福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

むし歯菌の母子感染の話題

2006-06-22 | むし歯予防の話
先日、アメリカ小児歯科学会シンポジウムでのフッ素の話を書きましたが、今度はむし歯菌の感染の話です。
むし歯菌の母子感染については、最近の乳幼児をお持ちの保護者の方は結構ご存知のようです。これは1993年にCaufield が「感染の窓」という言葉を使って乳幼児の虫歯菌獲得時期を研究報告したのが元祖です。それ以来十数年になるわけで、このことについてはその後様々な研究がされて来ています。
むし歯菌の蔓延度は国や地域によっても違うと思いますが、ある程度乳歯が出てくると虫歯菌もやって来る。日本人のデータでは10本歯が出ている子どもの20%、12本歯が出ている子どもの40%で虫歯菌が検出されるそうです。10~12本というのは丁度1歳6か月健診の頃にあたります。また北欧のデータでは、虫歯菌が2歳までに検出される子どもはそれ以降に感染している子どもと比較すると、4歳になった時のむし歯数(むし歯の出来ている面の数で比較しています)は3倍程であるという報告があります。すなわち、感染が早いほど虫歯菌の定着量が多くなるということを数字で実証しています。
「感染の窓」が開くのが概ね1歳半から2歳半くらいの時期で、その後一旦「窓」は閉じると云われています(その後第2、第3の窓はあるのか?というのは謎ですが、とにかく最初の窓が大きい)。ここで虫歯菌が、主として母親から感染し乳幼児の口の中に定着すると云われていますので、その時期には甘味に偏ったおやつのダラダラ食べを控える、母親の虫歯菌を減らす(母親の歯磨き、歯のクリーニング、フッ素塗布、キシリトール使用など)ことで感染量を少なくし感染を遅れさせることが、楽な将来につながります。
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