Nicoという歯科医院患者さん向け雑誌があって内容をみて時々購入しています。最新号の特集は「ここまでできる コンポジットレジン修復」。
コンポジットレジンとはある種の硬質プラスチックではありますが、ペースト状のものを歯に詰めて固めるとほぼ歯の硬さと同等になりますので、実際的にはプラスチックというイメージとは異なります。
コンポジットレジンは以前は前歯むし歯治療の白い詰め物でしたが、材料の強度が向上して奥歯にも使えるようになりました。さらに歯との接着も接着システムの向上で良くなって、最小限に詰めて修復することが可能になって来ています。以前は乳歯むし歯と言えば、前歯はそのまま、奥歯は銀歯というイメージがあったかと思いますが、最近は前歯奥歯とも歯の色をした詰め物、すなわちコンポジットレジンの使用が広がってきています。
福岡市中央区という地域性もあるかとは思いますが、虫歯自体も減って奥歯が銀歯という子ども達は減り、保護者の方も自分は銀歯だけれども子どもの銀歯には抵抗があるという方が大多数です。
子どもはそうとして大人というか永久歯はどうなの? という疑問ですが、永久歯も大きいむし歯でなければ、歯を削る量が最小限でコンポジットレジンが使える時代になってきました。詰めた部分と周囲の歯の色とか形と自然に合わせる必要がありますが、患者さんごとに異なる歯の色や形をあわせるのには技術と時間が必要です。
私自身もこのコンポジットレジンは乳歯、永久歯とも積極的に使用しているのですが、1回で治療は終わるものの、時間がかかります。永久歯前歯の場合など、自然な歯の色を出すために3種類の色のペーストを積層することもあります。
もうひとつはいわゆるむし歯ではなくても、前歯間にスペースがある場合に形態修正をしたり、変色している歯の表面にコーティングして綺麗にするとかいうことが、歯をほとんど削らずに可能ということです。 1回の治療できれいに仕上がりますので、患者さんに喜んでもらうことも多いのですが、私自身も綺麗にできたな~という満足感で喜んだりしています。
バリバリ削って綺麗なかぶせ物という従来のパターンもむし歯が重症な場合は必要でしょうが、私的には手間がかかってもコンポジットレジンが好きな理由は、歯を削る量が最小限で済むことと、割れたりした場合やり直しではなく修理でOKのことが多いということです。
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小児歯科ですと、このようにぶつけて欠けた歯を修復する場合も多いですね。
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これは真ん中部分のスペースを埋めたり、歯の生え際の着色を修復した例ですね。
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これは奥歯の銀歯をコンポジットレジンに替えた例ですが、出来上がりは綺麗です。
ただし奥歯で詰めた範囲が広いと割れてくる可能性がありますので、この例はギリギリかな~?
ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam/
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