乳幼児で指しゃぶりがある場合、かみ合わせに多少影響がみられることがありますので、時々保護者の方から相談があります。
確かに、上の前歯が前方に出っ張ったり、上下の前歯がかみ合っていないというような、指しゃぶりの影響であろうと思われる問題はあったりします。でも3歳近くまでは、子どもによってはまだ生理的に指しゃぶりをしたい時期であろうと思われますので、通常無理やり止めさせる必要はないでしょう。
3歳になるくらいまでは、大人の声かけがもうひとつよく理解できないでしょうし、指しゃぶりがストップすることで噛み合わせは改善することが多く、4歳くらいまでは、かみ合わせの前後的ズレはあまり起こっていないというデータもあります。
そういうことで、小児歯科医的にはあまり早期に云々しなくてもOKと考えます。
年齢が上がってきても指しゃぶりが止められない場合は、本人が指しゃぶりを止めたいという気を起こさせるのが最初と思います。うるさく言うというよりも、気をつけるとか関わるという姿勢が重要ではないでしょうか。
当院のある患者さんですが(5歳、女児)、カレンダーとシールを用意してもらって、指しゃぶりを止めるためにどれくらい頑張れたかを本人と保護者で評価してもらって、頑張り度で毎日評価シールを貼ってもらったことがあります。そして時々来院してもらって、カレンダーを見せてもらい、経過を保護者や本人にお話してもらったりしたことがあります。ポイントはできなかったシールはないこと、頑張れたことを歯科医も含め、周囲の皆でほめて評価してあげるということです。
この中で、子どもとその保護者の方との関わりが必然的に強くなるのも重要だと思います。
知り合いでもある岩倉先生はかなり心理的な面にアプローチされています。かなり深いところまでカウンセリングされていますが、通常の歯科医レベルではなかなかここまでは到達はできません。 右は患者さん用にも使える冊子で、私自身が患者さん&保護者にカウンセリングする場合に参考にしている情報源のひとつでもあります。
ふたつき子ども歯科
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