福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

木を見て森を見ない

2006-06-01 | 歯並び、矯正の話
以前にも乳幼児のおしゃぶり、指しゃぶりの話を書きましたが、これに対する歯科医の対応で、相変わらず困った話があります。指しゃぶりをしていたり、おしゃぶりを使っていると、多少なりとも上の前歯の歯並び噛み合せに影響が出ることが多い。おしゃぶりの場合は上下の前歯がきちっと噛み合わない状態、指しゃぶりの場合はさらに上の前歯が出っ張った状態になります。1歳6か月健診で、そのような状況をみることはそう珍しくありません。
個人差はありますが、この時期はまだ指しゃぶりは生理的なもので、いろいろなものを口に持っていくという行動も多々見られます。おしゃぶりも同様に考えられますし、1歳過ぎまでは、口の感覚刺激を経験し、食べる機能の準備行動であるといわれ、むしろ必要なものとも言えます。
先日フッ素塗布と予防指導で受診された1歳8か月の患者さんの話です。1歳6か月まではおしゃぶりを使用していたのだが、健診で歯並びへの影響のことを説明され、止めるように結構やかましく云われたとのこと。それでびっくりしておしゃぶりを止めたそうです。意外と苦労せずに止められたようでこれは例外的にラッキーと思いました。
通常は、子どもがぐずってそう簡単にはストップできませんし、おしゃぶりを取り上げることで指しゃぶりなどの類似した行動が出てくることがありますので、保護者には「指しゃぶりなどの他の口を使った癖が出てこないか様子を見てください」とお話しました。子どもの生理的欲求や、子育ての中で母親の種々のストレスや事情もあるだろうに、どうして歯だけ診てそのような指導になるのか???です。
「12歳までにおぼえたい小学生の辞典シリーズ」なるものが某誌の付録にあって、ことわざ辞典の中に「木を見て森を見ない」というのがありました。これだー。類似のことわざは「鹿(歯科)を追うものは山を見ず」だそうで。
ちなみに「団栗の背比べ」のどんぐり=団栗っていう漢字知ってました? 小学生レベルですけど。
コメント
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