崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

上関原発反対ドキュメンタリー

2010年08月01日 06時26分46秒 | エッセイ
 昨日鎌仲ひとみ監督のドキュメンタリーの長編映画『ミツバチの羽音と地球の回転』(2時間以上)を観た。中国電力の上関原発建設に対して住民たちとそれを支援する人々の反対運動をする内容であり、スウェーデンの石油と電力に依存しない自然と共生する暮らしの計画を紹介するものも含まれている。長い間マスコミにも多く報道されたものであり、反対運動も生活化されたようで、さらに組織化されている。
 この映画は劇映画やそれに準するドキュメンタリーとは違って本当のドキュメンタリーを狙っているように感じた。繰り返しや長く似たような場面もカットされておらず、できるだけ記録、つまりドキュメンタリー性を守っている。保存するものとしてのドキュメンタリーであり、観る、見せる物、活用するためとしては工夫されていない。この映画を通して純粋なドキュメンタリーに面白さ、意図やメッセージを強く入れるとプロパガンダ的になるので商業的には成功しても作品としては失敗するだろうと思った。しかし2時間以上現代人を暗室に閉じ込めるためには作品としては工夫しなければならない。