崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

業績と行跡

2010年08月21日 06時01分23秒 | エッセイ
 昨日韓国のMBCテレビの恐ろしい番組「PD手帳」(2006年8月15日)のDVDを初めて見た。呉善花氏への非難が一貫している。彼女が在職している拓殖大学の彼女を推薦した方の話を出している。その教授いわく彼女を「業績」で評価したといったが韓国語の字幕では「行跡」となっており、学歴偽造、日本語の不能力を主張している。彼女の日本語能力が足りないといいながら業績を「行跡」と間違えるほど幼稚な番組である。
 公的なテレビが作家や教授をしている彼女をプライバシーをもって非難できるのだろうか。韓国を愛するという韓国のナショナリズムしかないように思う。私は彼女と10日間一緒に調査に行ったことがあるが、他の人類学者より彼女が熱心にインフォーマントに密着して調査をするのを見た。その態度と能力を認めた。彼女の講義を盗撮した番組は告発されるべきであるが、韓国では無冠の帝王というマスコミの暴力には犠牲になるしかないであろう。
 韓国も鎖国状況の偏ったナショナリズムからグローバル化している。しかし時代に乗る生き方は正しくない。時代を超える個人の生き方を正すべきであろう。