アブソリュート・エゴ・レビュー

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黄金の七人

2007-05-23 19:41:08 | 映画
『黄金の七人』 マルコ・ヴィカリオ監督   ☆☆☆★

 日本でDVDを買ってきて鑑賞。まあ他愛のない映画だが、結構いける。7人(+愛人1人)のチームが警戒厳重な銀行の金庫から金塊を盗み出す話。リーダーは教授と呼ばれるめがねをかけたインテリ風の男で、なかなかかっこいい。フィリップ・ルロワという俳優さんである。彼はホテルの部屋から無線で指示を出す。その愛人ジョルジアを演じるのは監督の奥さんらしいロッサナ・ポデスタ。なぜか知らないがやたらセクシーで、全身網タイツになったり裸に毛皮を巻きつけたような格好になったりする。横でこんな格好されて仕事ができるか。鼻血ブーである。

 他の連中は実行部隊。道路工事を装って地下から銀行に接近する。映画冒頭でいきなり計画本番スタート、前置きなし。こいつらがどういう風に集まったとかどういう風に計画を立てたとか一切なし。このテンポの良さがいい。プロらしく仕事は進むが、なんやかやと予期せぬ事態が起きて観客をハラハラさせる。仕掛けたカメラの前にものを置かれて見えなくなったり、警官に職務質問されている時に無線から声が出たり、刑事が金庫を調べに来たり、教授がいるアパートの部屋に警官が来たりする。けれども何とか成功。ここまでが前半。

 で、今度は仲間うちでの化かし合いが始まる。ハンサム教授はひどい奴で、金塊を愛人のジョルジアと二人で持って逃げようと計画している。ということで他の6人は浮かれて一台の車に乗っているところをあっさり捕まる。ここいらへんはコミカルで笑える。しかしすぐに釈放されて教授を追い始める。一方、教授は教授でセクシーな愛人ジョルジアに裏切られてしまう。ジョルジアの堂々たる裏切りっぷりはまさに峰不二子の元祖の風格充分である。ジョルジアは別便で輸送された金塊をピックアップするために目的地に駆けつける。さて、教授の逆襲は? そして復讐に燃える6人はどう出る?

 テンポが良くて軽快で、確かに『ルパン三世』的な楽しさに溢れた映画だ。セクシーなジョルジアのファッションも楽しめるし、お洒落なシャバダバ音楽も心地よい。ハリウッド製のパンチには欠けるかも知れないが、イタリア製の小粋なセンスが光る。しかし、あのオチはあまりにももったいないなあ。誰だって思わず「あーあ」とため息が出てしまうんじゃないだろうか。


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