崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

国権侵奪100年

2010年08月30日 05時31分59秒 | エッセイ
 昨夜(8月29日)韓国のKBSテレビ9時のニュースは「国権侵奪100年」特集番組を放映した。日本は競争相手から「相生」(共生)の相手に代わったという。恥ずかしい歴史を克服して世界的に先進した「大韓民国」であることを強く訴えた。国民に自信感を持たせる番組であった。日本が加害国から「被害国化」していくのに懸念をした。
 私にはプロパガンダのようにも聞こえた部分もあった。今手元にある戦前のプロパガンダ映像を分析しているが、現在の北朝鮮、韓国、日本の番組さえ、中国は言うまでもなく、プロパガンダとそれほど差がない。映像とはもともと宣伝性があるからであろう。しかしプロパガンダと悪口を言いながら自らそれを繰り返し、それを身につけていくのである。
 韓国では言葉の表現は変わっている。「韓日合併」(한일합방)として学び、耳になれた言葉が最近多く変った。植民地期を「日帝時代(일제시대)」「倭政時代(왜정시대)」が「日帝強占期」日韓合併を「強制併合」となった。私の頭には同源異語が多い。しかし言葉は日本とは違って韓国では速やかに統一される。
 日本のマスコミは例外なく日韓併合の特集をしている。私はそのプロパガンダ性に注目している。私は現在中央紙や地域誌の4つの新聞を読んでいる。地域に住み地方紙を必ず愛読する。ここでは「山口新聞」であるが、この新聞は日韓併合の企画記事はもちろん韓国と地理的に文化的に近いにもかかわらず鈍感である。国際感覚を養って欲しい。