崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

GODIVA

2010年08月22日 05時47分09秒 | エッセイ
 母からの躾というか教えが身に付いた一つが人から貰ったものを大事にすることである。教え子の仲人役で記念に貰った洋服、伊藤氏や秀村氏の結婚式答礼品、各種祝いに貰った品や鉢物が何十年前のものがある。ソウルから送られてきた唐辛子の漬物は辛くても残さず全部食べてお腹を痛めた。
 昨日ヨーロッパ旅行をした方からベルギーのGODIVAチョコレートTruffesをいただいた。それが世界的なブランド商品であることは研究室を訪ねてきた全員が知っていることからであった。ブランドとは縁のない私には珍しいものである。それよりも関心があるのはベルギーの植民地商品であることである。その歴史はベルギーのアフリカ・コンゴ植民地を支配した悪名高いレオポルドⅡと関係の深い19世紀にさかのぼる。植民者たちはココアの原料から現在のようなチョコレートを作ったのである。ベルギーはその原料を多量に輸入してベルギーチョコレート産業を発展させた。それが20世紀に世界的に普及するようになったのである。
 イギリス西南部のブリストルにある大英帝国植民地博物館でみた植民地香辛料などの展示を思い出し、植民地を研究する私にとって意味のあるGODIVAチョコレートを味わいながら感謝している。