『Chris Botti In Boston』 Chris Botti ☆☆☆☆
アメリカ人のトランペッター、クリス・ボッティのライブ音源。スティングのバンドでトランペットを吹いていた人である。くぐもった情感のあるペットの音が特徴で、暑苦しくなく、ロマンティックかつクール。革新的な尖った音楽ではないが、心地良くリリカル、サテンのような肌ざわりのスムースジャズだ。スタジオ盤も何枚か持っているが、夜聴くとなごめる。ルックスも大変良く、写真を見ると俳優並みにかっこいい。うらやましいこってす。
これはボストンでのライブ音源で、それまでのボッティの活動の集大成的な構成になっている。何枚も発表されているスタジオ盤の中から目玉曲ばかりをチョイスして演奏しているので実にバラエティに富んでいて、ジャンル的にはクラシック、映画音楽、ジャズ、ポップ・ロックとあらゆるカテゴリーを網羅している。名曲のいいとこ取りだ。ヴォーカル曲はスティングをはじめ有名どころをとっかえひっかえ。まったく贅沢なライブであることよ。モリコーネの「シネマ・パラダイス」ではヨーヨー・マが出てくる。オーケストラを従え、ボッティのトランペットとマのチェロが交互のソロを取る「シネマ・パラダイス」は超ゴージャスで、最後の盛り上がりには涙がちょちょぎれそうになる。本ディスクのハイライトの一つだろう。ヴァイオリニストのルシア・ミカレリと競演する「エマニュエル」も酔わせる。
他に聴き所としては二曲目の「When I Fall In Love」。スタジオ盤ではスローでムーディーな演奏だったがこのライヴでは躍動感たっぷりで、静かにペットのソロを聴かせた後は熱いジャズとなり、ドラム、ピアノ、ベースとともに緊迫したインタープレイを繰り広げる。特にドラムが大活躍で、まさに血湧き肉踊る演奏である。「スマイル」ではエアロスミスのスティーヴン・タイラーが出てくる。相変わらずうまいんだかヘタなんだか分からないヴォーカルだが、個性的であることは間違いない。スティングはさすがに縁が深いらしく「Seven Days」と「If I Ever Lose My Faith In You」と二曲演っているが、品が良すぎる演奏で物足りない。このフォーマットでロックはちょっと無理があるようだ。「Flamenco Sketches」ではマイルスばりの妖しいミュート・トランペットを聴かせる。他にも色んなゲスト・シンガーやプレイヤーが出てくるが、私は良く知らない方々である。
ボストン・シンフォニー・ホールの音の広がりも心地よく、とにかく高級感と贅沢感溢れるライブだ。ナイトキャップをやりながら耳を傾けるには最適。
アメリカ人のトランペッター、クリス・ボッティのライブ音源。スティングのバンドでトランペットを吹いていた人である。くぐもった情感のあるペットの音が特徴で、暑苦しくなく、ロマンティックかつクール。革新的な尖った音楽ではないが、心地良くリリカル、サテンのような肌ざわりのスムースジャズだ。スタジオ盤も何枚か持っているが、夜聴くとなごめる。ルックスも大変良く、写真を見ると俳優並みにかっこいい。うらやましいこってす。
これはボストンでのライブ音源で、それまでのボッティの活動の集大成的な構成になっている。何枚も発表されているスタジオ盤の中から目玉曲ばかりをチョイスして演奏しているので実にバラエティに富んでいて、ジャンル的にはクラシック、映画音楽、ジャズ、ポップ・ロックとあらゆるカテゴリーを網羅している。名曲のいいとこ取りだ。ヴォーカル曲はスティングをはじめ有名どころをとっかえひっかえ。まったく贅沢なライブであることよ。モリコーネの「シネマ・パラダイス」ではヨーヨー・マが出てくる。オーケストラを従え、ボッティのトランペットとマのチェロが交互のソロを取る「シネマ・パラダイス」は超ゴージャスで、最後の盛り上がりには涙がちょちょぎれそうになる。本ディスクのハイライトの一つだろう。ヴァイオリニストのルシア・ミカレリと競演する「エマニュエル」も酔わせる。
他に聴き所としては二曲目の「When I Fall In Love」。スタジオ盤ではスローでムーディーな演奏だったがこのライヴでは躍動感たっぷりで、静かにペットのソロを聴かせた後は熱いジャズとなり、ドラム、ピアノ、ベースとともに緊迫したインタープレイを繰り広げる。特にドラムが大活躍で、まさに血湧き肉踊る演奏である。「スマイル」ではエアロスミスのスティーヴン・タイラーが出てくる。相変わらずうまいんだかヘタなんだか分からないヴォーカルだが、個性的であることは間違いない。スティングはさすがに縁が深いらしく「Seven Days」と「If I Ever Lose My Faith In You」と二曲演っているが、品が良すぎる演奏で物足りない。このフォーマットでロックはちょっと無理があるようだ。「Flamenco Sketches」ではマイルスばりの妖しいミュート・トランペットを聴かせる。他にも色んなゲスト・シンガーやプレイヤーが出てくるが、私は良く知らない方々である。
ボストン・シンフォニー・ホールの音の広がりも心地よく、とにかく高級感と贅沢感溢れるライブだ。ナイトキャップをやりながら耳を傾けるには最適。
「こ、これは!? 帝王の未発表音源か!?」と心臓を鷲づかみにされたような思いがしましたね、あのときは。遠い昔、まだわたくしが人間やら世界やら音楽にいくぶんかの親愛と信頼を持っていた頃です。はるか遠い昔。今夜は『All Would Envy』と『First Noel』と『Silent Night』をヘビー・ローテーションで聴きながら世界と音楽への親愛と信頼を取り戻したいと思います。アブエゴさんもいっしょにお願いします。