者さん自身でできるわけで、患者さんが出来ない部分をクリーニングするのがプロよ。」と言っています。表面の着色、歯ぐきの中や歯と歯の間の歯石や歯垢をきれいにすることで、見た目にも、予防的にも良い状態が達成できる次第です。乳幼児の母親でむし歯が多い方には、子どもへのむし歯菌感染予防の面からも歯のクリーニングはお奨めしたいものです。
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歯のクリーニング その1

2006-04-17 | むし歯予防の話
最近の歯科のキーワードはインプラント、ホワイトニング、歯のクリーニング、予防歯科などが挙げられるのではないでしょうか。歯科医院のホームページを見ても、どこもこのようなキーワードが出てきますので、結局どこに行ったら良いのか決定しかねる状態で、やはり口コミになったりしませんか。
私は小児歯科が中心なので、インプラントとホワイトニングはちょっと専門ではないのですが、予防歯科は小児歯科には付き物、また歯のクリーニングはむし歯や歯肉炎の予防に効果があるので随分前から行っています。歯のクリーニングは、業界用語ではPMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning :専門家による機械的歯面清掃)といいます。患者さん側にとっては、歯石や着色も無くなってすっきりピカピカで気持ちいいですよね。審美的効果も充分あると思います。アメリカでは、年齢に関係なく、歯科を定期的に受診してむし歯や歯周病のチェックを受け、クリーニングの後フッ素を塗ってもらうという予防メニューは随分以前から定着しており、「プロフィー」(清掃を意味するProphylaxisから来ている)と呼ばれています。プロフィーも患者さんにとっては大いに審美的なものではあります。
歯科医側からすると、目立たない部分、すなわち歯ぐきの中や歯と歯の間に慢性的に残っている、むし歯や歯周病の原因となるバクテリアを除去するという目的があります。
「クリーニングしても本人が簡単にはみがけないところだから、数日すればもとに戻るんじゃないの?一時的な爽快感?」という質問があっても当然です。ところがこれは違うんです。続きは次回に。
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